物流管理システムとは
物流管理システムとは、物流に関する一連の工程や製品情報を管理するシステムです。出荷するまでの工程を管理する倉庫管理システム(WMS)と、出荷後の工程を管理する輸送管理システム(TMS)で構成され、統合管理が可能なものから、どちらかの機能に特化したものまで製品によりさまざまです。
倉庫管理システム(WMS)
倉庫管理システム(WMS)は、倉庫内の商品を適切に管理し、出荷までの流れを担います。主に以下3つの機能が備わっています。
- ■入荷管理機能
- 入荷スケジュールの管理や、入荷時の商品ラベル管理を行う
- ■在庫管理機能
- 在庫の所在や数、賞味期限や製造年月日など在庫情報をまとめて管理する
- ■出荷管理機能
- ピッキングリストの発行や出荷予定を管理する
配送管理システム(TMS)
配送管理システムは、出荷後に製品が届くまでの時間や状態を管理します。主に以下3つの機能が備わっています。
- ■配車管理機能
- さまざまな条件を設定して配送ルートのシミュレーションができる
- ■進捗管理機能
- 倉庫から出荷された荷物がどのドライバーのトラックに載っていて、現在どこにあるのかをリアルタイムで把握できる
- ■実績管理機能
- 出荷した商品の配送完了後に、その配送実績を記録に残せる
物流管理システムの基本機能については、以下の記事で詳しく解説しています。
物品管理システムをお探しの方へ
この記事では、おすすめの目標管理システムを以下のタイプ別に分類し、価格や機能などを比較しています。「すぐにツール選定に移りたい」という方は、以下の見出しをクリックして、詳しい製品情報をご覧ください。
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【比較表】おすすめの物流管理システム
物流管理システムを導入するメリット
物流管理システムを導入すると、どんなメリットが得られるでしょうか。ここでは2つのメリットについて説明します。
物流の状況をリアルタイムに把握できる
物流管理システムを活用すると既存の在庫情報とその入出庫データが自動的に反映され、物流の状況をリアルタイムに把握できます。タイムラグがないため、現状把握の遅れによる判断ミスを防げるでしょう。
また、進捗管理機能により、出荷した商品の状態や配送状況もリアルタイムで確認できます。顧客からの問い合わせや急なトラブルにも柔軟な対応が取れるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
コストを削減できる
在庫管理や棚卸管理、倉庫内整理など、それぞれの業務をシステム化することで無駄が省けます。具体的には、以下のコスト削減につながります。
- ●棚卸業務にかかる人件費削減
- ●在庫数の把握ミスによる売上損失回避
- ●倉庫内の省スペース化
なお、システム導入のメリットについてより詳しく知りたい方は以下の記事もあわせて参考にしてください
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物流管理システムのタイプ
物流管理システムは、機能や特徴によって大きく3つにタイプわけできます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
倉庫管理に強みをもつタイプ
在庫の最適化や効率的な保管場所管理に強みをもつタイプです。主に倉庫内の在庫配置、入出庫作業、棚卸し管理に特化しており、複数拠点にまたがる在庫を一括管理できます。このタイプは倉庫スペースの有効活用や在庫回転率の向上を図りたい企業に最適です。
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配送管理に強みをもつタイプ
輸送計画や追跡、配送ルートの最適化に強みをもつタイプです。配送効率を最大化することで、配送コスト削減や配送精度の向上を実現。配送ステータスのリアルタイム追跡が可能なため、顧客へのサービス向上にも役立ちます。このタイプは、輸送コスト削減やルート最適化を重視する企業に向いています。
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物流支援や作業最適化に強みをもつタイプ
物流業務の支援や作業の最適化に強みをもつタイプです。倉庫内や作業現場のフローをシミュレーションして最適化を図るものや、物流センター運営を可視化して生産性向上を実現する製品などがあります。作業改善や運用フローの最適化を目指す企業に適しています。
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物流管理システムの選び方
ここからは、物流管理システムを選ぶ際に確認しておきたい選定ポイントについて解説します。
提供形態で選ぶ
物流管理システムの提供形態は、「クラウド型」「オンプレミス型」「パッケージ型」の3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
クラウド型
クラウド型のシステムは、PCやタブレット、スマートフォンなどのデバイスとインターネット環境があれば場所を問わず利用できます。そのため、複数拠点をもつ企業や海外物流を行う企業におすすめです。また、クラウド型であれば追加コストを支払うことなく、インターネット上でアップデートを行えます。倉庫業法や貨物自動車運送事業法など、物流に関する法律に改正があった場合でもスムーズに対応可能です。
オンプレミス型
