3D CADソフトとは?
3D CADソフトとは、3次元モデルをもとにしており、コンピュータ上でデータの作成・設計ができるソフトです。作成した図面では、コンピュータ上で立体感をもったモデルの断面および平面を見られます。モデルの状況をより視覚的に再現できることから、建築業をはじめとして、製造業・航空業などの幅広い業界に普及しています。
【比較表】3D CADソフトを一覧でチェック!
ITトレンドがおすすめする3D CADソフトの比較表です。
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製品名 |
対象従業員規模 |
提供形態 |
参考価格 |
参考価格補足 |
レビュー評価 |
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AutoCAD |
全ての規模に対応 |
パッケージソフト |
8,800円 ~ |
1ヶ月契約:8,800円 |
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AutoCAD Plus |
全ての規模に対応 |
パッケージソフト |
28,600円 ~ |
1ヶ月契約:28,600円 |
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Fusion 360 |
全ての規模に対応 |
パッケージソフト / SaaS |
7,700円 ~ |
月額:7,700円 |
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IRONCAD |
全ての規模に対応 |
パッケージソフト |
別途お問い合わせ |
30日間の無料評価版あり |
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ITトレンドのおすすめ!3D CADソフト4選を比較!
ITトレンドがおすすめする、3D CADソフトを紹介します。
《AutoCAD》のPOINT
- 図面の作成がスピーディーに行える
- すべての設計データが保存される
- 設計図の統一化ができる
デジタルベースの設計における効率化を目指せる、建設業界のエンジニアに広く普及しているソフトです。従来の手書き図面の業務をデジタル化し、作業時間の短縮につなげられます。Webアプリと連携が可能で、場所を問わず柔軟に作業ができます。1ヶ月契約の8,800円から、1年・3年単位での利用も可能です。提供元は、オートデスク株式会社です。
《AutoCAD Plus》のPOINT
- 業種別ツールで生産性アップ
- 世界の製図規格に対応
- 豊富なオブジェクトを駆使して作図の自動化を実現
CADの標準機能や、専門的な技術が搭載されているソフトです。建設業界で使用されている設計ツールの機能により、作図の自動化を実現しました。50万点以上の豊富な部品があるため、あらゆる設計を自由に行えるでしょう。1ヶ月契約の28,600円から、1年・3年単位での利用も可能です。提供元は、オートデスク株式会社です。
《Fusion 360》のPOINT
- CADとCAMの統合で設計時間が大幅に短縮
- シミュレーション機能が製造のアシスト
- 豊富な追加機能で自分好みにカスタマイズ
CADをはじめとした開発ソフトを統合しています。そのため、CADによる設計およびデータ管理が、ひとつのソフトで実現します。一元管理により、データの移行などでネックになっていた手間を削減することも可能です。パッケージソフトとSaaSの形態が用意されており、クラウドを活用することで動作の軽減が期待できるでしょう。月額7,700円から利用可能です。提供元は、オートデスク株式会社です。
《IRONCAD》のPOINT
- フィーチャベースのダイレクトモデリング
- アセンブリ作業に拘束は不要
- トップダウン設計が簡単
機械類の開発や設計に特化し、簡単操作で使用することが可能な3D CADです。パッケージソフトとして提供されています。部品カタログを参照して、立体図面のスピード設計を行うことが可能です。また、2Dでの設計との連携も可能です。制作した図面はファイルにまとめられるため、データの参照や管理が簡単にできます。提供元は、株式会社クリエイティブマシンです。
そのほかの3D CADソフト10選を比較!
