広告運用ツールの連携性が成果に影響する理由
広告の成果を正しく評価するには、広告媒体のデータだけでなく、サイト上の行動や商談、受注までのデータをつなげて見る必要があります。連携性が不足していると何が起きるのかと、連携方式の種類を最初に整理しておきましょう。
データが分断されたときに起きること
広告媒体、アクセス解析、営業管理のデータがそれぞれ別々に管理されていると、担当者が手作業で転記や突き合わせを行う必要があります。作業に時間がかかるうえ、転記ミスや集計基準のずれによって数値が食い違う場合もあります。
また、広告から生まれた問い合わせが受注につながったかを追えないと、クリック数や問い合わせ数だけで広告を評価することになりがちです。売上への貢献が高い広告に予算を寄せる判断をするためにも、データを連携できる環境づくりが重要です。
連携方式の種類と特徴
広告運用ツールと外部システムをつなぐ方式は、主に次の3つです。製品によって対応している方式が異なるため、連携したいシステムごとに確認しましょう。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| API連携 | システム同士が自動でデータをやり取りする方式 |
| 標準コネクタ | 提供会社があらかじめ用意した設定で連携する方式 |
| CSV連携 | ファイルの出力と取り込みでデータを受け渡す方式 |
API連携は自動化の範囲が広い一方で、設定に専門知識が求められる場合があります。CSV連携は手軽に始められますが、定期的な出力と取り込みの作業が残ります。自社の人員や技術的な体制にあわせて、無理なく運用できる方式を選ぶことが大切です。
広告媒体・アクセス解析ツールとの連携
広告運用ツールの土台となるのが、広告媒体とアクセス解析ツールとの連携です。対応している媒体の数だけでなく、取得できるデータの範囲や更新頻度、設定の手間まで確認しておくと、導入後に想定とのずれが生じにくくなります。
Google広告・Yahoo!広告との連携
国内で検索広告を出稿する企業では、Google広告とYahoo!広告の両方を運用しているケースがあります。広告運用ツールがどちらの媒体にも対応しているか、検索広告だけでなくディスプレイ広告や動画広告まで扱えるかを確認しましょう。
あわせて、データの取得だけでなく、入札や広告文の変更をツールから媒体へ反映できるかも重要です。媒体側で新しい広告の形式や機能が追加された際に、ツールがどのくらいの期間で対応しているかも、提供会社に確認しておきたい点です。
SNS広告との連携
検索広告に加えて、Meta広告やLINE広告、X広告などのSNS広告を併用する企業もあります。SNS広告は画像や動画が中心で、配信対象の設定方法や成果の指標も検索広告とは異なります。そのため、ツールがどこまで対応しているかを確認しておきましょう。
対応している媒体の一覧に加えて、SNS広告の指標を検索広告と同じレポートで比較できるか、クリエイティブ別の成果を確認できるかを確かめましょう。利用中の媒体に未対応の場合は、今後の対応予定も提供会社に問い合わせておくと安心です。
Google Analyticsとの連携
Google Analyticsは、サイト上でのユーザーの行動を分析するツールです。現在の主な版であるGA4と連携できれば、広告から流入したユーザーがサイトでどのように行動したかを、広告のデータとあわせて確認できます。広告のクリック後に離脱が多いページを見つけるなど、改善の手がかりを得やすくなります。
確認したいのは、GA4のどの指標を取り込めるか、広告のキャンペーンと正しくひもづけられるかという点です。ひもづけには、URLに付与するパラメータの設定が関係する場合があります。設定方法の案内や初期設定の支援があるかも比較しておくと安心です。
SFA・CRM、BIツールと広告運用ツールの連携
広告の成果を売上まで結びつけて評価したい企業では、営業管理や顧客管理のシステム、データ分析の基盤との連携が重要です。連携によって何ができるのか、選ぶ際にどこを確認すべきかを見ていきましょう。
SFA・CRM連携で商談や受注の成果を取り込む
SFAは営業活動を、CRMは顧客との関係を管理するシステムです。広告運用ツールと連携すると、広告経由の問い合わせが商談や受注に至ったかを確認でき、広告ごとの売上への貢献を把握できます。
受注などの成果を広告媒体へ送り返し、自動入札の学習に活用できる仕組みを持つ製品もあります。連携できるSFA・CRMの製品名と、連携する項目、更新のタイミングを確認しましょう。問い合わせと広告のクリックをひもづける方法も、あわせて確かめておくことが大切です。
BIツール連携で社内データと組み合わせる
BIツールは、社内のさまざまなデータを集めてグラフや表で可視化するツールです。広告のデータをBIツールに取り込めば、売上や在庫、店舗の来店数といった社内データと組み合わせた分析が可能です。例えば、広告費の増減と店舗の売上の変化を同じグラフで比べるといった使い方ができます。
BIツールとの連携方法には、専用のコネクタを使う方法や、データベースへの出力、CSVの定期出力などがあります。利用中のBIツールに対応したコネクタがあるか、データの更新頻度が分析の目的にあっているかを確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で広告運用ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
API連携とCSV出力の柔軟性を確かめる
標準の連携機能で対応できないシステムとつなぐ場合は、APIやCSVを使った連携が選択肢です。自社で開発や設定を行う場面も出てくるため、仕様の公開状況や出力の自由度を事前に確認しておくことが重要です。
API連携のしやすさを判断する項目
API連携のしやすさは、主に3つの点で判断できます。APIの仕様書が公開されているか、取得や更新ができるデータの範囲、検証用の環境が用意されているかです。これらがそろっていると、社内の開発担当者や外部の開発会社が連携を設計しやすくなります。
