電子署名とは
電子署名とは、紙文書で用いられる印鑑やサインに相当する「しるし」のことです。電子文書を本人が作成し、偽造や改ざんされていないことを証明する役割があります。
対面しなくても契約を取り交わせるため、リモートワークを導入する企業で電子署名の利用が増加しています。また、紙ベースよりも、効率的に契約を結べることから、注目度が高まっているといえるでしょう。電子署名について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
PDFファイルへ電子署名を付与する方法
ここではPDFファイルに電子署名を付与する方法について、3つのステップにわけて解説します。
署名箇所の指定
電子署名の対象となる箇所を指定します。
- 1.AcrobatあるいはAcrobat ReaderでPDFを開く
- 2.Acrobatの場合は「ファイル」タブから「その他の形式で保存」を選び、「証明済み PDF」をクリック
- 3.Acrobat Readerの場合は、画面左上の「ツール」から「証明書」を選び、「電子署名」をクリック
- 4.表示されたダイアログボックスで「OK」をクリック
- 5.マウスポインターが十字型に変わるため、電子署名を付与したい箇所にドラッグして選択
なお、電子署名フィールドが用意されている場合は、ドラッグによる電子署名箇所の指定は不要です。ダイアログボックスにその旨が表示されるので、電子署名フィールドをクリックして次に進みましょう。
デジタルIDの設定
電子署名に必要なデジタルIDを用意します。
- 1.電子署名箇所の指定あるいは電子署名フィールドをクリックして、表示されるダイアログボックスの3つの選択肢から「新しいデジタルIDの作成」を選択
- 2.さらに表示された2つの選択肢から「ファイルに保存」を選択
- 3.名前や部署などの項目を入力
- 4.デジタルIDの保護に必要なパスワードが求められるため、二度入力して設定
電子署名の追加
作成したデジタルIDを用いて電子署名を行います。
- 1.デジタルID一覧から作成したデジタルIDを選択
- 2.電子署名者と署名日時が表示され、設定したデジタルID保護用パスワードを求められるので、入力して「署名」ボタンをクリック
- 3.保存ダイアログボックスが表示されるので、ファイル名と保存場所を指定し保存
PDFファイルへ電子署名付与後の対応
PDFファイルに電子署名を付与した後の対応について、送信者・受信者側の視点で紹介します。
【送信者】電子署名付きPDFファイルの証明書を作成
電子署名付きPDFファイルを送信した際、「文書の証明の完全性が不明です」と表示されます。そのため、作成した証明書を相手側にインストールしてもらわなければなりません。証明書を作成する手順は以下のとおりです。
- 1.AcrobatあるいはAcrobat Readerを起動
- 2.「編集/環境設定」→「分類」→「署名」をクリック
- 3.「IDと信頼済み証明書」内の「詳細」をクリック
- 4.証明書を選択し「書き出し」をクリック
- 5.「データをファイルに保存」をクリック
作成した証明書ファイルは、メールなどで送信します。
【受信者】検証
受信者は証明書ファイルの受信後、インストールする必要があります。インストールの手順は以下のとおりです。
- 1.証明書ファイルをダブルクリック
- 2.「連絡先の信頼を設定」を開く
- 3.「この証明書を信頼済みのルートとして使用」「証明済み文書」にチェック→「OK」
「信頼済み証明書」が表示されます。上記の操作後は、同一送信者によって電子署名が付与されたPDFを開くことで、証明の完全性を確認できます。
PDFファイルへ電子署名を付与して安全に契約を締結しよう
PDFファイルに電子署名を付与することで、不正に改ざんされていないと証明できます。契約書の締結などに有効な方法です。電子署名を付与する手順は、署名箇所を指定してデジタルIDの設定をして電子署名を追加します。
その後、受信者が確認できるように証明書を作成して送信します。証明書の作成により、受信者はファイルの確認が可能です。PDFファイルへの電子署名の手順を理解して、安全で正確な契約を交わしましょう。