社内で唯一、メーカー業務をファブレス(工場を持たない製造)で行う、金陵電機テレコン事業部の生産管理システムがきわめて順調だ。計画課のメンバー全員が業務フローをよく理解し、生産計画から材料手配、在庫管理、納期管理まで確実にオペレーション。輪番で行う月末処理も、誰もが迅速にこなす。「TPiCS導入を機に、課員たちの自主性に委ねたことが奏功しました」と同事業部技術課兼 計画課課長の生駒光司氏は話す。
導入を決めてから1年3か月。業務フローの議論を重ねた甲斐あって、随所に工夫が凝らされた使いやすいシステムに仕上がった。
例を挙げると次のような効果があったという。
・複数の画面を1画面で同時に確認可能
それぞれ個別に見る必要のあった生産スケジュールの画面がTPiCSは1つの画面で同時に見ることができ、計画立案しやすくなった。
・図面と注文書の一体化が実現
従来、注文書飲みメール送付し、図面は手作業で郵送していた。納入時の受け入れ検査でも、注文書の図面が自動的に出るようになり、それらに関する工数が削減できた。
最大の効果は月末処理が大幅にスピードアップしたこと。生駒氏が一人で行っていたときは、22時過ぎまでかかることがあったが、今ではものの40~50分で終了する。月末処理のほか、注文書の発行や受け入れなども課員が持ち回りで行っており、「TPiCSになってからは『この人でないとできない』という仕事がなくなりました」(博田氏)
「TPiCSの魅力はシステムがシンプルであり、なおかつカスタマイズしやすいこと。また、着手信号機オプションで未入庫の部品を確認できるなど、使う側の身になって考えられているところが良いですね」と生駒氏は話す。
テレコン事業部計画課のメンバー:(左から)松井氏、木内氏、吉田氏、博田氏