そのほかにおすすめの3D CADソフトを紹介します。
CATIA V5
ダッソー・システムズ社が提供。拡張性に優れたハイエンド3DCADソフトです。製品作成から終了までのライフサイクルを一元管理できる、PLM製品の中心に該当しています。自動車・航空をはじめとし、産業機械を扱う業界など幅広く使用されています。また、操作性が良く、設計者がITに詳しくなくても使いやすいでしょう。
Creo Parametric
PTC ジャパン株式会社が提供。製造業向けのCADソリューションです。ソフトウェアとして提供されています。設計の作成や解析・表示などができます。拡張機能として、モデリングを可能とする3D CADの機能が使えます。拡張機能にはほかにも、2D CADやAR機能を活用できます。
BricsCAD
Bricsysが提供。柔軟性のあるCADで、AutoCAD2021と互換性があります。具体例として、AutoCADで作図した場合、拡張子として策定される「dwg」のファイル形式をベースに構築されています。慣れ親しんだCADの操作方法を受け継いで利用できて、覚える手間を省けるでしょう。1年あたり72,000円から利用可能です。30日間の無料トライアルがあります。
Onshape
PTCが提供。CADやリアルタイムコラボレーション機能などが集約されたプラットフォームです。SaaS型で提供されています。設計から管理・分析までのデータが一元管理されているため、情報が外部にもれるリスクを最小に減らします。また、製品開発のデータ移行にかかる手間を削減し、設計に時間を費やせるでしょう。プランによっては利用者同士での同時設計編集機能もあり、チームでの開発にも向いています。
SOLIDWORKS 3D CAD
ダッソー・システムズ社が提供。設計だけでなく、データ管理やCAMなど幅広い業務に対応できるソフトです。ものづくりの全体像に対応できるソリューションのため、製造部門との意思疎通も可能です。設計から製造を統合することで、プロセスの効率化および標準化・コスト削減をはかります。パッケージで提供され、3つの種類からニーズにあったものを選択して使用します。
NX
Siemensが提供。設計から解析までのサポートが可能な3D CADソフトです。CADによって、製造プロセスを効率化し、生産性をあげたい場合に適しています。家電や、精密機器などを扱う製造業など、さまざまな業界で利用されています。3D CADならではのモデリング機能に柔軟性があり、設計者の負担軽減につながるでしょう。
Solid Edge
Siemensが提供。製品開発プロセスの包括的な対応が可能なソフトです。ソフトウェアとして提供され、中にはクラウド対応のライセンスもあります。3Dデザインには、いろいろな便利機能があります。たとえば、CAD上に直接製図する、ダイレクトモデリングをスムーズに行えるでしょう。また、デザインや部品も幅広くあり、設計者が使いやすいように工夫がされています。
Vectorworks
エーアンドエー株式会社が提供。設計者の環境を重視した、操作性に優れているソフトです。ネットワーク版とスタンドアロン版の2つから選択できます。また、モデラーやBIM・プレゼンテーションを行うときに使用できるツールとしての側面ももちます。設計者が作図しやすい環境を意識し、3D ・2D CADの基本機能以外にも、図面に応じた複数の作業画面作成も実行可能です。
COLMINA 設計製造支援 iCAD SX
富士通株式会社が提供する、機械装置の設計に適した3D CADソフトです。iCAD SXには、世界最速のエンジンが搭載されています。アクセス処理速度が速く、大規模な機械装置の3次元データにおいてもスムーズに行うことが可能です。設計から製造やサービスまでを一元管理して、つなげることもできます。また、導入サポートなどの保守も柔軟に対応しています。
ZW3D
コンセントレーション・ヒート・アンド・モーメンタム・リミテッド 東京支店が提供。製品開発向けの統合ソリューションです。中小企業の方々も使用しやすいよう、低価格なのが特徴であり、165,000円から利用できます。主な機能は、3Dモデリングのほかに、機械加工などがあります。3Dモデリングでは、3D CADですが2D図面にも対応した2Dスケッチ機能が実施可能です。
3D CADソフトの選び方は?
3D CADソフトを選ぶときに比較するポイントを説明します。
価格帯
3D CADソフトは、性能や価格を検討するとき、大きく3つに分類されることがあります。
3つの中で1番性能が良いものは、ハイエンドCADです。複雑な設計やより高度なカスタマイズにも対応しているものが多く、価格も高額になりやすいでしょう。製造業や自動車業界などがメインで活用しています。
次に、初心者やCADの勉強に向いているのが、ローエンドCADです。機能の制限があることから、高度な設計が実現できる幅は狭くなりますが、価格帯の低さが魅力的です。無料ソフトもローエンドCADに含まれます。
ハイエンドCADとローエンドCADの間にある分類が、ミッドレンジCADです。幅広いCADが分類に該当するので、企業側のニーズに沿って価格帯や機能を選定できることが強みです。こちらは家電業界などで使用されるケースがあります。
利用目的と機能
3D CADは、いろいろな業界で使用されています。例えば、建築業界向けのCADでは、住宅などの設計に特化した図面のツールが数多くそろえられています。そのため、ほかの業界で使用するとなると、使わない機能が出てきて、適さない場合もあるでしょう。
また、3D CADソフトには複数人での作業が可能な機能や、2Dに対応している仕様のものもあるなど、それぞれできることに違いがあるでしょう。
3D CADソフトを比較する際は、ツールが自社の業種に合致しているか、必要な機能を搭載しているかを見極める必要があります。
操作性やサポート体制
3D CADソフトは、図面を立体的にしたデータを作成するため、2D CADソフトと比べて操作のコツをつかむことが難しいです。そのため、トライアル期間を利用して実際のCAD担当者に使ってもらい、操作性を確認するようにしましょう。
また、便利な機能を多数搭載した3D CADソフトを導入しても、使用方法がわからない場合もあります。電話やチャットなどで気兼ねなく疑問点を解消できるといったサポート体制がしっかりしているかも大切なポイントです。セミナーを行っているベンダーであれば、3D CADソフトに対する知識をより吸収することが可能でしょう。
3D CADソフトを導入して、設計をはじめよう!
3D CADソフトとは、立体的なデータを作ったり編集したりできる製品です。
3D CADソフトを選ぶときに比較するポイントは、以下のとおりです。
- ・価格帯
- ・利用目的と機能
- ・操作性やサポート体制
上記の選び方を参考にして、自社に適した3D CADソフトを導入しましょう。