ASM(アタックサーフェスマネジメント)とは何か、注目される理由
まずはASMの基本的な役割と、なぜ評判の良さが重視されるようになったのかを解説します。攻撃対象領域が広がる中で、企業が可視化と評判の両面から製品を選ぶ動きが強まっています。
ASMの基本的な仕組みと役割
ASMとは、インターネット上に公開されているサーバーやドメイン、クラウドサービスなどの資産を自動的に検出する仕組みです。脆弱性やセキュリティ上の弱点を継続的に把握できます。担当者が把握していない「野良サーバー」や設定ミスも対象に含まれるため、資産管理台帳だけでは気づけないリスクを発見できます。従来の脆弱性診断が特定の対象を定期的に調べる方式であるのに対し、ASMは公開資産を継続的に監視できる点が異なります。
近年はテレワークやクラウド活用の拡大により、社外に公開される資産が増えたことが背景にあります。総務省や経済産業省の資料でも攻撃対象領域の可視化が推奨されており、実際の効果を確認したい担当者が評判や導入実績を調べる場面が増えています。こうした背景から、単に機能を比較するだけでなく、実際の利用者の評価を確認したうえで選定する企業が増えています。
評判が良いとされるASMに共通する条件
評判が良いASMには、検出範囲の広さと誤検知の少なさ、そして丁寧なサポート体制という共通点があります。単に資産を検出するだけでなく、リスクの優先度を分かりやすく示し、担当者が次に取るべき対応を判断しやすい設計になっている製品が高く評価される傾向があります。画面の見やすさや操作の分かりやすさも、継続利用につながる要素として挙げられます。
また、口コミやレビューサイトでは、導入後の運用負荷が低い点や、既存のセキュリティ体制と連携しやすい点も評価材料として挙げられています。無料トライアルやデモを提供している製品であれば、自社環境での検出精度を事前に確認したうえで比較検討できます。契約前に複数製品を試すことで、自社の運用体制に合った製品を選びやすくなります。
シェアや導入社数から見るASMの評判
評判を判断する材料として、導入社数やシェアの推移は分かりやすい指標です。ここでは導入実績が多いASMに見られる特徴と、上場企業での採用が評価される理由を整理します。
導入社数が多いASMツールの傾向
導入社数が多いASMには、業種や企業規模を問わず使える汎用性の高さと、初期設定の分かりやすさという特徴があります。導入実績が積み上がるほど検出ルールや脆弱性データベースが更新される機会も増えるため、結果として検出精度の向上につながっている製品が多く見られます。導入実績の多さは、サポート体制やマニュアルの充実度にも反映されやすい要素です。
導入社数を確認する際は、公式サイトの導入実績ページや、IR資料・プレスリリースなどの一次情報を参照すると信頼性が高くなります。単純な契約数だけでなく、継続利用率や更新率を公開している製品であれば、満足度の高さを推測する材料といえます。同業他社の導入事例を確認することも、自社への適合性を判断するうえで参考にできます。
満足度調査で評価が高いASMの特徴
満足度調査で高い評価を得ているASMには、導入時のサポート体制と、日々の運用における操作のわかりやすさという共通点があります。契約前の設定支援や、導入後の問い合わせ対応が迅速な製品ほど、初めてASMを導入する企業からの満足度が高くなる傾向があります。担当者一人でも運用を続けやすい設計になっている製品は、特に評価が高い傾向です。
また、検出結果を経営層や他部署に説明しやすいレポート機能を備えている製品も、満足度調査で評価される要素の一つです。第三者機関が実施する満足度調査やユーザーアンケートの結果を公開している製品であれば、比較検討の際の客観的な判断材料として活用できます。導入企業へのインタビュー記事が公開されている場合は、実際の運用イメージを把握するのに役立ちます。
上場企業やセキュリティ担当者から評価される選定基準
上場企業では情報開示や監査への対応が求められるため、ASMの選定基準にも一定の傾向があります。ここでは評価される企業でよく重視されるポイントを紹介します。
上場企業での導入実績が評価される理由
上場企業は取引先やステークホルダーへの説明責任があるため、セキュリティ対策の導入判断において実績や第三者評価を重視する傾向があります。ASMについても、大企業での導入事例が公開されている製品は、審査や社内稟議を通しやすいという理由で選ばれることがあります。情報セキュリティ監査への対応実績がある製品も、比較検討の材料として重視されます。
加えて、上場企業では複数の子会社やグループ会社の資産を一括で管理したいというニーズも多く見られます。グループ全体の公開資産を横断的に可視化できる機能や、レポートを経営層向けに分かりやすくまとめられる機能を備えた製品が評価されています。海外拠点を含めた資産管理に対応できるかどうかも、比較の観点として挙げられます。
セキュリティ担当者が重視する運用面のポイント
現場のセキュリティ担当者は、検出結果を実際の対応につなげられるかを重視しています。検出された脆弱性の件数が多くなっても、優先順位が示されなければ対応が追いつかないため、リスクスコアや影響度を明確に示す機能が評判の良さに直結しています。担当者の人数が限られる企業ほど、この点を重視する傾向があります。
また、既存のセキュリティ情報イベント管理(SIEM)ツールやチャットツールとの連携により、検知結果を通知として受け取れる点も現場での評価につながります。導入前には自社が使っているツールとの連携可否を確認しておくと安心です。API連携に対応している製品であれば、既存の運用フローに組み込みやすくなります。
検出精度のテストで高評価を得るASMの特徴
検出精度はASMの評判を左右する重要な要素です。ここではテストや評価で高い評価を得ているASMに共通する特徴を紹介します。
脆弱性検出の精度を左右する技術要素
検出精度は、資産のスキャン頻度や、脆弱性データベースの更新頻度によって大きく変わります。公開範囲の広いクラウド環境やサブドメインまで網羅的にスキャンできる製品ほど、見落としが少なく検出精度が高いと評価される傾向があります。新たに公開された資産を短時間で検出できるかどうかも、精度を左右する要素です。
