文字起こしアプリとは
文字起こしアプリとは、音声データをテキストに変換するソフトウェアです。主に会議の議事録作成、インタビューの文字起こし、講義ノートの作成などに活用されるのが一般的です。ユーザーは録音された音声ファイルをアップロードするか、リアルタイムで音声を入力することで、自動的にテキストに変換されます。話者の識別や句読点の挿入など、高度な機能を備えているアプリも多く提供されています。
文字起こしアプリを活用すると、人の手に比べ短時間で作業でき、生産性が向上します。また、多言語対応の文字起こしアプリを使用すれば、グローバルなコミュニケーションの効率化にも貢献するでしょう。
文字起こしアプリの選び方
文字起こしアプリを有効活用するためには、自社の利用用途に適したサービスの導入が重要です。製品を検討する際のポイントは以下のとおりです。
- ●対応デバイス
- ●精度と認識率
- ●対応言語
- ●価格と料金プラン
- ●使いやすさとインターフェース
- ●編集機能の有無
文字起こしアプリの選定ポイントを詳しく解説します。
対応デバイス
文字起こしアプリを選ぶ際、まず考慮すべきは対応デバイスです。PC、スマートフォン、タブレットなど、使用する機器にあわせて選択しましょう。クロスプラットフォーム対応のアプリであれば、複数のデバイスで同じアプリを使用できるため便利です。
また、オンラインでサービスを提供しているタイプはブラウザを用いるため、デバイスを問わず使用できる利点があります。業務用途の場合、社内のIT環境との互換性も確認しておくとよいでしょう。
精度と認識率
音声認識の精度と認識率も、文字起こしアプリの性能を左右する重要なポイントです。高品質な文字起こしを実現するためには、ノイズに強く、さまざまな話し方や方言にも対応できる高い認識精度が求められます。特に、専門用語や固有名詞の認識精度にはアプリによって差があります。
自社の用途にあわせて、実際のデモや無料トライアルを活用し、認識精度を確認しましょう。
対応言語
文字起こしが必要になる場面は、日本語だけとは限りません。グローバル化が進む現代では、多言語対応の文字起こしアプリが重宝されます。そのため、日本語はもちろん、英語、中国語、そのほかのビジネスで頻繁に使用される言語に対応しているかどうかを確認しましょう。
多言語間の翻訳機能を備えたアプリであれば、国際会議の議事録作成や外国語で作られたコンテンツの理解に役立ちます。ただし、言語によって認識精度に差がある場合も多いため、主に使用する言語での性能を重点的にチェックすることをおすすめします。
価格と料金プラン
文字起こしアプリは、無料のものから法人向けの高価なサービスまで幅広く存在します。個人利用であれば、基本的な機能を備えた無料アプリで十分な場合もありますが、業務用途では高度な機能や安定したサポートを受けられる有料版がおすすめです。
料金プランには、月額制、年間契約、従量制などがあり、使用頻度や文字起こし量に応じて選択できるのが一般的です。また、一定期間の無料トライアルを提供しているアプリも多いため、購入前に実際の使用感を確認するのもよいでしょう。
使いやすさとインターフェース
文字起こしが頻繁に必要な業務の場合、複雑な操作が必要なアプリだと、作業効率が低下するかもしれません。作業内容にあった使いやすいデザインやUI/UX、機能があるかを確認しましょう。
また、モバイルデバイスでの使用を考えている場合は、タッチ操作に最適化されたインターフェースであることも重要です。導入前に無料トライアルやデモを活用しながら実際に操作してみて、自社の作業スタイルにあうかどうかを判断することをおすすめします。
編集機能の有無
高品質な文字起こし結果を得るためには、自動変換後の編集機能も欠かせません。いくら高精度のアプリであっても、文字起こしの認識率は100%ではありません。そのため、誤変換の修正、句読点の調整、話者の識別など、細かな編集作業を効率的に行える機能があるかどうかをチェックしましょう。
タイムスタンプ機能があれば、音声と文字の同期が容易になり、後の確認作業にも役立ちます。また、専門用語や固有名詞の登録機能、テンプレートの保存機能なども、作業効率を大きく向上させます。これらの編集機能の有無と使いやすさを考慮し、自社の作業ニーズにあったアプリを選択しましょう。
【無料あり】おすすめ文字起こしアプリ比較
次に、おすすめの文字起こしアプリを紹介します。各サービスの特徴を参考にして、自社にあうアプリを見つけてください。
《PKSHA Speech Insight》のPOINT
- リアルタイムで顧客対応を自動テキスト化しACWの業務負荷を削減
- 使い方は簡単!会話ボタンを押すだけで記録が完了!
