電子署名取得に必要な「電子証明書」とは
電子証明書の概要を説明します。
認証局から取得できる
電子証明書は、電子署名を行う際に、その署名を行った人物が正規の署名者であることを証明するためのものです。これがなければ、一見正しく署名されているように見えても、第三者による不正な介入がある可能性を否定できません。
基本的に電子証明書は認証局と呼ばれる事業者から取得します。企業同士でのやり取りに電子証明書を用いる場合は、民間の電子証明書発行サービスを利用しましょう。費用はサービスによって異なります。
一方、法人が公的手続きをオンラインで行う際の電子証明書は、登記所から発行してもらえます。自社の主たる事業所や本店がある地域を管轄している登記所に申請しましょう。証明期間が12か月なら、7,900円で取得できます。
また、個人が公的手続きに電子証明書を必要とする場合は、マイナンバーカードを取得しましょう。マイナンバーカードには電子証明書が組み込まれています。こちらは無料で取得することが可能です。
ICカード・ファイル形式がある
前述したように、個人が公的手続きに用いる電子証明書はマイナンバーカードというICカード形式で交付されます。カードリーダーに読み込ませて使う形態です。
一方、登記所や民間の事業者から交付される電子証明書には、ICカードだけでなくファイル形式もあります。こちらは直接パソコンなどのデバイスにインストールして使う形式です。
どちらが良いかは一概には言えません。手続きを行うデバイスが常に定まっており、それを利用する人物も1人しかいないのであれば、ファイル形式が簡便で良いでしょう。しかし、複数人が1台のパソコンを使うような状況なら、不正に利用されるリスクがあります。
逆に、ICカード形式ならデバイスを利用するのが複数人でも、カードを所持しているのが1人なら不正利用を防げます。しかし、ICカード自体を紛失や盗難から厳重に守らなければなりません。
電子証明書取得の流れ
続いて、電子証明書の取得方法について見ていきましょう。民間のサービスやマイナンバーカードによる取得方法もありますが、ここでは登記所への申請を例に解説します。
1.ソフトウェアをインストールする
登記所に電子証明書を申請する場合、最初に専用のソフトウェア「商業登記電子認証ソフト」が必要になります。法務省のHPから無料でダウンロードできるため、こちらから準備しましょう。
2.ファイルを作成する
次は商業登記電子認証ソフトを使い、電子証明書の申請に必要な以下のファイルを作成します。
上記のうち、後者は法人の本店や主たる事業所がある地域を管轄している登記所に提出する必要があります。作成したら、CDかDVD、USBメモリに保存しましょう。
3.登記所へ発行申請をする
次は、登記所で以下の3つを提出します。
- ■電子証明書発行申請書
- ■証明書発行申請ファイル
- ■法務局印鑑カード
電子証明書発行申請書には、管轄登記所に届け出た印鑑を押印し、収入印紙あるいは登記印紙を貼り付ける必要があります。
無事に申請を終えたら、「電子証明書発行確認票」が発行されます。これに記載されているシリアル番号は電子証明書をダウンロードする際に必要になるため、大切に管理しましょう。
4.証明書をダウンロードする
最後に、商業登記電子認証ソフトを再び起動し、電子証明書をダウンロードしましょう。この際、以下の3点が必要になります。
- ■シリアル番号
- ■鍵ペアファイル
- ■鍵ペアファイルのパスワード
シリアル番号は、前述した通り電子証明書発行確認票に記載されています。
一方、鍵ペアファイルは手順1で作成したもので、そのパスワードも作成時に自身で設定します。これらを入力して、画面の指示に従ってインターネット経由で電子証明書をダウンロードしましょう。
電子証明書を発行して電子署名を取得しよう!
電子署名を行うには電子証明書を発行する必要があります。民間の事業者や登記所などに申請することで取得できます。
登記所からファイル形式の電子証明書を取得する手順は以下のとおりです。
- 1.専用のソフトウェアをインストール
- 2.指定のファイルを作成
- 3.登記所への申請
- 4.証明書のダウンロード
以上を踏まえて、電子証明書を取得しましょう。