ログ監視ツールは企業規模に応じて選び方が変わる
ログ監視ツールと一口にいっても、対象とするログの量や監視するサーバー、ネットワーク機器の台数は企業によって大きく異なります。ここでは企業規模によって選び方が変わる背景を整理します。
監視対象のログ量とサーバー台数で必要な機能が異なる
従業員数が増えるほど利用するシステムやサーバーの台数が増え、収集するログの量も比例して増加する傾向があります。そのため、少人数の企業では扱いきれない量のログを処理する製品と、小規模な環境向けに機能を絞った製品では、必要とされる性能が異なります。
例えば数百名規模の企業では複数のサーバーやクラウド環境から集まる大量のログをリアルタイムで処理できる性能が求められます。一方、数十名規模の企業では監視対象が限られるため、シンプルな操作画面を備えた製品の方が運用しやすくなります。
情報システム部門の体制や運用リソースによって求める操作性が変わる
専任の情報システム担当者がいる企業と、他業務と兼任している担当者しかいない企業では、ログ監視ツールに求める操作性が異なります。専門知識を必要とせずに導入できる製品か、高度な設定ができる製品かを見極める必要があります。
専任の担当者が少ない企業では、アラート設定や画面表示があらかじめテンプレート化されている製品を選ぶと、運用の負担を抑えやすくなります。反対に専任チームを持つ企業では、詳細な条件設定やカスタマイズ性を重視する場合があります。
従業員10名~30名規模の企業に向いたログ監視ツールの選び方
小規模企業では、限られた人員と予算の中でログ監視を運用する必要があります。ここでは10名規模と30名規模、それぞれの企業が確認しておきたい観点を紹介します。
10名規模ではまず操作のわかりやすさと費用を確認する
従業員10名規模の企業では、専任の情報システム担当者がいないケースも見られます。そのため、直感的に操作できる画面や、初期設定が簡単な製品を選ぶことが運用の負担軽減につながります。
費用面では、月額料金が抑えられたプランや、監視対象の台数に応じて段階的に契約できるプランを提供する製品もあります。無料トライアルを活用し、実際の操作感を確認してから導入を検討する方法も有効です。
30名規模では複数サーバーへの対応力も確認する
従業員30名規模になると、部署ごとに異なるシステムを利用しているケースが増え、監視対象のサーバーやアプリケーションの数も増加します。複数の監視対象を一つの画面でまとめて確認できるかどうかを確認しておくと安心です。
あわせて、アラート通知の方法がメールやチャットツールなど利用中の連絡手段に対応しているかも比較のポイントです。通知手段が限られていると、異常の発見が遅れる可能性があります。
従業員50名~100名規模の企業が比較すべきポイント
従業員数が50名を超えると、部門をまたいだシステム運用や情報共有の仕組みが必要になります。ここでは中規模企業がログ監視ツールを比較する際に確認したい観点を整理します。
50名規模ではアラート機能とログの検索性を比較する
従業員50名規模の企業では、監視対象が増える一方で、異常を検知した際に迅速に原因を特定できる仕組みが重要になります。異常発生時に条件に応じて通知を出すアラート機能の柔軟さを確認しましょう。
あわせて、蓄積したログを条件で絞り込んで検索できる機能があるかどうかも比較の観点です。検索性が高い製品であれば、障害発生時の原因調査にかかる時間を短縮しやすくなります。
100名規模では複数部門にまたがる運用体制を整える
従業員100名規模になると、情報システム部門だけでなく、各部門の担当者がログ監視の状況を確認する場面も増えてきます。権限に応じて閲覧範囲を分けられる機能があると、部門をまたいだ運用がしやすくなります。
導入にあたっては、既存の業務システムやセキュリティ製品との連携可否を事前に確認しておくことが望まれます。連携が不十分な場合、通知の見落としや二重対応が発生する可能性があります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でログ監視の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
従業員300名以上の企業やグループ会社に求められる要件
従業員数が300名を超える企業や複数のグループ会社を持つ企業では、扱うログの量が飛躍的に増加します。ここでは大規模組織がログ監視ツールに求める要件を整理します。
大量のログを扱う企業ではデータ処理性能と拡張性を確認する
300名以上の企業では、拠点やサーバーの数が多く、収集されるログの量も膨大になります。そのため、大量のデータをリアルタイムで処理できる性能と、監視対象の増加に応じて拡張できる設計を備えているかを確認する必要があります。
また、クラウド環境とオンプレミス環境が混在している企業も多く、両方の環境に対応した監視範囲を持つ製品かどうかも比較の観点となります。対応範囲が限られていると、監視の抜け漏れにつながる可能性があります。
グループ会社では複数拠点のログを一元管理できる体制を整える
グループ会社を持つ企業では、各社が個別にログ監視を行っていると、異常の発生状況を全体で把握しづらくなります。複数拠点や複数子会社のログを一つの管理画面に集約できる仕組みがあると、全体の状況を横断的に確認しやすくなります。
権限設定によってグループ全体の管理者と各社の担当者で閲覧範囲を分けられる製品であれば、情報統制と現場運用の両立がしやすくなります。導入前にグループ内での運用ルールをすり合わせておくことも重要です。
