タイムスタンプとは
タイムスタンプはどのようなものなのでしょうか。概要と仕組みを見ていきましょう。
データが存在し非改ざんであることを証明する
タイムスタンプとは、正確な日時を付与する技術です。
電子契約では、電子署名とタイムスタンプの双方を用いて法的効力を担保します。そして、文書の作成日時における正当性を証明するためにタイムスタンプは用いられます。
タイムスタンプのもつ役割は以下のとおりです。
- 存在証明
- 付与時刻に電子文書が存在していたことを証明する
- 非改ざん証明
- 付与以降の電子文書が改ざんされていないことを証明する
タイムスタンプ局を介して証明する
タイムスタンプ局(時刻認証局)とは、タイムスタンプを発行する機関です。この機関が発行するタイムスタンプの付与により、「文書がその時刻に存在したこと」が証明されます。大まかな仕組みは以下のとおりです。
- 1.申請者は電子文書のハッシュ値を基にタイムスタンプ局にタイムスタンプを要求する
- 2.タイムスタンプ局は時刻配信局に正確な時刻を要求する
- 3.タイムスタンプ局はハッシュ値・時刻情報からタイムスタンプトークンを生成し申請者へ付与する
- 4.申請者はタイムスタンプトークンのハッシュ値と自身が生成した値を比較する
- 5.ハッシュ値が一致→電子文書の存在・非改ざん証明を立証
ハッシュ値が不一致→電子文書の変更・改ざんのおそれあり
タイムスタンプの必要性・メリット
電子文書の作成・保管にあたり、なぜタイムスタンプを付与するのでしょうか。その必要性と利用におけるメリットを見ていきましょう。
電子契約などの電子文書の信頼性向上に役立つ
紙の文書では、改ざんが行われると筆跡や修正跡などから痕跡が残ることがあります。一方、電子データは内容を書き換えても、その事実を外見から判断することが難しい場合があります。
そのため、電子契約や電子取引データを適切に管理する際には、文書の真正性や非改ざん性を確保することが重要です。タイムスタンプを付与することで、電子文書が特定の時点に存在していたことと、その後改ざんされていないことを客観的に証明できます。
なお、電子帳簿保存法では、保存方法によってはタイムスタンプの付与以外の方法で要件を満たすことも認められています。自社の運用方法に合わせて適切な保存方法を選択することが重要です。
長期署名が可能になる
電子署名で利用する電子証明書には有効期限があり、暗号技術も時間の経過とともに安全性が低下する可能性があります。そのため、契約書や帳票などを長期間保存する場合は、将来にわたって電子文書の真正性を確認できる仕組みが重要になります。
こうした課題を解決するのが長期署名です。長期署名とは、電子署名やタイムスタンプの有効性を長期間維持するための仕組みで、電子証明書の有効期限切れや暗号危殆化に備え、タイムスタンプや検証情報を追加・更新しながら文書の信頼性を維持します。
この仕組みにより、長期間保管が必要な電子契約や各種文書でも、署名時点の真正性や完全性を継続して確認しやすくなります。また、長期署名では電子署名やタイムスタンプに加え、証明書の失効情報など検証に必要な情報も保持するため、将来にわたって文書の有効性を確認しやすい点がメリットです。
電子署名とタイムスタンプの関係性・違い
文書をデータで保管するには、法令に則り「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」を確保しなければいけません。このうち、電子署名・タイムスタンプは「完全性」を確保する手段です。
電子署名は、完全性を構成する要素である「誰が」「いつ」「何を」の「誰が」「何を」を証明します。しかし、「いつ」を証明できません。コンピュータを用いる電子署名では、その設定を変更することで簡単に日時を変えられるからです。
そこで、「いつ」を証明するためにタイムスタンプが必要です。タイムスタンプは「いつ」「何を」を証明します。文書作成者の意思が及ばない第三者機関にタイムスタンプを付与してもらうことで、日時の正当性を証明できます。
電子署名・タイムスタンプは双方がもたない要素を互いに補うことで、電子文書の完全性をより強固にしているのです。
電子署名に関するFAQ
タイムスタンプや電子署名の運用では、細かな疑問が生じやすいものです。ここでは、よくある質問と回答をまとめました。
- Q1:タイムスタンプとは何を証明する技術ですか?
- タイムスタンプは、電子文書が特定の時刻に存在していたことと、その時点以降に改ざんされていないことを証明する技術です。存在証明と非改ざん証明の2つの役割を担い、電子文書の信頼性を支えます。
- Q2:電子署名とタイムスタンプはどう使い分けますか?
- 電子署名は「誰が署名したか」と「改ざんされていないか」を証明する仕組みです。一方、タイムスタンプは「いつその文書が存在していたか」と「その後に改ざんされていないか」を証明します。両者を組み合わせることで、電子文書の信頼性を高められます。
- Q3:なぜ電子契約でタイムスタンプが必要なのですか?
- 電子契約や電子保存する文書では、改ざん防止や保存時点の証明が求められる場合があります。タイムスタンプを付与することで、文書が一定時点に存在していたことや、その後改ざんされていないことを客観的に証明できます。なお、電子帳簿保存法では保存方法によってはタイムスタンプ以外の要件を満たすことで保存が認められるケースもあります。
- Q4:長期署名とはどのような仕組みですか?
- 長期署名は、電子署名やタイムスタンプの有効性を長期間維持するための仕組みです。タイムスタンプの追加や更新などを行うことで、暗号技術の進展や電子証明書の有効期限切れに対応し、長期間にわたり文書の真正性を確認できるようにします。
タイムスタンプ・電子署名について理解し有効に活用しよう!
タイムスタンプは、タイムスタンプ局から発行されるスタンプの付与により、正確な日時を証明する技術です。その必要性やメリットは以下のとおりです。
- ■契約書や請求書といった文書のデータ保存時に必須
- ■長期署名が可能
電子署名は「誰が」「何を」を、タイムスタンプは「いつ」「何を」を証明できます。
以上を理解し、電子文書を有効活用しましょう。


