物流管理システムの選定ポイント

選定ポイント：システムの「範囲」と「形態」を選択する！

いきなり個々の機能を比較する前に、システムがカバーする範囲や形態を決定します。

■物流のどの部分をシステム化するか？

物流管理システムのカバーする範囲はとても広い。商品を工場から出荷してから、倉庫で保管され、配送所を経由し、顧客の元に届きます。この間にある作業でも配送業務、入庫・出荷、倉庫管理、在庫、配車、輸送など極めて広範囲にわたります。

そして、これらそれぞれに専用あるいは兼用のシステムがあります。もちろん、トータルで提供するものもあります。これらの中からどれを採用するかを決定しましょう。なお、個々に独立したソリューションを選ぶのであれば、連携機能が用意されているかを確認しましょう。マスターデータなどの同期が必要になります。

■導入形態を決める！

物流管理システムの提供形態には、オンプレミスとクラウドがあります。 オンプレミスであれば柔軟性があり、自社の求める機能を組み合わせて構築することができます。反面、利用開始まで時間がかかります。この点、クラウドは契約後にすぐに利用開始できます。 初期投資コストはクラウドの方が安く、構築後の機能追加も容易です。スモールスタートを望むのであればクラウドがお薦めです。

運用もクラウドの方が簡単です。システムの運用を専門家にまかせたいのであれば、クラウドにしましょう。

■アウトソーシングという手もある！

まかせるのであれば、物流工程をアウトソーシングすることもできます。物流機能の外部への委託は早くから行われていました。委託先は物流専門ですから、高度なサービス提供により、顧客満足度の向上を期待できます。物流改善により、コスト削減も可能となります。外部に委託することで、ビジネス資源をコアビジネスに集中することもできます。

選定ポイント：この「機能」に注目する！

ソリューションの方向性が決まったら、個々の機能検討に入ります。以下の機能が備わっているかを確認しましょう。

■在庫管理

製造業おける製品在庫、流通業では商品在庫を管理します。それぞれ生産管理や販売管理と連携して、在庫数を正確に把握することが求められます。単品管理やロット管理などリアルタイムに在庫量の把握し、食品業界向けには、賞味期限や出荷期限の管理、賞味期限切れ在庫の予測などの機能が提供されます。複数拠点の在庫管理に対応する製品もあります。

■入出庫管理

入庫処理・出庫処理を管理します。RFID（radio frequency identifier）などのICタグを用いてリアルタイムに在庫の把握できる機能もあります。大規模な物流拠点であれば、倉庫内のロケーション管理も必要となるでしょう。

■輸送管理

工場～ターミナル倉庫～拠点倉庫～配送所～顧客、あるいは工場間や倉庫間など、商品の輸送の流れを管理する機能です。輸送状況を把握することで、顧客からの出荷状況問い合わせに迅速に対応できるようになります。

■配車管理

商品の品目、荷姿、重量、容積に応じて、地域、納品時間、ドライバのシフトなどから、適した車両を割り当て、配車計画から運行計画までを実施する機能です。従来経験豊かなベテランによる職人的な技術に頼っていましたが、ITによるシステム化が見られるようになっています。

■車両管理

トラックなど車両の基本情報、リース車両の契約情報、事故・修理履歴などを把握・管理する機能です。手作業やExcelで行っていた車両管理をシステム化することで、業務を効率化し、輸送コスト削減を図ることができます。

■運賃管理

運賃計算、物流費の計算、請求・支払を管理する機能です。運賃の多寡がコストに直結しています。運賃の自動計算やシミュレーションによって、最適な運賃を設定し、物流コストの管理業務効率化と削減に貢献します。

以上のポイントで自社に適したソリューションを選択してください。