あわせて、1日あたりの呼び出し回数などの利用制限や、APIを利用できる料金プランの条件も確認しましょう。仕様が変更される際の事前告知の方法も、連携を安定して保つうえで重要な確認点です。開発を外部に委託する場合は、委託先にも仕様書を確認してもらいましょう。
CSV出力で確認したい設定
CSV出力は、専門的な開発を行わなくても外部システムとデータを受け渡せる方法です。ただし、出力できる項目を自由に選べるか、日付や数値の形式を変更できるかは製品によって異なります。取り込み先のシステムが求める形式にあわせられないと、そのつど手作業で加工する必要が出てきます。
取り込み先のシステムによっては、文字コードの違いで文字化けが起こる場合もあるため、出力時に文字コードを選べるかも確認しましょう。決まった時刻に自動で出力し、指定の保存先に置ける機能があれば、定期的な受け渡しの手間を減らせます。
広告運用ツールの連携性を比較する進め方
連携性の比較は、連携先の一覧を見比べるだけでは判断しきれません。自社のデータの流れを整理したうえで、導入後の保守まで含めて確認することが大切です。比較を進める際の2つのステップを紹介します。
連携要件を図にして整理する
まずは、どのシステムからどのデータを広告運用ツールに取り込み、どこへ出力したいのかを図にまとめます。データの流れが見えると、必要な連携方式や、更新の頻度を具体的に決められます。現在手作業で行っている転記の作業も書き出しておくと、連携で減らせる作業を明確にできます。
図には、連携する項目と、データの管理を担当する部門も書き込んでおきましょう。提供会社に見せながら相談すれば、標準機能で対応できる範囲と追加の開発が必要な範囲を切り分けやすくなります。関係部門との合意形成にも役立ちます。
導入後の保守体制を確認する
連携は一度設定すれば終わりではなく、広告媒体や連携先システムの仕様変更によって、設定の見直しが必要になる場合があります。そのため、連携が停止した際に通知されるか、エラーの内容を確認できるかを事前に確かめておきましょう。
あわせて、連携の不具合が起きた際に、ツールの提供会社と連携先のどちらに問い合わせるのかという窓口の整理も重要です。社内の担当者と連絡手順を決めておくと、復旧までの時間を短縮できます。担当者が1人に偏らないよう、手順は文書にして共有しておきましょう。
データ連携を重視する企業向けの広告運用ツール
広告媒体やアクセス解析ツールとの連携、BIツールとしてのデータ集約など、連携性の観点から比較したい製品を紹介します。
Adriel
- 多様な広告データを中心に650以上のコネクタをノーコードで連携
- すべての指標を明確にできるデータ統合ダッシュボード
- 一箇所にデータを集約し、成長のためのインサイトへ変換
Adrielが提供する「Adriel」は、広告データの収集、標準化、可視化までを一気通貫で担うBIツールです。広告データを中心に650以上のコネクタをノーコードで連携できるため、連携方式の選択肢として検討できます。集めたデータは標準化したうえでダッシュボードに統合されるため、媒体ごとに分断されていた指標を同じ基準で確認しやすくなります。レポート自動作成、一元管理、アラート通知の機能を備えています。自社で利用している媒体やサービスがコネクタに含まれるかを、事前に確かめておきましょう。
AIR Connect
- 媒体間CVのズレを共通基準で可視化し真の成果を把握
- AIがデータを解釈し改善レポートとバナー案を自動生成
- ログインひとつで全媒体の最新広告状況に24時間アクセス
株式会社ガラパゴスが提供する「AIR Connect」は、GA4と広告配信データをAIで統合し、広告効果を共通指標で可視化する広告分析SaaSです。媒体間で生じるコンバージョンのズレを共通基準で可視化できます。GA4と広告媒体の数値を組みあわせて分析したい場合の選択肢となります。AIが改善レポートとバナー案を自動生成する仕組みも備えています。ログインひとつで全媒体の最新の広告状況に24時間アクセスでき、レポート自動作成、一元管理、予算管理の機能を利用できます。
サイバーエージェント (株式会社サイバーエージェント)
- インターネット広告やメディア事業を展開
- AIやDX技術を活用した支援を提供
- 複数領域でサービスを展開
アドレポ (株式会社イルグルム)
- 導入実績No.1の広告効果測定ツール。
- 最新の計測方式で流入施策の成果を正確に把握
- CV経路把握でユーザー行動を可視化
WISEAds (デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)
- 複数広告媒体の統合管理と効果測定を一元化。
- データに基づく自動最適化機能
- 詳細なレポートとカスタマイズ機能
XmediaOne (デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)
- 予約型と運用型広告を統合し効率的なプランニングを実現。
- ダッシュボードで配信データを可視化し新指標に対応。
- PMP取引管理を自動化し広告枠の最適運用を支援。
ATOM (SO Technologies株式会社)
- レポート自動化で工数を削減!導入企業500社超の高い業界シェア
- 157種類のすぐに利用できるレポートのテンプレート
- 複数のクライアントと広告アカウントを1つの画面で管理
まとめ
広告運用ツールの連携性は、連携先、方式、データの範囲、更新頻度の4点で見極めることが重要です。まずは広告媒体やGoogle Analyticsとの連携で成果を把握しましょう。SFA・CRMやBIツールとつなげば、売上までの流れも分析しやすくなります。APIやCSV出力の柔軟性、導入後の保守体制も確認したうえで、資料請求を活用して複数の製品の連携機能を比較してみてください。