- 通話内容のテキスト化・データ化で、業務の工数を効率化
スマート書記
エピックベース株式会社が提供する「スマート書記」は、経営会議や採用面接、商談、インタビューなどに対応した自動文字起こしサービスです。AIによる要約や要点の抽出も可能で、会議終了後に自動で議事録を作成できます。文字起こしした文章も録音データと紐づけられるため、確認したい箇所だけの聞き直しも行えます。
Whisper
OpenAIが提供する「Whisper」は、膨大な量のデータでトレーニングされた音声認識(ASR)システムです。アクセントや専門用語を処理でき、多言語での文字起こしにも対応しています。なお、無料で利用可能なオープンソースのため、実際に使用するには実行環境の構築が必要です。
CLOVA Note
LINE WORKS株式会社が提供する「CLOVA Note」は、AI音声認識技術を活用した無料で使える音声記録・文字変換サービスです。録音した会話を自動的に文字起こしし、効率的な音声記録管理を実現します。録音中にPCでメモを取れる機能や、重要な会話の瞬間をブックマークできる機能を備えます。また、録音またはアップロードした音声は自動的にテキストに変換され、参加者の声を区別して必要な情報を検索可能です。
Notta
Notta株式会社が提供する「Notta」は、AI音声認識技術を活用した高精度の自動文字起こしサービスです。1時間にわたる長さの音声であっても、わずか5分で文字起こしと要約が可能です。商談やWeb会議の議事録作成を簡易化し、情報共有を効率的に行うのに役立ちます。多言語対応や編集機能といった基本的な機能をはじめ、Google Chrome拡張機能やリンクからの文字起こしなど、ユーザーのニーズに応じた機能も用意されています。
Google音声文字変換
「Google音声文字変換」は、グーグル合同会社が提供する無料の文字起こしアプリです。アプリを起動するとすぐに音声入力できます。一般的な文字起こしアプリにありがちな入力ページを開いたり、マイクボタンを押したりといったアクションが不要です。なお、Google Play Storeからインストールするアプリのため、Androidスマートフォンもしくはタブレットでの使用に限定されます。
文字起こしアプリ導入時の注意点
文字起こしアプリは便利なツールである一方で、適切な使用方法と注意点の理解も欠かせません。実際にアプリを使用して文字起こしをする際は、次のようなポイントに気をつけましょう。
精度向上のために喋り方や環境を整える
文字起こしアプリの精度を最大限に引き出すためには、音声入力の質が非常に重要です。まず、クリアな発音を心がけ、適切な速度で話すようにしましょう。早口や不明瞭な発音が多いと、アプリ側も認識できず、誤変換の原因となりかねません。また、方言や専門用語を多用する場合は、事前にアプリの辞書機能で登録しておくのがおすすめです。
また、環境面でもできるだけ静かな場所で録音を行い、雑音を最小限に抑えるようにしましょう。高品質なマイクを使用することも、音声認識の精度向上に効果的です。複数の話者がいる場合は、適切な距離を保って録音すると各話者の声の区別がしやすくなります。
文字起こしの内容は必ず編集する
文字起こしアプリの精度はかなり高いものの、100%の正確性を期待するのは現実的ではありません。そのため、アプリが生成したテキストは必ず人間の目でチェックし、編集する必要があります。特に、固有名詞や専門用語、同音異義語などは誤変換されやすいため、注意深く確認しましょう。
また、話し言葉をそのまま文字に起こしただけでは、読みにくい文章になることがあります。文脈に応じた句読点の挿入や冗長表現の整理により、読みやすく理解しやすい文章に仕上げましょう。アプリの中には、自動で書き言葉への変換を行ってくれるものもあります。
まとめ
文字起こしアプリは、ビジネスや学術の場面で非常に有用なツールとして注目を集めています。アプリの活用により、会議の議事録作成やインタビューの文字起こし作業の大幅な効率化が可能です。特に、高精度の音声認識技術と編集機能を備えたアプリを選択することで、作業時間の短縮だけでなく、品質の向上も期待できます。ただし、文字起こしアプリはあくまでもツールであり、最終的な品質は人間の判断や編集作業に左右されるのは覚えておきましょう。
文字起こしアプリを導入する際は、自身のニーズにあったアプリを選択するために、対応デバイス、精度、対応言語、価格、使いやすさ、編集機能などの観点から比較検討することが大切です。多くのアプリが無料トライアル期間を設けているので、実際に使用してみて判断するのもおすすめです。