オンライン決済システムの障害やサーバーダウンへの備え
オンライン決済システムは複数のシステムが連携して動いているため、障害やサーバーダウンが起こる可能性をゼロにはできません。障害が起こりうる箇所と、提供会社の情報公開、自社の備えの3点を確認しておきましょう。
障害が起こりうる複数の箇所
決済が止まる原因は、決済代行会社のシステムだけとは限りません。カード会社や決済サービスの提供会社のシステム、ECサイトのサーバ、両者をつなぐ通信回線など、複数の箇所で障害が起こる可能性があります。
そのため、決済が止まった際には、どこで問題が起きているかを切り分けることが重要です。決済代行会社の管理画面やお知らせ、ECサイト側のサーバの状況をそれぞれ確認できるよう、確認先の一覧を用意しておきましょう。
障害情報の公開と過去の履歴の確認
提供会社によっては、障害やメンテナンスの情報をお知らせのページや稼働状況の専用ページで公開しています。過去の障害の発生日時や影響の範囲、復旧までの経過が公開されていれば、提供会社の情報公開の姿勢を知る手がかりです。
障害の履歴が公開されていない場合は、商談の際に過去の障害への対応や、障害発生時の連絡方法を質問しましょう。サービス品質の目標値や、稼働率に関する取り決めがあるかも確認したい項目です。
決済が止まった際の代替手段と顧客対応
障害で決済が止まった場合に備え、顧客への案内方法を事前に決めておくことが大切です。障害時の対応を担う担当者と代理の担当者も決めておきましょう。ECサイトにお知らせを掲載する手順や、問い合わせへの回答文を用意しておくと、慌てずに対応できます。
クレジットカード決済が止まった際に、銀行振込やコンビニ払いといった別の決済手段を案内できる体制にしておく方法もあります。障害の復旧後は、決済の状態と注文の状態を照合し、二重の決済や未確定の注文がないかを確認しましょう。
顧客データの漏えいへの不安と確認したい対策
オンライン決済ではクレジットカード情報や顧客の個人情報を扱うため、漏えいへの対策は信頼性を判断するうえで欠かせない観点です。公表されている事案の傾向を踏まえ、決済代行会社と加盟店の双方で必要な対策を確認しましょう。
公表されている漏えい事案の傾向
ECサイトでのクレジットカード情報の漏えいについては、サイトの脆弱性を突かれて決済画面が改ざんされ、入力されたカード情報が外部に送信されたとする事案が公表されています。こうした事案では、決済代行会社のシステムではなく、加盟店側のECサイトが攻撃の対象となっている場合があります。
そのため、決済代行会社の対策だけでなく、自社のECサイトの対策もあわせて考える必要があります。漏えいの原因は、ソフトウェアの更新の遅れや管理画面のパスワード管理など、複数の要因が重なることがあります。
決済代行会社と加盟店の双方で必要な対策
決済代行会社側については、クレジットカード情報を安全に扱うための国際基準であるPCI DSSへの準拠状況を確認しましょう。加盟店側では、カード情報を自社で保持しない非保持化が求められています。決済画面を決済代行会社側に用意するリンク型や、カード情報を別の文字列に置き換えるトークン方式が選択肢です。
あわせて、ECサイトのソフトウェアの更新、管理画面への不正ログインの防止、本人認証のEMV 3-Dセキュアの導入も重要な対策です。
漏えいが起きた場合の対応体制
万一漏えいが疑われる事態が起きた場合に、決済代行会社がどのような支援を行うかも確認しておきたい点です。調査への協力や、カード会社との連絡の窓口、顧客への通知に関する助言の範囲は、提供会社によって異なる場合があります。
自社でも、漏えいが疑われた際の連絡先や初動の手順を決めておきましょう。個人情報保護委員会への報告が必要となる場合もあるため、法務や情報システムの担当者と対応の流れを確認しておくことが大切です。
決済サービスの終了や事業撤退に備える
オンライン決済システムや、その中で使われる個別の決済サービスが、将来にわたって提供され続けるとは限りません。サービスが終了する可能性を想定し、終了時の影響を小さくするための確認をしておきましょう。
決済サービスが終了する可能性
コード決済サービスなどでは、事業の統合や方針の転換によってサービスの提供を終了した例があります。オンライン決済システム自体が、提供会社の事業の見直しによって終了する可能性も考えられます。
サービスが終了すると、別の製品への乗り換えや、顧客への支払い方法変更の案内が必要となります。特に継続課金を利用している場合は、登録済みのカード情報をどう移行するかが課題となる可能性があります。終了の告知から移行の期限までの期間によっては、準備の時間が限られることも考えられます。
終了時の移行を想定した確認項目
契約前に、サービスを終了する際の告知の時期や方法が、利用規約でどのように定められているかを確認しましょう。解約後に決済データや入金明細をいつまで閲覧できるか、データを出力できるかも重要です。
継続課金を利用する場合は、カード情報を他の決済代行会社へ移行する手続きに対応しているかを確認します。提供会社の経営状況については、上場企業であれば開示資料を参照する方法もあります。移行の手順を事前に想定しておくと、万一の際にも落ち着いて対応できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でオンライン決済システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入実績の数字と悪い口コミの読み解き方
導入実績の数字や口コミは、製品の信頼性を判断する手がかりとして使われます。ただし、数字の定義や口コミの背景を確認しないと、実際の状況と異なる印象を持つ可能性があります。読み解く際のポイントを紹介します。
実績の数字の定義と出典の確かめ方
導入社数や取扱高といった実績の数字は、提供会社によって集計の方法が異なる場合があります。契約企業の数なのか店舗やサイトの数なのか、累計なのか現在利用中の数なのかによって、同じ数字でも意味が変わります。
