歯磨き、歯ブラシ、洗剤など家庭用品をはじめ、様々な製品を世に送り出しているライオン。そのルーツは1891年創業の小林富次郎商店にさかのぼることができる。創業以来、「愛の精神の実践」を社是として、「より良い生活習慣づくり」を通じ、人々の毎日の健康や快適な暮らしに役立つ企業を目指している老舗企業のライオンは、創業127年を迎えた2018年には中期経営計画「LIVE計画(LION Value Evolution Plan)」を公開し、国内のみならず海外での成長拡大を目指している。IT化はビジネスに直結しており、とりわけデータ分析の速さは企業の成長にダイレクトにつながる。ITの活用により、ビジネスの領域を深化、拡大できる。
ライオンでは、新旧のシステムが混在しているという課題を抱えていた。「社内のシステムには、COBOLで作られたようなメインフレーム時代の仕組みが一部現役で動いています」と語るのは同社のシステムを一手に担っている統合システム部部長 阪間勇一氏。
2010年からオープン系のダウンサイジングに取り組み、コスト低減や運用の高度化を進めていた。特に、営業系、事業部系、商品企画などが使用する「マーケティング活用支援システム」は、スリム化を試みたものの、100以上の画面数があった。
100もの画面に分かれ表示されているデータは、個別にダウンロードし、データの抽出やグラフ化をし分析材料を整えるまでには、データを一度落としてExcelに落とし込み、それを編集・整形を加えるという手間がかかっていた。出来上がったデータを見ていて例えば気づきを得ても、データの見方を変えるためには都度メニュー画面に戻る・・・このような作業が当たり前の作業となっていた。