ログ監視とは
ログ監視とは、コンピュータシステムやネットワーク機器が生成するログと呼ばれる記録を監視する仕組みです。不正アクセスや情報漏えいなどのセキュリティインシデントの兆候を早期に検知できます。
ログとは
ログとは、サーバやネットワーク機器、クライアントPCなど、ITシステムを構成する要素の稼働状況を記録したものです。ハードウェアやソフトウェアの動作を含むさまざまなデータがログとして残されます。
近年、仕事でデジタルデバイスの使用が一般的となる一方、不正アクセスによるリスクが増加しています。その対策として、「ログ」の監視が必要です。
ログの種類
システムログやセキュリティログなど、ログにはさまざまな種類があります。ここでは、代表的なログについて説明します。
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●端末ログ:PCやスマートフォンなど業務用端末の利用状況
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●ログインログ:業務用端末からのファイルサーバやDBサーバへのログイン状況
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●プリンタログ:プリンタの利用状況
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●Webログ:Webサイトへのアクセス履歴
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●ファイルログ:ファイルの更新、コピー、削除などの操作内容
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●FTPログ:FTPサーバへのアクセス状況や操作内容
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●アプリケーションログ:アプリケーションのインストールや利用状況
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●イベントログ:システム内で起こった特定の現象・動作の記録
その他のログや用途などについてより詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。
ログ監視の目的
ログ監視を行う目的は、セキュリティインシデントの早期発見とシステムの安定稼働です。ログ監視により、「誰がいつ何をしたか」が明確になるため、不正アクセスや情報の持ち出しを速やかに検知できます。また、システムトラブルが発生した際も、エラーログの確認・分析により、スピーディーな対応が可能です。
ログ監視ツール導入のメリット
ここからは、ログ監視ツール導入で期待される効果について解説します。
不正操作・情報漏えい防止に役立つ
ログ監視により、不正ログインや異常な操作を早急に察知できるため、情報流出のリスクを低減します。また、ログデータは行動を可視化し、不正行為の証拠としても活用可能です。ログ監視ツールの導入を周知することで、内部不正の抑止、さらには社内の風紀向上につながるでしょう。
働き方改革に対応したセキュリティ対策ができる
働き方改革により雇用形態や働く環境が多様化するなかで、セキュリティリスクは複雑化しています。また、リモートワークの普及や個人端末の利用増加により、不正アクセスや誤操作による情報漏えいリスクが高まっています。
ログ監視ツールは、サーバやネットワーク、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットの動作も監視可能です。テレワーク環境でも、企業のセキュリティ対策を強化し、情報資産の保護に役立ちます。
業務効率化へのヒントを発見できる
従業員のPC操作ログ分析をすると、各人の業務処理方法も事細かに把握できます。例えば、一定時間マウスやキーボードの操作がなければ、PC業務から離れていると判断できます。業務内容を可視化し、非生産的と思われる時間を見直すことで、生産性向上につなげられるでしょう。
また、業績の良い社員のPC利用状況を分析することで、他のメンバーの業務改善に結びつけることも可能です
以下のページでは、ログ監視ツールの人気製品を紹介しています。興味のある方は、ぜひご参照ください。
ログ監視ツールの機能
ここからは、ログ監視ツールの主だった機能について解説します。
ログに異常が見当たらないかチェックする「監視機能」
ログ監視ツールには、各種ログを監視する機能が搭載されています。プログラムにより自動的に監視するため、原則として24時間365日にわたって監視活動が可能です。
また、ログ監視を実施するファイルやデータを任意に限定できる製品もあります。
必要な情報をすばやく抽出できる「検索機能」
ウイルス感染や不正アクセスが発生した場合には、情報セキュリティ部門による原因究明が必要です。このときに役立つのが、検索機能です。
ログとして記録された各種情報を任意の条件でサーチします。検索機能を駆使することで、ウイルスの感染源やスパイウェアなどの組み込まれたファイルを、迅速に特定できます。
異常の検知をすばやく伝達する「アラート機能」
不正な操作や登録外端末の接続を検知した場合に、管理者に通知するアラート設定機能もプログラムされています。事前に登録しておいた不正とされる操作や、蓄積してきたログ情報との照合により不正を検知し、アラートを発します。
ログ情報を定期的に管理者へと報告する「レポート機能」
ログ情報の保存・蓄積だけでなく、メールや管理画面上でレポートとして通知する機能を有し、トラブル発生時の傾向分析に活用可能です。なかには、期間を設定したり出力したりできるログ監視ツールもあります。
【比較表】おすすめのログ監視ツール
ここからは、おすすめのログ監視ツールを紹介します。なお、効率よく比較検討をしたい方には、一括資料請求(無料)がおすすめです。資料請求した場合、価格や機能、特徴を一覧で比べられる比較表を作成できるため、ぜひ活用ください。
以下の記事では、各製品の特徴や価格についても詳しく解説しています。システム導入に興味のある方は、ぜひ一読ください。
ログ監視ツールの選び方
ログ監視ツールの選定ポイントを紹介します。
エージェント監視かエージェントレス監視か
ログ監視は、エージェント監視とエージェントレス監視に大別できます。それぞれの特徴やメリット・デメリットをまとめると以下になります。自社の用途や目的に応じて適した方法を選択しましょう。
- ■エージェント監視
- 特徴:監視対象のサーバやデータベースにインストールし、内部から監視する。
- メリット:内部から監視するためより詳細な監視が可能。
- デメリット:サーバやデータベースに負荷がかかり、動作が重くなる可能性。
- ■エージェントレス監視
- 特徴:インストール不要。ネットワークを経由して外部サーバから遠隔で監視する。
- メリット:サーバやデータベースへの負荷が小さい。汎用的な監視をする。
- デメリット:詳細な情報収集・監視が難しい。
自社の導入目的を把握する
導入目的によって、選ぶべきログ監視システムが変わります。例えば、セキュリティ強化が目的なら、リアルタイムで異常を検知できる精度の高い製品を選ぶ必要があるでしょう。一方、従業員の業務内容を可視化し改善に役立てたいのであれば、PC操作ログの監視や分析に特化した製品を選択する手もあります。
監視対象ログを明確にする
ログ監視ツールを選ぶ際には、監視対象を明確にすることも重要です。製品ごとに監視できる対象は異なり、特定のアプリケーションやシステムのログに特化したものなどもあるためです。また、監視対象を絞り込むことは、システムリソースの無駄を省き、効率的な運用につながります。包括的なツールほど高額になる傾向があるため、コスト削減にも効果的です。
導入コストを確認する
ツール導入にコストをかけられない場合は、クラウド型のログ監視ツールを検討するのもよいでしょう。クラウド型の多くは初期費用が無料で、導入コストを抑えやすいのが利点です。
ログ監視ツールの注意点として、ログの蓄積量に応じて月額料金が変わる場合もあるため、自社のデータ量をあらかじめ見積もっておく必要があります。
自社にあったログ監視ツールを導入しよう
ログ監視により、不正アクセスや情報漏えいなどのセキュリティインシデントの兆候を、早期に検知できます。また、ログ監視ツールの活用で、ログ監視の自動化と効率化が図れるでしょう。
システムの安定稼働と可用性を高めたい企業や、セキュリティ対策を強化したい企業は、この機会にツール導入を検討してはいかがでしょうか。一括資料請求(無料)もぜひお役立てください。