iPaaSとは
iPaaSとは、社内運用しているさまざまな業務システムやサービスなどを統合管理するプラットフォームです。ITツールを有効活用するには、社内で運用しているすべてのソフトウェアやアプリケーションのデータ統合・管理が欠かせません。
しかし、次々と登場するソフトウェア同士をスムーズに連携させるのは困難です。iPaaSは、クラウドやオンプレミスといった運用形態にかかわらず、シームレスなデータ統合や業務連携を可能にします。
iPaaSが注目されている理由
近年iPaaSが注目され、企業で導入が進んでいる理由は2つあります。
1つ目は、SaaSの導入によるデータの点在化を解決できることです。SaaSはソフトウェアをインターネット経由で利用する仕組みであり、データ管理はソフトウェアごとに行う必要がありました。しかし、iPaaSの登場によって、各所に点在するSaaSサービスが効率的に統合管理され、業務効率化が実現します。また、従来のようにプログラミングによる独自システム開発が不要な点もメリットです。
2つ目は、日本製のiPaaSが登場しはじめたことです。iPaaSはかつて海外製が主流でしたが、近年は日本のベンダーが開発・提供する製品も増えてきました。海外製品のように英語でマニュアルをみたりトラブルを解決したりする必要がないため、国内でも注目されはじめています。
iPaaSの基本機能とできること
iPaaSを導入することで、データ・システム・ワークフローの連携ができるようになります。iPaaSの基本機能は以下のとおりです。
- ■統合管理
- システム統合のインターフェースやテンプレート活用・作成、統合管理のポートフォリオ管理が可能。
- ■データの連携・変換
- 自社内の業務システムやアプリの独立したデータを変換し連携が可能。各システムのデータを一元管理できるようになります。
- ■ワークフローの整理・自動化
- 連携したシステムのタスクを整理し、ワークフローをスケジューリングすることで自動的に実行が可能。定時に行う業務の自動化・効率化に貢献します。
- ■イベントの検知・自動処理
- 特定のイベントを検知した場合、自動で処理の実行が可能。定時で行うのではなく、特定の現象が起きた場合にワークフローを実施したい場合に活用できます。
- ■セキュリティ対策
- シングルサインオン(SSO)やアクセスコントロール、権限の付与などの管理が可能。
iPaaSを使った業務自動化は、さまざまな分野で活用できます。例えばメールに添付された書類やデータは、自動で文字データ化し、任意のフォルダに保存が可能です。さらに、Googleスプレッドシートで入力したデータを、SFAやCRMなどの既存ツールと連携させられます。これまで人力で行われていた作業を自動化できるため、業務効率化の手法として有効です。
iPaaS製品をお探しの方へ
ITトレンドでは、人気のiPaaS製品を多数掲載しています。この記事では、各社製品の特徴や機能、価格などを比較して紹介しているので、導入を検討したい方はぜひ参考にしてください。
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【比較表】おすすめのiPaaS製品
iPaaSのメリット
iPaaSを導入すると、具体的にどのような効果を得られるのでしょうか。iPaaSのメリットを紹介します。
コストと時間をかけずにシステム統合ができる
iPaaSを導入すると自社のサーバからクラウド上での業務運用に切り替わるため、サーバ負荷の低減や管理コスト・リソースの削減が可能です。さらにデータ連携がノーコードで実現でき、プログラミングなどの専門スキルが必要ありません。
業務フローを効率化できる
iPaaSによる連携が進むと、それぞれのシステムでデータ管理する必要がなくなり、業務フローが効率化されます。データ連携によりシステムごとの手動入力が不要になるため、データ共有もスムーズです。また、トリガーを設定すれば、必要なときに必要なアクションを自動で実施できます。
多角的な分析が迅速に行える
各部署に点在していたデータを集約することで、多角的なデータ分析が可能になります。従来のように、必要なデータがあれば担当者に確認したり、Excelなどにデータ入力して分析したりする必要がありません。CRMやアクセス解析ツールなどで収集したデータを解析し、経営判断やROIの可視化に利用できます。
新規システムをスムーズに導入できる
iPaaSを利用していれば、今後新しくリリースされるクラウドやSaaSサービスなどに対応できます。従来のように、新規システム導入時に既存システムとの連携性を考える必要がありません。どのサービスとも連携できるため、新規アプリケーションやソフトウェア導入の選択肢が広がります。
iPaaSのタイプ
iPaaSツールは以下の4つのタイプがあります。
- ●レシピ型
- ●ESB型
- ●ETL/ELT型
- ●EAI型
それぞれのタイプについて詳しく解説します。
レシピ型
データ連携によるアクションやフローを作成し、レシピとしてテンプレート化するタイプです。直感的な操作で利用できるため、プログラミングなどの専門知識が必要ありません。「毎日9時になったらデータ連携する」といった、トリガーやアクションを設定するのが一般的です。
