ログ監視ツールの導入のメリット
製品の特徴について比較する前に、ログ監視ツールの導入効果がどのようなものか解説します。ログ監視ツールを導入すると、セキュリティ対策やシステム運用をするうえで、以下のようなメリットがあります。
不正操作・情報漏洩を未然に防ぐ
ログ監視ツールは、ログイン日時、端末の操作など、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」したのかを詳細に記録します。このような記録は、トラブル発生時の証拠となります。また、ツールを導入しておくことで、不正操作やデータの持ち出しに抑止効果が働き、情報漏洩を未然に防げます。
障害発生時の原因特定が早い
ログ監視ツールは、日々蓄積している膨大なデータから、障害発生時のログのパターン化が可能です。そのため障害発生時にはログデータをもとに、原因特定やシステム復旧も迅速に行えます。
また、リアルタイムでログデータを表示し、異常を検知した場合はアラート機能で通知されます。製品によっては、発生した異常が重大なものか、注意喚起程度のものなのかを迅速に判断できるように、ステータスに分けて通知するものもあります。
24時間安心の監視体制
膨大なログを人手で管理し、分析するのは大変な手間がかかります。ログ監視ツールは、その手間や負担を軽減するほか、365日24時間監視するので、業務時間外であってもログの異常を検知し通知してくれるため安心です。
ログ監視ツール導入時のポイント
ログ監視ツールを導入すればトラブルの早期発見が可能ですが、ツールそのものが対処をしてくれるわけではなく、あくまで自社内でトラブルの対応を行うことが原則です。基本的に、トラブルを検知したときは異常の通知が届き、トラブルの詳細や原因を解析することが求められます。
ログ監視の対象を広げすぎると情報量が多くなり、問題が発生しても原因追求に時間がかかり、早急な復旧対応が難しくなるでしょう。そのため、トラブルを想定して監視対象を決め、ログ監視ツールと同時にログファイルの分析ツールを活用して、トラブルに迅速に対応する体制を整えておきましょう。
ログ監視ツールの4つの選び方
ログ監視ツールを選ぶ際には、方式や価格、目的などさまざまな観点から自社に合ったものを選定しましょう。具体的な選定ポイントを解説します。
エージェント方式か、エージェントレス方式か
ログ監視ツールには、エージェント方式とエージェントレス方式の2種類あります。両者の違いは以下のとおりです。
- エージェント方式
- エージェント方式とは、監視対象となるサーバやデータベースにインストールし、サーバやデータベースの内部から監視することです。内部からログ監視する方式のため、詳細までログを把握できます。しかし、サーバやデータベースに負荷がかかりやすいため注意が必要です。詳細なデータを収集・分析を行いたい場合におすすめ。
- エージェントレス方式
- エージェントレス方式とは、インストールではなく、ネットワークなどを経由して外部サーバから、遠隔で監視します。サーバやデータベースへの負荷が小さく済み、比較的安価である方式です。詳細な監視ができない点がデメリットで注意が必要です。CPUの利用率やメモリ使用量、ディスク容量などが最低限分かれば十分だという場合におすすめ。
自社のニーズや重視するポイントを明確にして、どちらの方式にするか明確にすることが大切です。
予算に見合ったツールか
実際にログ監視は企業の売上に直結するツールではないため、あまりコストをかけられない場合も多いでしょう。そのため、価格の抑えられるエージェントレス方式を導入する企業もあります。
導入費用を抑えたい場合はクラウド型システムの利用がおすすめです。クラウド型ならログ監視のサーバを用意せずに済むため、初期費用を抑えられるでしょう。
また、監視対象の幅によっては価格も変動します。必要最低限のログを監視しコストを抑えたいのか、またはできる限り監視対象の幅を広げてセキュリティーを強化したいのか、自社の目的に合わせたツールやプランを選びましょう。
自社の導入目的にふさわしいか
最適なツールを導入するためには、導入目的を明確にすることが大切です。一般的に「セキュリティ向上」「端末やシステムの利用状況の把握」「システム障害の回避」を目的としてログ監視ツールを導入するケースが多いでしょう。
一例として、目的に応じてどのようなツールを選定すべきかまとめたものが以下です。
- セキュリティ向上
- 「いつ、誰が、何をしたか」など、クライアントPCからネットワーク機器、サーバー、ミドルウェア、アプリケーションまで不正アクセスの有無を把握し、情報漏えい対策を行わなければなりません。そのため、アクセス制御やアラート機能を搭載したログ監視ツールを選び、必要最低限の権限を付与しシステムに対する直接的な不正を防止します。
- 利用状況の把握
- 社員の端末の操作状況を把握すれば、在宅勤務や多様化する働き方における労務管理にもつながります。PCの操作やWeb閲覧などのログを監視するツールの活用で、リモートワークなどにおける不透明な働き方を可視化します。
- システム障害の回避
- 異常なメッセージを発見し、システムのどの部分にどのような問題があるのか、またユーザーが不適正な操作を行っていないかを常に把握する必要があります。24時間365日の監視体制が安定しており、リアルタイムでサーバやネットワークを監視する機能を有するツールを選ぶことでシステム障害の早期発見が可能となります。
