新システムの活用はまだ限定的ですが、それでも「すでに効果は感じています」と山根氏。「経営計画の資料作成を、新システムを使い実施してもらったのでが、今までのシステムではデータ抽出に早くて4時間、下手をすれば途中でフリーズしその日中に終わらないこともあった作業が、30分で完了したのです。毎回、資料作成の際には、『資料を期日までに提出したいが、コンピュータが止まるので間に合わない』という声が様々な拠点から上がっていましたが、今年度はそういった声はゼロでした」(山根氏)
時間が大幅に短縮されたことで、担当従業員の「生産性も向上していると思います」と山根氏は力強く語ります。「新しいBIツールを使って特殊な請求書の作成に必要な時間は1件約1〜2分。今までは1時間以上だったので、1件あたり1時間は前倒しになります。つまり請求書を200件作成するとなると、200時間前倒しして次の仕事に完全に移行ことができます。もちろんこれまでもデータ抽出・検索の結果が出るのを待っている間も仕事をしていましたが、『常に待たされている』状態なので、業務の途中で『検索は終わったかな』と気にかけることになり、仕事に集中しづらい。新システムではそれがなくなりますからね」と山根氏。
また佐藤氏は、これまで時間がかかっていた要因の背景として、「データベースのスキーマを公開していたことで、誰もが分析のためのクエリを自由に作成することが可能になっていた」ことを挙げます。その数1,000個超。クエリの中には全てのデータを対象にせずとも結果が出るものを、全てのデータから検索をかけるという作り方をしていたそうです。そこで新システムではスキーマの公開は止め、「エンドユーザーは提供されたレポートを活用するという形に変更しました」と語ります。「今までシステムではクエリの必要・不必要だけではなく、もはやどのようなクエリが動いているのか、誰も把握できなくなっていました。新システムでは、100%運用側が管理できます。これも導入で得られた効果です」(佐藤氏)
“これまで早くて1時間、遅いと4時間位必要だった分析が、Yellowfinで構築した新システムでは1〜2分で完了するようになりました。これにより従業員の生産性の大幅な向上が期待できます。”