外部委託すべき社員研修のケース
はじめに外部委託すべき社員研修のケースを紹介します。
- ■専門的な内容の研修を行いたいケース
- 社内にない知識やノウハウなど、専門的な内容の研修を実施する場合は外部に委託します。専門的な内容を短期間で習得できるため、効果的です。
- ■大人数に対して研修を行いたいケース
- ビジネスマナーや新入社員研修のような一般的な内容でも、大人数に対して研修を行う場合は外部に委託します。人数が多くなれば研修の難易度も高くなるので、プロの力を借りた方が良いでしょう。
- ■研修に人材や時間を割けないケース
- 短期間で能力・スキルを習得する必要がある場合や、忙しく人材・時間を割けない場合は外部に委託してください。プロに任せることで通常業務に集中して取り組めます。
社員研修を外部委託するメリット
まずは、社員研修を外部委託するメリットを見ていきましょう。
社員研修の質を高められる
研修を外部に委託することで、研修に関するノウハウを持ったプロの力を借りられます。費用を支払って依頼する分、研修内容(コンテンツ)の品質も保証される為。自社にない知識やノウハウを学べます。
またプロの人材を招くことで、社員に有効な刺激を与えられます。新しい発見があり、固定化した体制に変革を起こせるでしょう。近年では、自社の課題によって研修プログラムをカスタマイズでき、柔軟に対応が可能です。
研修準備の手間がかからない
自社で研修を行う場合、以下のような業務が発生します。
- ■課題・研修の目的の明確化
- ■企画立案
- ■スケジュール調整
- ■研修プログラムの作成・実行
- ■結果を出すためのフォロー
外部に研修を依頼すれば、自社が担当する手間は少なくなるのでスムーズに研修を実施できるでしょう。この場合、実際に発生する工数は数時間の打ち合わせ程度です。
また、研修を内製化し品質を高めるためには、担当する講師の育成も行わなければなりません。社内で実績を上げている優秀な社員が講師としての素養がない場合もあるでしょう。仮に講師としての素養があったとしても、優秀な人材の業務負担が増え、本業に集中できない可能性もあります。
研修を外部委託することで、社員に負担をかけず、多忙な時期でも研修の実施が可能なのです。
社員研修を外部委託するデメリット
つづいて、社員研修を外部委託するデメリットを見ていきましょう。
コストがかかる
研修を外部委託した場合は内製化よりも費用がかかるため、研修期間や受講者の人数、講師のレベルや質など、様々なコスト要素を考慮して外注しなければなりません。外部講師に依頼する場合は、研修のスタイルによって費用の相場も変わるので注意しましょう。
- ■講師派遣
- 自社に講師を呼んで行う研修。研修内容や担当講師によって費用は変わりますが、1時間当たり20,000円前後が相場です。
- ■社外セミナー
- 会社外の会場で実施する研修に参加します。1日がかりの研修の場合は、1人当たり20,000円前後が相場です。自社で研修を行えば講師に費用を支払う必要はなく、社員の工数(人件費)がかかるだけです。
固定化した内容で問題ない毎年恒例のプログラムの場合、社内で研修を行った方がコストパフォーマンスは良いでしょう。しかし、研修の品質や社員のレベルアップが目的の場合は、コストを考えて外部委託してください。
研修が社風と合わない可能性がある
外部講師は自社の現状や課題を全て把握しているわけではありません。そのため、自社の求める研修と運営側が想定する内容にズレが生じる可能性があるでしょう。内製化していれば、求める研修をピンポイントに実施できます。自社の経営方針・業務の進め方と違う研修が行われてしまえば、社員が混乱してしまう可能性も否めません。
最悪の場合、費用がかかるだけでなく研修の成果が得られないケースもあります。
研修を外部委託する場合は、求める研修が行われるように目的を伝えるなど、入念に打ち合わせを行いましょう。
社員研修の外部委託選定ポイント
社員研修の外部委託選定ポイントを紹介します。
研修会社の下調べは入念に行う
労働人口の減少に伴い、社員教育の必要性が叫ばれている現代においては、多くの研修会社が存在しています。最低でも5社は比較して、信頼のおける会社に依頼しましょう。
研修会社の導入実績をチェックするのはもちろんのこと、自社に合うようなプログラムのカスタマイズは可能かどうかや、研修後のフォローは手厚いかなどもきちんと確認することが大切です。
研修内容ではなく研修会社の提案力を見る
研修会社はカリキュラムを提案するだけではなく、問題解決を行わなければなりません。
企業の分析をし、現状のボトルネックは何なのか、それを解決するためにどのような研修を行うのか、研修を行った結果、従業員がどう変わるのか、といった具体的な議論がなければ、良い研修会社・良い営業担当者(講師)とはいえないのです。
カリキュラム内容と講師の質をチェックする
実際のカリキュラムも、もちろん重要なチェック項目です。研修のゴールは、実務で成果を上げることですから、カリキュラムの内容は実践的・具体的でなければなりません。座学やワークショップ・グループワークなど研修の形態も様々ですから、自社にあったものを選びましょう。
また、講師の質も研修を選ぶ上での重要な要素です。受講者は講師のスキルや能力、人柄を見ているものですから、研修の効果は講師の質によって大きく左右されます。研修を担当する講師には事前に必ず会うようにしましょう。
外部委託の費用対効果を考える
社外研修はコストがかかります。自社の規模や予算を整理しながら、研修の費用対効果を検証し、見合った外部委託サービスを利用しましょう。カリキュラムの内容やスケジュールの組み方、費用の発生の仕方も会社によって異なるので注意して下さい。
外部委託をうまく利用して社員研修を実施しましょう
社員研修を行う場合は内製化と外部委託の2種類あるので、状況に合わせて適切な方法を選ぶ必要があります。そのためには研修を外部委託するメリットとデメリットを押さえましょう。
外部に委託する場合は、費用対効果を検証し自社に最適な委託先を選んでください。外部委託を活用して社員研修を実施しましょう。