このように、目的によって導入する製品の特徴や機能が変わるため、まず自社の状況や課題を見直しましょう。
データ量は適切か
ログ監視ツールの対象として、サーバ、ネットワーク、端末のログなどがあるでしょう。24時間365日ログを監視し続ける場合、従業員数や監視対象の範囲次第では、ログ監視に蓄積されるデータ量は膨大になります。自社の企業規模と監視対象のデータ量を見誤ると、データの保存要領が足りなくなったり、動作速度が低下したり、不具合が起こる可能性もあります。
そのため、ログの蓄積量に応じてストレージの容量を追加しなければなりません。ただし、容量によって月額の利用料が変わる可能性があるため注意が必要です。
容量を増やさない場合は、ログ監視の対象を制限する必要があります。データ量を正しく見積もって、自社の企業規模に合ったログ監視ツールを選びましょう。
おすすめ製品の比較表
この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介します。各製品の詳細情報については、後ほど紹介していますので、気になる製品をチェックしてみてください。また、ITトレンドは無料で資料資料請求する事が可能であり、資料請求した製品の比較表をダウンロードする事が可能です。社内検討する際に活用してみてください。
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製品名 |
提供形態 |
参考価格 |
無料トライアル |
レビュー評価 |
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X-MON |
パッケージソフト / ハードウェア / SaaS / ASP / アプライアンス |
98,000円 |
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Logstorage |
オンプレミス / クラウド / パッケージソフト |
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※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
ITトレンド編集部厳選!ログ監視ツール
まず、ITトレンドおすすめのログ監視ツールを見ていきましょう。
《X-MON》のPOINT
- ネットワーク管理者の運用負荷、コストを大幅に軽減したい企業
- 監視ソリューションを導入したい企業
- コストパフォーマンス・操作性に優れたネットワーク・サーバ監視
株式会社エクストランスが提供する「X-MON」は、オープンソースソフトウェア(Nagios・RRDtool)をベースに自社開発され、サーバやネットワーク機器の死活状態、HTTPやSNMPなどのサービス状態などを監視するツールです。監視結果の表示だけでなく、構成情報の管理やレポート機能、マップ表示など使いやすい機能が多数搭載されています
《Logstorage》のPOINT
- 様々なログデータを漏れなく収集
- ログデータを分かり易く分析
- 安全にログデータを保管
インフォサイエンス株式会社が提供する「Logstorage」は、大量のログを収集し、内部統制・情報漏洩・情報セキュリティ対策など、多様な目的にログを活用する統合ログ管理システムです。システムの異常や不正処理などリアルタイムにログを管理。シナリオに基づいたポリシー設定により誤検知を減らし、必要なログのみ検知します。
まだまだある!ログ監視ツール
その他のログ監視ツールも見ていきましょう。
ALog SMASH(エーログ・スマッシュ)
株式会社網屋が提供する「ALog SMASH」は運用の負荷を最低限に抑えて最適なセキュリティ対策を実施可能です。監視対象のファイルサーバにインストールするため、専用の管理サーバを用意する必要はありません。ログを圧縮して保管する独自の変換ロジックを搭載しており、コンパクトになるため大容量ディスクが不要な点もポイントです。
Watchdog
JIG-SAW株式会社が提供する「Watchdog」は、IoTデバイスの故障検知や、アプリケーション異常終了の自動検知をリアルタイムで通知するタイマーサービスです。HTTP(S)による通信が可能であれば、スマートフォンやIoTデバイスからもタイマーを操作できます。
arGuss
株式会社イーネットソリューションズが提供する「arGuss」は、監視対象のITインフラを問わず、あらゆるサーバーからクラウド環境までロケーションフリーのサーバー監視サービスです。コスト重視で最低限の利用から、すべてお任せの運用代行までニーズに合ったプランを選択できます。
自社に合ったログ監視ツールで、セキュリティを高めよう
セキュリティ対策の基本でもあるログ監視ツールは、種類が多く監視対象の範囲もそれぞれ違います。そのため、どのような目的でログ監視ツールを導入するか明確にしなければなりません。
ログ監視ツールを導入する前に、押さえておくべきポイントとツールの選び方を参考にして、自社に合ったログ監視ツールを導入しセキュリティ強度を高めましょう。