NVOCCとは
NVOCCの概要を見ていきましょう。
非船舶運航業者のこと
NVOCCとは「Non Vessel Operating Common Carrier」の略で、非船舶運航業者のことを指します。読み方は「エヌブイオーシーシー」ですが、省略して「エヌブイ」「エヌブイオー」と呼ばれることも多いです。
荷主と輸送業者を仲介する業者のことで、米国の1984年新海事法で定義されました。日本では貨物利用運送事業法が適用され、NVOCCは貨物利用運送業者として扱われます。
参考:貨物利用運送事業法
フォワーダー業務の一部
フォワーダーは、国際輸送に関する業務を請け負う業者全般を指す言葉です。輸送そのものをサービスとして提供する場合もあれば、輸送業者との取次のみを行う場合もあります。フォワーダーには以下の種類があります。
- NVOCC
- 外航において荷主と輸送業者を仲介し、荷物に責任を持つ
- ブローカー
- 仲介のみをし、荷物に責任は持たない
- 混載業者
- 複数の荷主から小口貨物を請け負い、混載して大口貨物として輸送業者に渡す
- 国際複合一貫運送業者
- 港間だけでなく、港までの輸送もまとめて提供する
- インテグレーター
- ドアツードアの国際複合輸送を提供する
フォワーダーの中でも、海上輸送を対象としている業者をNVOCCと呼ぶ点に違いがあります。いずれも、荷主にとっては貿易に関する業務の一部あるいはほぼすべてを委託できるアウトソーシング先です。
NVOCCのメリット
NVOCCのメリットを3つ紹介します。
個別のニーズに応えやすい
どのような国際輸送方法が適しているかはケースバイケースです。
たとえば、大量の荷物を運ぶのであれば、鉄道や船舶が適しています。一方、生鮮食品のように素早く届ける必要がある場合は、航空やトラックが向いているでしょう。また、荷物の内容だけでなく、地理的な制約も考慮しなければなりません。
そのため、荷主が自分で最適な輸送手段を考え、それに関連する業務を行うのは大きな負担となります。NVOCCに限らず、フォワーダーを利用することでこれらの問題が解決します。
ケースごとのニーズに対し、最適な輸送手段を提供してくれるでしょう。
ジャストインタイムで提供される
NVOCCは、海外の提携企業や駐在員などと連携し、輸送に関する広大なネットワークを持っています。そのため、貨物の追跡管理や輸送手段の選択によって、ジャストインタイムの輸送が可能です。
例えば、何かのトラブルである輸送方法が急遽利用できなくなっても、すぐにほかの輸送会社と連携するなどして対応できるでしょう。
そのほか、細かい手続きなども、関連会社と幅広いつながりを持ったNVOCCが行ったほうが円滑に進みます。自社で対応するより、滞りのない輸送が実現するでしょう。
コストが削減される
NVOCCを利用することで、国際輸送に伴う多くの業務を任せられます。書類作成や貨物の保管、通関手続きなどもワンストップで委託可能です。それぞれの業務に個別に対応するより、一括で任せたほうが手間もなくコストも最小限に抑えられるでしょう。
また、NVOCCは輸送に関して複数の選択肢を提供してくれます。多様な選択肢の中から、もっとも効率的なものを選ぶことでコストを削減できるでしょう。
効率的に輸送!NVOCCサービスを比較
NVOCCサービスをいくつか紹介します。
株式会社日立物流バンテックフォワーディング
ワンストップの輸送を提供するフォワーディングサービスです。事務代行や通関サービス、独自のシステムによる在庫管理など、国際輸送に伴う業務を丸ごと請け負います。電気製品や産業機械、医薬品、化粧品、食品、アパレルなどさまざまな荷物の輸送に対応しています。
商船三井ロジスティクス株式会社
全世界向けのドアツードア輸送を提供するサービスです。貨物の形状に応じて、在来船や特殊船、特殊コンテナなどを利用できます。また、複数の荷主の小口貨物をまとめた混載輸送によるコスト削減など、細かなサービスが充実しています。
ジャパントラスト株式会社
主にアメリカ・カナダ・メキシコ・ブラジル方面への輸送を対象としたNVOCCサービスです。少数精鋭で運営され、ローコストで最適な物流提案をしてくれます。特に北米航路においては多くの主要船社と交渉し、格安な料金設定を実現しているのが魅力です。
自社に合ったサービスを選択し、効率のよい輸送を!
NVOCCとは非船舶運航業者のことで、フォワーダーの一部に位置付けられます。輸送会社と荷主を仲介することで、最適な物流を実現します。NVOCCサービスを利用すると、個別のニーズに応えてくれたり、ジャストインタイムでの輸送が可能になったり、国際輸送と手間とコストを削減できるでしょう。ぜひ自社に合ったサービスを選び、効率の良い国際輸送を目指してください。