デバンニングとは
デバンニング(devanning)とは、コンテナから貨物を取り出す作業のことです。逆に貨物を積み込むことはバンニング(vanning)と呼びます。
デバンニング作業は以下の手順で行われます。
- 1.コンテナ到着
- 2.必要に応じてスロープなどを設置
- 3.荷降ろし開始(手降ろし・フォークリフトなど)
- 4.荷降ろし完了、コンテナ内を軽く清掃
複数人での作業が多く、荷物を移動させるためにフォークリフトなどの機械を利用することもあります。
デバンニングやバンニングは、トラックや船に載せて遠い地域に荷物を運ぶ際に必要な作業であり、物流のなかでも重要な業務です。
物流について興味のある人は以下の記事もおすすめです。
デバンニング作業の課題
つづいて、デバンニング作業の課題を見ていきましょう。
作業時間がかかる
荷物が到着するとデバンニングを行いますが、コンテナからの荷物の出し入れは時間がかかります。輸送中に荷崩れを起こした荷物がドア開放時に飛び出す恐れもあり、作業には慎重性が求められます。しかし時間がかかり過ぎると待機料が発生することもあるため、丁寧でありながらスピーディな作業が求められます。
労働環境が過酷
デバンニング作業は、労働環境の過酷さが問題視されています。
コンテナ内に積まれている荷物を取り出すときは、手作業も多く非常に険しい肉体労働になります。さらに、高所作業や貨物の落下リスク、作業中の気温が50度を超える事もあるため、誰にでも簡単にできる作業ではありません。
人材確保も難しいためデバンニング作業の担当者は少なく、1人あたりの負担が大きくなる傾向にあります。デバンニング作業を実施するときは、従業員の体調管理や作業場のリスク管理を行うことが大切です。
商品破損のリスクを伴う
デバンニング作業を行う際にリスクがあるのは作業員に限ったことではありません。手作業で荷物を移動させる必要があるため、荷物を落として商品を破損させてしまう恐れがあります。
平地での作業はダメージが軽微で済む場合もありますが、高所作業で落下させると商品価値が大きく損なわれてしまう可能性が高いでしょう。
デバンニング作業はスピードが重視されますが、同時に安全性の確保や正確性も求められます。近年では機械化が進んでおり、ロボットを利用してデバンニング作業のリスクを軽減させることもできますが、加えてルール化を行うなどの作業方法の改善や見直しも重要です。
デバンニングだけでなく物流管理に携わる方で、現場の効率化や改善に課題がある方は、ぜひ物流管理システムを検討してみてはいかがでしょうか。以下ページのランキングから一括で見積やデモ依頼が可能です。どの製品がいいかわからないという場合は、ユーザーによる口コミレビューもあるので参考にしてください。
デバンニングを行う際のポイント
最後に、デバンニングを行う際のポイントを紹介します。
作業しやすい環境を整える
デバンニングの課題を解消するためには、まず作業しやすい環境を整えることが重要です。まずは作業員の安全を確保しましょう。安全靴や作業着、ヘルメットは必ず着用し、夏場はコンテナを冷やすといった工夫を行いルール化しましょう。
また、作業場に高低差があると怪我や商品破損のリスクが高まります。可能であれば、輸送車と同じ高さに作業場を作りましょう。この状態であれば、安全に効率良く作業を行えます。
このように作業場の高さを揃えるときには、コンテナスロープの活用がおすすめです。コンテナやトラックの段差分に設置することで、段差を解消します。
デバンニングの作業頻度が多い場合は、安全に作業ができるアイテムを揃えたり、ルールやマニュアルの策定が重要になります。
ダメージが見つかったらすぐに対処する
何らかの原因で荷物にダメージが見つかった場合は早急に対処しなければなりませんが、注意点があります。
まずはデバンニング作業をストップし、適切な行動を行えるように判断を仰いでください。適切な行動を取らないと貨物保険が適用されない場合もあります。
基本的には、フォワーダーへ現状を報告して書類の準備を行う流れです。そして、ダメージが見つかったときにできるだけ早く写真を撮り、保険会社に連絡します。デバンニング作業でダメージを負ったかどうかも調べないと分からないので、冷静に行動することが大切です。
また、デバンニング作業を効率的かつ安全に行うためには、物流管理システムの活用もおすすめです。作業計画の最適化や在庫管理、リスクの可視化が可能になります。以下のページではおすすめの物流管理システムを紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
まとめ
デバンニング作業はコンテナから貨物を取り出す作業のことです。基本的には手作業で荷物を運ぶため、負担が大きな肉体労働で、労働環境は過酷であるといった課題があります。他にも商品を破損してしまうリスクも無視できません。
スピーディな対応が求められるなかで、適切な安全対策やルール・マニュアルの策定などを行い、事故や商品破損を予防しましょう。