ESB型
SaaSやオンプレミスなどを連携するためのOSを作成するタイプです。データの統合管理だけでなく、SaaSのAPI管理・設計ができる製品もあります。導入コストが非常に高いため、インフラストラクチャが充実している大企業向けの製品です。
ETL/ELT型
アプリケーションなどのデータをシステム上で抽出し、データウェアハウスに格納するタイプです。レシピ型のようにデータ連携するのではなく、データを処理するためフローを構築します。複数のSaaSを共同運用している企業に有効です。
EAI型
複数のシステムで記録されているデータを、カタログ化して処理するタイプです。定期的に同期や更新を行う「ETL」とは異なり、好きなタイミングで必要なデータを統合管理できます。データ処理のフローが複雑化しやすいため、大量のデータ連携には向きません。複雑な処理をするほど、導入コストも高くなる傾向があります。
iPaaSの選定ポイント
自社にあうiPaaSを導入する際には、機能や料金プランなど基本的な情報にくわえ、どのような点に注目して製品を選定すればよいのでしょうか。iPaaSを選定する際のポイントを紹介します。
日本製か海外製か
海外製のiPaaSは、使いこなすのにある程度の英語力が必要です。海外での利用を想定しているため、国内でのビジネス環境にあわない可能性もあります。国内製SaaSとの連携性も考慮しなければなりません。そのため、社内に英語力の高い人材がいない場合は、海外製を避けた方がよいでしょう。
日本製のiPaaSは、国内でのビジネス環境が想定されています。国内製SaaSとの連携やマニュアルの読解、トラブル時の適切なサポート対応が可能です。
連携できるアプリの数
iPaaSで連携できるアプリの数が多いほど、システム連携の幅が広がり、データ統合が効率化されます。そのため、導入する際は現在運用しているシステムのほか、なるべく多くのアプリに対応している製品を選ぶとよいでしょう。事前に今後導入予定のSaaSがないか、検討することをおすすめします。
操作のしやすさ
高機能のiPaaSを導入しても、チームメンバー全員が同じように操作できなければ意味がありません。ツールの使用が属人化すると、突然のトラブルに対応しにくくなり業務が滞ります。業務の引き継ぎもスムーズに行えません。そのため、誰でも簡単にシステム連携できる、操作性の高い製品をおすすめします。無料トライアルを提供している製品もあるため、導入前に積極的に活用するとよいでしょう。
iPaaSの料金相場
ここでは、iPaaSの一般的な料金相場をわかりやすく整理します。
| 区分 | 料金目安(月額) | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|
| 低価格・スモール向け | 数千円〜数万円 | SaaS同士の簡易連携、業務自動化、小規模チーム向け |
| 中規模向け | 数万円〜10万円前後 | 複数システム連携、業務フローの自動化、部門利用 |
| 大規模・エンタープライズ向け | 20万円〜30万円以上 | 基幹システム連携、大量データ処理、フルマネージド対応 |
iPaaSの料金は、連携するシステム数やデータ処理量、利用するアダプター数、サポート範囲などによって変動します。特に日本製iPaaSは、セキュリティやサポートが充実している分、エンタープライズ向けの価格帯となる傾向があります。
【比較表】おすすめのiPaaS
ITトレンドおすすめのiPaaSを比較表にまとめました。また、この記事で紹介している主要な製品を細かく調査して見えてきた、iPaaSの特徴や傾向を以下にまとめています。ぜひ製品の比較検討にお役立てください。
- ●レシピ型かETL/ELT型が大半で、ESB型は少数。
- ●日本製の製品は全体の約4割。特定のタイプや搭載機能など、製造地ごとの目立った特徴はない。
- ●ほぼすべての製品がノーコードまたはローコードで活用できる。
「自社に合う製品を診断してみたい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。
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おすすめのiPaaS製品を比較
ここからは、おすすめのiPaaS製品の特徴を詳しく紹介します。
HULFT Square
- ファイル転送・データ連携機能をフルマネージドサービスで提供
- 接続先の特性に合わせたコネクター/API/ファイルでの柔軟な連携
- 国・地域/業種/業務システム間をまたぎデータ連携することが可能
株式会社セゾンテクノロジーが提供する「HULFT Square」は、日本発のiPaaSとして、業務システム間のデータ連携とデータ活用を支援するクラウドサービスです。ファイル転送・API・コネクターを組み合わせた柔軟な連携をフルマネージドで提供し、国や地域、業種、システムをまたいだデータ統合を実現します。分散したデータをスムーズにつなぎ、DX推進に不可欠な基盤を構築できます。