加えて、誤検知(実際にはリスクがないものを脆弱性として検出すること)の少なさも重要な評価軸です。誤検知が多いと、担当者が本来対応すべきリスクを見落とす原因になるため、検出結果の精度を検証したレビューや事例を確認しておくと安心です。誤検知率の実測値を公開している製品であれば、比較の際の具体的な目安にできます。
第三者評価やテスト結果を確認する方法
検出精度を客観的に判断するには、セキュリティ専門機関による評価レポートや、実際に導入した企業の事例記事を確認する方法があります。ベンダーが公開する検証結果だけでなく、独立した第三者機関の評価も合わせて確認すると、より客観的な判断ができます。比較サイトのランキングだけに頼らず、複数の情報源を照らし合わせることが大切です。
また、無料トライアルを提供している製品であれば、自社の公開資産を対象に実際のスキャン結果を確認できます。導入前に検出範囲や誤検知の割合を自社環境で試しておくことで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。トライアル期間中に担当者へ質問し、対応の丁寧さや回答の的確さを確認しておくのも有効な方法です。
ASMの口コミ・評判を確認する際のポイント
最後に、口コミやレビューサイトでASMの評判を確認する際に押さえておきたい観点を紹介します。情報の出どころを意識することが、失敗しない製品選びにつながります。
口コミサイトやレビューで見るべき観点
口コミを確認する際は、投稿者の企業規模や業種が自社と近いかを確認することが大切です。同じASMでも、企業規模や利用目的によって評価が分かれることがあります。単純な星の数だけでなく、具体的にどのような点が評価されているかまで読み込むことがポイントです。投稿日が新しい口コミほど、現在の製品仕様に近い情報として参考にしやすくなります。
また、良い口コミだけでなく、導入時の課題や改善要望などのコメントも重要な判断材料です。サポート対応の速さや、操作画面の分かりやすさに関する具体的な記述があるレビューは、実際の運用イメージをつかむうえで役立ちます。複数の口コミサイトを横断的に確認すると、特定の投稿者の意見に偏らずに判断できます。
導入前に比較検討すべきポイント
複数のASMを比較する際は、検出範囲、料金体系、サポート体制の3つの観点を軸に整理すると判断しやすくなります。特に料金体系は資産数やスキャン頻度によって変動する製品もあるため、見積もり時に自社の資産規模を伝えたうえで確認することが確実です。契約期間や解約条件についても、事前に確認しておくと安心です。
比較検討の際は、資料請求や問い合わせを通じて複数社の情報を集め、自社の課題に合った機能を備えているかを確認することをおすすめします。評判だけで判断せず、自社環境での実際の検証結果とあわせて総合的に選ぶことが大切です。担当者の稼働状況に合わせて、運用にかけられる工数も事前に整理しておくと選定がスムーズです。
上場企業やグループ会社での実績から見るASM製品
ここまで紹介した評判の見極め方をふまえ、上場企業からの評価にもつながりやすい特徴を持つASM製品を紹介します。検出範囲の広さや誤検知対策、グループ会社を含めた資産管理への対応が特徴です。
ANTERAS ASM
- 独自に開発したAI駆動型ツールで網羅的・高精度に資産を発見
- サイバー攻撃の動向や手法を熟知した専門家が調査を実施
- 攻撃者目線で正確な調査を行い、資産を見つけだして脅威を判定
株式会社マクニカが提供する「ANTERAS ASM」は、技術的な検出と専門アナリストによる調査を組み合わせたサービスです。本社だけでなくグループ会社や海外拠点を含めた公開資産を洗い出せます。ドメインの関連性やMXレコード、NSレコード、Whois情報などを分析し、自社で把握しきれていない資産の発見につなげます。専門チームが検出結果を精査することで誤検知を抑え、攻撃者に狙われやすいVPNやネットワーク機器の脆弱性には優先度を付けてわかりやすく提示します。海外拠点向けの英訳レポートやチケット管理ツールとの連携にも対応しており、グループ全体でのセキュリティ対応に活用できます。
Qualys ASM (クォリスジャパン株式会社)
- 内部・外部を含む攻撃対象領域資産を統合的に発見管理
- 外部向けインターネット資産を継続可視化しリスク優先付け
- TruRiskで脆弱性とリスクを統合し体制強化を実現
Mandiant ASM (グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
- 動的IT環境全体の外部アセットを継続監視しリスク検出を可能化
- 攻撃対象領域を可視化し、脆弱性や設定ミスの把握を支援
- 複数環境のアセットを統合分析し、対策の優先度付けを支援
Tenable Attack Surface Management (Tenable Network Security Japan株式会社)
- インターネット全体をマッピングし外部資産の可視性を拡大。
- 既知・未知の攻撃対象領域リスクを継続的に発見・評価。
- 豊富なメタデータと分析で資産のビジネス文脈理解を支援
Cortex Xpanse (パロアルトネットワークス株式会社)
- 未知のネット資産と公開サービスを能動検出しリスク管理を実現へ
- 攻撃対象領域のリスクを可視化し迅速対応を強力に支援し促進する
- 継続監視と棚卸更新で供給網全体の資産を常に把握し維持管理強化
まとめ
ASMの評判は、導入社数やシェア、上場企業での採用実績、満足度調査や検出精度のテスト結果など複数の観点から判断できます。口コミを確認する際は投稿者の企業規模や業種が自社と近いかを意識することが大切です。無料トライアルなどで自社環境での検出精度もあわせて確認すると、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。単一の情報源に頼らず、複数の観点を組み合わせて判断することが重要です。