オンプレミス型のシステムはカスタマイズ性が高く、導入するシステムを現状の管理方法にあわせられます。そのため、独自性のある複雑な管理方法や特殊な配送方法のある企業におすすめです。また、現状の管理方法にあわせることでプロセス変更の手間も少なく済みます。
パッケージ型
パッケージ型のシステムは、システム導入から運用開始までの時間があまりかからないのが特徴です。すぐに運用を開始したい場合や簡単にシステム導入したい場合におすすめです。物流工程が最適化された状態で構築されているため、システムに沿って業務を進めることで、簡単に業務効率化が図れるでしょう。
業界特化型で選ぶ
物流システムには、特定の業態や業種に強みをもつシステムもあります。
例えば食品物流倉庫向けのシステムでは、商品の賞味期限が迫ったときにアラートで通知する機能や、賞味期限にあわせて在庫優先処理度を管理する機能があります。食品倉庫において非常に便利です。
またアパレル業界向けのシステムなら、サイズや色、デザインなどの細かな情報で管理できます。季節やトレンドによる需要の変化にあわせた入出庫の対応が可能です。
自社の業態や業種に特化した物流管理システムがある場合は、業界特化型を導入するのもおすすめです。
システム化する範囲で選ぶ
一口に物流管理システムといっても、どの工程をシステム化できるかは製品によって異なります。入出荷や倉庫業務、在庫把握など、どの範囲をカバーしたいのかによって、選ぶべき製品は変わるでしょう。一見、総合的なものを選べばよさそうですが、不要な機能が多いせいでコストが割高になる場合もあるため注意が必要です。
また、いくつかの製品を組みあわせて広範囲をカバーするという方法もあります。その場合は、製品同士が連携できるかが選定時のポイントです。
【比較表】おすすめの物流管理システム
おすすめの物流管理システムを比較表で紹介します。また、記事で紹介している主要な製品を調査し、見えてきた物流管理システムの特徴や傾向を以下にまとめました。製品の比較検討にお役立てください。
- ●多くのシステムが在庫管理と入出庫管理に対応している
- ●WMSとTMSの統合管理に対応している製品は限られる(掲載製品では1つのみ)
- ●ほとんどの製品がクラウド型での提供、オンプレミス型は3割ほど
- ●価格は提示されていない場合が多いため問い合わせが必要
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おすすめの物流管理システム(倉庫管理に強み)
ここでは、倉庫内の管理におすすめの製品を紹介します。
《COOOLa(クーラ)》のPOINT
- わかりやすい操作性と見やすいデザイン
- ユーザごとの課金、サーバ設置費用が不要で大幅なコストカット
- 機能追加とカスタマイズが自由自在
「COOOLa(クーラ)」は株式会社ブライセンが提供するクラウド型の倉庫管理システムです。作業者ごとの能力や作業効率を算出し、スタッフのスキルに応じた最適な人員配置を提案します。また、スタッフの目標設定や給与査定の参考データとしても活用できます。さらにピッキングリストなどの帳票類を一枚で印刷する「一体型帳票」により、作業効率をアップし封入ミスも防げるでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド |
参考価格 |
50,000円〜 |
機能 |
在庫管理 / 入出庫管理 |
《W3 MIMOSA》のPOINT
- 『高機能』業種別テンプレートをはじめ150以上の機能を標準搭載
- 『使いやすい』表計算ソフトに近いデザインを導入、使いやすいUI
- 『各種システム連携』既存システムやECカート、OMSとも連携可能
株式会社ダイアログ提供のクラウド型倉庫管理システム「W3 MIMOSA」は、在庫管理に必要な150以上の機能を網羅し、多拠点管理が可能です。ノンカスタマイズで迅速に導入でき、消費期限やロット管理、循環棚卸しなどの機能により正確で効率的な在庫管理が実現。専門家の導入支援で現場改善もサポートします。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
初期費用200,000円 ライトプラン:月額37,500円+出荷伝票数に応じた従量課金 スタンダードプラン:月額62,500円+出荷伝票数に応じた従量課金 定額プラン:年額1,000,000円+出荷伝票数に応じた従量課金 |
機能 |
在庫管理 / 入出庫管理 |
おすすめの物流管理システム(配送管理に強み)
つづいて、出荷後の配送管理におすすめの製品を紹介します。
《LMS》のPOINT
- 物流情報を計画・進捗管理・分析します
- 入出荷業務・配送業務の予実を管理します
- 庫内作業の平準化・新規顧客の早期対応
株式会社セイノー情報サービスが提供する「LMS」は、社内の点在した物流情報を統合し、物流管理の効率化をかなえる統合物流管理システムです。納品場所や在庫有無、商品特性を考慮した最適な「出荷計画」を立案し、最適な輸送方法を提案します。また、複数拠点の物流情報を一元化することで、輸送状況をひと目で把握可能。顧客からの問い合わせにも時間をかけず、スムーズな応対を実現します。
対象企業規模 |
従業員数100名以上 売上100億円以上 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド |
参考価格 |
ー |
機能 |
在庫管理 / 入出庫管理 / 輸送管理 / 配車管理 / 車両管理 / 運賃計算 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《LMS-GLOBAL》のPOINT
- 輸出入手続きの標準化で属人化解消
- 可視化・省力化で作業時間が短縮可能