数字に注記や集計の時点が示されているかを確認し、不明な場合は提供会社に定義を問い合わせましょう。定義が異なる数字どうしを単純に比べないことが、誤った判断を避けるポイントです。数字の大きさよりも、自社と近い業種や規模の企業での利用状況を確認するほうが、判断の参考として役立つ場合があります。
悪い口コミに見られる内容と受け止め方
オンライン決済システムの口コミで不満として挙がりうる内容には、手数料の負担、入金までの期間、サポートの回答の速さ、審査の結果、管理画面の操作性といった点が考えられます。これらは、契約の条件や利用方法、利用者の期待によって評価が分かれる内容です。
悪い口コミを見つけたら、投稿の時期や投稿者の条件を確認し、自社の使い方で同じ問題が起こりうるかを考えましょう。気になる点について、商談の際にベンダーへ現在の状況を確認すると、判断材料が増えます。
信頼性を判断するための確認手順
ここまでの内容を踏まえ、オンライン決済システムの信頼性を判断するための確認手順を紹介します。公開情報で確認できる項目と、商談で質問すべき項目に分けて進めると、効率よく確認できます。確認した結果は、社内の稟議や導入後の見直しにも活用できます。
公開情報で確認する項目
まずは、公式サイトや公開資料で確認できる項目を調べます。PCI DSSへの準拠やISMS認証の取得状況、障害情報やメンテナンス情報の公開状況、利用規約に定められたサービス終了時の告知の方法が代表的な項目です。
提供会社が上場している場合は、開示資料から事業の状況を確認することもできます。確認した内容は、製品ごとに比較表へまとめておきましょう。公開情報は更新される場合があるため、確認した日付も記録しておくと安心です。
商談で質問する項目
公開情報でわからない点は、資料請求や商談の際に質問します。過去の障害への対応、障害時の連絡方法と目安時間、漏えいが疑われた際の支援の範囲、解約時のデータの取り扱いとカード情報の移行への対応が代表的な質問です。
回答は文書で受け取り、複数の製品を同じ項目で比較しましょう。回答が曖昧な項目や、回答を得られなかった項目も記録しておくと、判断の材料として活用できます。契約後も、年に1回程度は同じ項目を見直すと、状況の変化に気付きやすくなります。
信頼性の確認項目と照らし合わせたい決済サービス
セキュリティへの対応や提供形態など、信頼性を判断するための確認項目と照らし合わせて比較したい製品を紹介します。
ASJペイメント
- 3Dセキュア2.0・セキュリティコード・PCI DSS Ver4.0に対応
- EC-CUBE等ショッピングカート対応の決済モジュール・プラグイン
- 決済手数料3.1%~、初期費用0円でオンライン決済を導入
株式会社ASJが提供する「ASJペイメント」は、ECサイトやメール注文にカード決済を導入できる決済代行サービスです。顧客データの取り扱いに関しては、カード情報の保護に関する基準であるPCI DSSに準拠し、3Dセキュアやセキュリティコードによる対策を備えています。EC-CUBEやWelcartに対応した決済モジュールが無料で提供されます。クレジットカードとコンビニ決済に対応したクラウド型のサービスで、障害時の情報公開の方法もあわせて確認しましょう。
サブスクペイ Standard
- クレカ、口座振替、銀行振込、コンビニ決済などの決済手段に対応
- カード決済の決済手数料は、業界最安水準の2.5%〜
- 一度登録すればその後の課金処理をすべて自動化
株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「サブスクペイ Standard」は、毎月の課金と顧客管理を自動化する決済サービスです。一度登録した顧客への課金処理が自動で行われ、毎月の課金にかかる手作業を減らせます。クレジットカードや口座振替、銀行振込、コンビニ決済に対応し、業種を問わず利用されているクラウド型のサービスです。障害発生時の連絡方法やデータの取り扱い方針は、資料や問い合わせで確かめておくとよいでしょう。
ペイジェント (株式会社ペイジェント)
- カード情報の非保持化や3Dセキュアなどセキュリティ対策が盤石
- 締め日から最短5営業日で入金される迅速性
- 多数のECサービスに標準対応し円滑に導入可能
ルミーズ (ルミーズ株式会社)
- 開発工数をかけることなく決済の導入が可能!
- 便利な決済システムで顧客満足度UPに貢献!
- 導入実績10,000社以上!幅広い商材に対応!
イプシロン (GMOイプシロン株式会社)
- 最短1営業日で簡単に導入することが可能!
- 40,000社以上の導入実績!申し込みはウェブで完結だから簡単!
- オンライン決済、ビジネスの成長に必要なサービスも提供!
NaturalPayment (エクストライノベーション株式会社)
- 7種の決済手段を一元導入可能。
- カード情報非保持化とサーバー冗長化で高セキュリティを実現。
- ECサイトの構築から決済連携まで簡単に導入可能
NTTスマートトレード (NTTスマートトレード株式会社)
- 国際5大ブランドに対応
- クレカ番号を保存し、入力スキップ機能を提供
- PCI DSS完全準拠の安心安全なセキュリティ体制
Stripe (ストライプジャパン株式会社)
- 世界で100種類以上の決済手段に対応
- 高信頼性で高いセキュリティ
- 開発者向け高機能API
まとめ
オンライン決済システムの信頼性は、障害や情報漏えい、サービス終了が起こりうる前提で判断することが大切です。提供会社の対策と情報公開、自社の備えをそれぞれ確認しましょう。導入実績の数字は定義と出典を、悪い口コミは背景と自社への影響を確かめましょう。
確認すべき項目は多岐にわたるため、公開情報と商談での質問を組み合わせて効率よく進めましょう。候補の製品を資料請求して比較してください。

