サービス停止につながる4つの課題
Webサイトでのサービスが停止してしまうことは、大きな機会損失を生んでしまうリスクをはらんでします。そして、下記に挙げる4つの課題はいずれもサービス停止につながる危険性の高いものです。
- テレビニュースや新聞などで、自社製品やサービスが取り上げられたことで、
自社サイトへのアクセスが急増しサーバがダウンしてしまう
- サーバに故障などのトラブルが発生した場合、Webサイト上のサービスを継続できない
- アクセスが急増すると処理が遅延し、セッションを維持できなくなり、
ショッピングカート内の商品情報や入力中の登録情報を継承できない
- Webサイトへのアクセス数が多くなったため、よりハイスペックなサーバへ移行したいが、
移行には長時間を要しWebサイト上のサービス停止も必要となるため実現が困難
こうした課題は、ひとつのサーバ環境上でWebサイトを管理していることが根本的な原因となっています。つまり複数のサーバ環境で分担して処理を実行することができれば、先に挙げた課題を克服しサービスの停止を回避できるということです。
そしてそれを実現するのが、複数のサーバに処理を割り振ることのできるロードバランサなのです。具体的には、ロードバランサを活用することでWebサイトの安定稼働につながる下記4つのメリットを享受できます。
ロードバランサの4つのメリット
1. アクセス集中によるサービス停止を回避できる
Webサイトへのアクセスが急増しサーバの処理能力を超えてしまうと、サーバがダウンしサービスが停止してしまいます。
しかし、ロードバランサを活用することでアクセス急増によるサーバダウンを回避できます。ロードバランサが各サーバの処理能力に応じて処理の割り当てを行ってくれるので、サーバの処理能力を超過したことによるサーバダウンを回避できます。
2. サーバ異常によるサービス停止を回避できる
ロードバランサには、サーバの稼働状況を調査し異常がないかを検知するヘルスチェック機能も備えられています。そして、サーバに異常が見つかった場合にはそのサーバへの処理の割り振りを停止します。そのため万が一特定のサーバがダウンしてしまった場合でも、他のサーバでサービスを継続することができます。
3. セッションを維持できる
ネットショッピングでのカート内の商品情報や会員登録画面などでの入力フォームへの記入情報は、サーバを切り替えてしまうと消失してしまいます。
しかしロードバランサでは、こうしたセッション維持の必要な処理についてはサーバの切り替えを行わずに処理を割り当てることができます。したがって、セッション情報が消失してしまう心配がありません。
4. サーバの追加や削除を容易に行える
ロードバランサは、サーバから独立した存在として機能します。そのため、サーバの追加や削減を柔軟に実行することができます。また複数のサーバを並行稼働させるため、他のサーバに処理を任せつつ特定のサーバを交換することも可能です。
SNS隆盛の現代では「ロードバランサ」という備えが必要
これまで自社の製品やサービスが世間で広く認知される機会としては、テレビや新聞での報道が一般的でした。しかし最近では、FacebookやTwitterといったソーシャルネットワーキングツール(SNS)がテレビあるいは新聞といったマスメディアを凌駕する力を持っています。
そのため、いつどのようなタイミングで自社の製品・サービスが注目を集めWebサイトへのアクセス急増につながるかわかりません。そういった意味でも、ロードバランサを活用し予期せぬアクセス急増にも備えておくことが重要であると言えます。