- 輸出入にかかるコストの可視化で収支管理が簡単
株式会社セイノー情報サービスが提供する物流管理システム「LMS-GLOBAL」は、国内外のサプライチェーンマネジメントに特化しています。輸出入から国内物流までワンストップで管理し、コストやプロセスの可視化・省力化をサポート。また、輸出入許可書やインボイス、原産地証明書の発行に加え、通関業者が発行する書類を一元管理するなど輸出入手続きのサポートも行います。
対象企業規模 |
従業員数100名以上 売上100億円以上 |
提供形態 |
オンプレミス / SaaS |
参考価格 |
ー |
機能 |
在庫管理 / 入出庫管理 / 輸送管理 / 配車管理 / 車両管理 / 運賃計算 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
卸売・小売業・商業(商社含む)
10名以上 50名未満
改善してほしい点
卸売・小売業・商業(商社含む)
10名以上 50名未満
おすすめの物流管理システム(物流支援や作業最適化に強み)
最後に、物流業務の支援や作業の最適化におすすめの製品を紹介します。
《RMS》のPOINT
- ロボットで現場の省力化・省人化を推進!生産性向上が実現
- 各種ロボット・業務システムのシームレスな連携で改修コスト抑制
- 素早く変化に対応し、導入効果を早期に享受
株式会社セイノー情報サービスの「RMS」は、ロボットと各業務システムをセットで提供し、迅速な導入と運用を支援するソリューションです。多様な物流ロボットやマテハンを一括制御し、稼働状況を可視化。それぞれ単体で導入するよりも短期間かつ低コストで生産性向上に貢献します。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
機能 |
ロボット管理 / 作業計画作成 / 状況照会 / 実績確認 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《スマイルボードコネクト》のPOINT
- 物流センター全体を可視化し、全体最適を実現
- 各作業員の生産性に基づく精緻な計画作成や進捗管理が可能
- お使いのWMSと連携して、物流管理に関するデータを一元管理
住友商事株式会社が提供する「スマイルボードコネクト」は、物流センターの運営データを一元管理し、作業進捗やコスト根拠を見える化するシステムです。作業計画から実績までをリアルタイムで把握し、トラブルの即時対応や効率的な人員配置が可能。収支管理の精度を高めることで、現場から経営まで一貫したデータ活用ができます。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
機能 |
ダッシュボード / 作業計画作成 / 収支管理 / AI最適配置 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《FlexSim》のPOINT
- プログラミング不要で容易に使いこなせて複雑なレイアウトも再現
- 施設をリアルに再現し全体最適・部分最適の3Dシミュレートが可能
- 時間経過に応じたシミュレーション結果をリアルタイムで確認可能
株式会社ゼネテックが提供する「FlexSim」は、生産・物流・医療現場のレイアウトを3Dで簡単に作成でき、現状の課題発見と効率化に役立つシミュレーションソフトです。ドラッグ&ドロップで直感的にモデルを構築し、プログラミングなしで複雑な動作を実現可能。デジタルツインやGIS機能で、積載率向上やCO2排出量解析などもサポートし、あらゆる業種の業務改善に貢献します。
対象企業規模 |
従業員数500名以上 売上500億円以上 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
機能 |
在庫管理 / 入出庫管理 / 輸送管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
以下のボタンから物流管理システムの月間資料請求ランキングを確認できます。人気製品を比較したい方はあわせてご覧ください。
物流管理システムを導入する際の注意点
最後に、物流管理システムを導入する際の注意点について確認しておきましょう。
ミスの発生防止に取り組む
物流管理システムによってスムーズな管理が実現しても、人手を介す以上ミスをゼロにすることは不可能です。そのため、システム化できない工程については、業務が標準化されるようマニュアルやチェックリストを整備し、ダブルチェックを行うなどの対策が必要です。
また、発生したミスは記録しておきましょう。どんなに厳重なチェック体制を整えても、はじめから完全にミスをなくすのは困難です。自社で起こりやすいミスもナレッジとして蓄積していけば、より精度の高い防止策を検討できます。
現場担当者の教育を行う
物流管理システムの円滑な運用には、各現場の協力が欠かせません。システム運用に付随する設定や管理作業を、普段システムを使わない部門の担当者のみで対応するのは、業務負荷も大きいうえ非効率です。日常的に発生する登録やデータ更新作業は、各現場で対応できるように操作説明やユーザー教育を実施し、現場に任せられる体制を整備しましょう。
まとめ
物流管理システムを導入すれば、物流状況をリアルタイムで把握できるうえ、業務の効率化・コスト削減といった大きなメリットが得られます。導入を検討する際は、システム化したい範囲や提供形態に着目して、製品選びを行うとよいでしょう。
ITトレンドでは物流管理システムの一括資料請求が可能です。社内検討の際にも活用できる比較表作成特典もあるので、ぜひお役立てください。