上場企業でのログ監視ツール導入における留意点
上場企業では、内部統制やセキュリティ監査への対応が求められる場面があります。ここでは上場企業がログ監視ツールを導入する際に確認しておきたい観点を紹介します。
内部統制やセキュリティ監査への対応力を確認する
上場企業では、監査法人や内部監査部門からログの保管期間やアクセス履歴の証跡管理について確認を求められる場合があります。監査に必要な形式でログを出力できるか、保管期間を柔軟に設定できるかを事前に確認しておく必要があります。
あわせて、誰がいつどのログにアクセスしたかを記録できる機能があると、内部統制の観点からも運用の透明性を高めやすくなります。監査対応を見据えた設計かどうかは、導入前に確認しておきたいポイントです。
導入後の運用フローと失敗を防ぐ体制づくりを進める
ログ監視ツールは導入して終わりではなく、日々のアラート対応や定期的な設定の見直しを続ける運用体制があってはじめて効果を発揮します。担当者の役割分担や、異常発生時のエスカレーションフローを事前に整理しておくことが望まれます。
運用開始後にアラートの設定が現場の実態に合わず、通知が多すぎて見落としが発生する場合もあります。運用開始後も定期的に設定を見直し、必要に応じて調整していく姿勢が求められます。
企業規模を問わず検討したいログ監視ツール
ここまで紹介してきた企業規模ごとの比較観点をふまえ、サーバーやPCから出力されるログの収集・可視化・管理に対応できる製品を紹介します。監視対象の範囲や、内部統制・証跡管理といった目的の違いから、自社に合った製品を比較する際の参考にしてください。
Watchy
- 低価格で始められる
- ログ管理〜IT資産管理まで幅広く管理ができる
- 運用の保守点検負担が少ないクラウドサービス
株式会社スタメンが提供する「Watchy」は、PCの操作ログを記録できるクラウド型のログ管理ツールです。ファイル操作やUSBデバイスの利用状況を可視化し、内部不正や情報漏えいの兆候を把握できます。重要なファイルの持ち出しや不審な操作を検知した際にはアラート通知を行い、管理者の負担を軽減します。フォルダー監視やUSBドライブ監視など必要な機能だけを選んで契約できるため、無駄なく導入できます。画面もシンプルで直感的に操作できる設計のため、情報システム部門の専任担当者が少ない企業でも運用しやすい点が特徴です。
MaLionCloud
- Windows、Mac、スマホを一元管理
- IT資産を見える化して、ライフサイクルを徹底管理
- 労働状況の見える化で、長時間労働・サービス残業を把握・是正
株式会社インターコムが提供する「MaLionCloud」は、従業員が利用するPCの操作ログやファイルの利用状況などを記録・管理できるクラウド型のログ管理ツールです。PC操作を可視化することで、情報漏えいの兆候把握や内部統制の強化に役立てられます。取得したログは条件を指定して検索・出力できるため、監査対応や証跡管理を行いたい企業にも活用されています。クラウド型のため、複数拠点を持つ企業でも導入しやすい構成となっています。
UserLock (株式会社オーシャンブリッジ)
- 放置セッションの自動ログオフでセキュアにリソース確保!
- ログイン関連のアクティビティをすべてモニタリング!
- 同一ユーザーの複数ログインを防止してコンプラ遵守!
ログ監視ツールに関するFAQ
ここでは、ログ監視ツールの導入を検討する際によく挙がる疑問についてまとめます。
- Q1:ログ監視ツールの費用はどのくらいかかりますか
- 費用は監視対象の台数や機能範囲によって異なります。小規模企業向けには月額数万円程度から利用できるプランもあれば、大規模環境向けには監視対象数や保存期間に応じて費用が変動するプランもあります。複数の製品資料を比較し、自社の規模に合った料金体系かを確認することが重要です。
- Q2:既存のシステムやセキュリティ製品との連携は可能ですか
- 製品によって対応する連携範囲は異なります。既存のセキュリティ製品や業務システムとの連携がうまくいかない場合、製品側の仕様、利用者側の設定、連携先システムの仕様など複数の要因が考えられます。導入前に自社で使用しているシステムとの連携可否を確認しておくと安心です。
- Q3:小規模企業でも問題なく運用できますか
- 操作画面がわかりやすく、初期設定のテンプレートが用意された製品であれば、専任の担当者がいない企業でも運用しやすくなります。無料トライアルなどを活用し、実際の操作感を確認してから導入を判断することをおすすめします。
- Q4:情報漏えいなどのリスクにはどう備えればよいですか
- ログ監視ツールはアクセス履歴や通信の異常を検知する仕組みとして役立つ場合があります。ただし、情報漏えいのリスクは特定の原因に限らず、外部からの攻撃や内部の設定不備など複数の要因が組み合わさって発生する可能性があります。定期的なログの確認とあわせて、権限管理や運用ルールの整備も進めることが有効です。
まとめ
ログ監視ツールは、従業員数やサーバー台数、拠点数によって求められる機能や運用体制が異なります。小規模企業では操作性と費用を、大企業やグループ会社ではデータ処理性能と一元管理の仕組みを重視して比較することが重要です。上場企業では監査対応も踏まえた選定が求められます。自社の規模に合った製品を、資料請求などを通じて比較検討してみてください。