| 参考価格 | 月額240,000円〜 | 無料トライアル | ◯ |
| 主な機能 | ー | 日本製/海外製 | 日本製 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
Anyflow Embed
- ノーコード・ローコードにより、スピーディーなAPI連携を提供
- APIの改修は弊社が対応・追従!コア機能の開発に集中可能
- 開発・リリース後も、一貫して専任チームがサポート・支援
Anyflow株式会社が提供する「Anyflow Embed」は、SaaS事業者向けにAPI連携機能を組み込めるiPaaSです。ノーコード・ローコードでのAPI連携に対応し、連携仕様の改修や保守は専任チームが継続的にサポートします。顧客ごとの多様な連携ニーズに応えながら、SaaSのコア機能開発に集中できる点が特徴です。
| 参考価格 | ー | 無料トライアル | ◯ |
| 主な機能 | ー | 日本製/海外製 | 日本製 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
IIJクラウドデータプラットフォームサービス
- ASTERIA Warpをコアエンジンとしたクラウド型サービス
- ノーコード&90種類のアダプターでかんたん連携
- 個人情報などの機微データも安全に取り扱えるセキュリティ
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」は、ASTERIA Warpをコアエンジンとしたクラウド型iPaaSです。ノーコードかつ90種類以上のアダプターを備え、オンプレミスとクラウド間のデータ連携を容易に実現します。個人情報などの機微データも安全に扱える高いセキュリティを備え、企業のDX推進を支援します。
| 参考価格 | ー | 無料トライアル | ◯ |
| 主な機能 | アプリケーション統合、リアルタイムデータ処理、データ変換、ワークフロー機能、イベント検知・自動処理 | 日本製/海外製 | 日本製 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
以下のボタンから、ITトレンドがおすすめするiPaaS製品の各社製品資料を一括請求できます。さっそく製品の比較検討を行いたい方は、ぜひご利用ください。
BizteX Connect (BizteX株式会社)
- 社内チャット・ストレージ・各種SaaS等、アプリ連携がカンタン
- APIのないシステムでも、RPAとの連携で自動化可能
- ノウハウの詰まった独自システム連携テンプレートを提供
Mulesoft (MuleSoftLLC)
- Gartnerマジッククアドラントで8年連続リーダー評価を獲得。
- IT/ビジネス向けにAnypoint PlatformとMuleSoft Composerを提供
- 主要システムとの豊富な連携ソリューション
Informatica (インフォマティカ・ジャパン株式会社)
- AIとメタデータ駆動のスマート統合設計。
- 幅広い統合パターンに対応。
- 高セキュリティ・高スケーラビリティのクラウド統合基盤
Zapier (Zapier Inc.)
- プログラミング不要で業務自動化が可能
- 8,000種以上のアプリを連携しワークフローを構築可能
- AI統合と条件分岐で企業規模の自動化に対応。
DataSpider Servista
株式会社セゾンテクノロジーが提供する「DataSpider Servista」は、ノンプログラミングでアプリやシステムを連携できるツールです。直感的な操作だけで、スピーディーにデータ統合が可能です。また、Javaを活用した高い処理能力が実装されているため、大容量のデータ管理も問題ありません。
iPaaS導入時の注意点
ここでは、iPaaS導入時に押さえておきたい主な注意点を解説します。
コストが高騰するリスク
iPaaSの料金体系は、連携するフローの数やデータ処理量に応じた従量課金制が一般的です。便利だからといって無計画に連携処理を増やしすぎると、想定以上に月額コストが膨らむ可能性があります。導入前に必要な連携数を見積もり、プランの上限を確認しておくことが大切です。
専門知識が必要な場合がある
「ノーコード」を謳う製品でも、複雑な条件分岐やデータ加工を行う場合には、APIの仕組みやロジック構築に関する基礎的なIT知識が求められることがあります。現場担当者だけで運用できるのか、情シスのサポートが必要かを事前に検討しましょう。
iPaaSシステムに関するよくある質問(FAQ)
iPaaSの概要や必要性、料金相場など、検討段階でよくある疑問をQ&A形式でまとめました。
- ■Q1:iPaaSはどのような企業に向いていますか?
- iPaaSは、複数の業務システムやSaaSを利用しており、データ連携や業務自動化に課題を感じている企業に向いています。特に、手作業でのデータ転記が多い企業や、部門・拠点ごとにシステムが分断されている企業では、業務効率化やミス削減の効果を実感しやすいでしょう。
- ■Q2:iPaaSとEAI・ETLツールの違いは何ですか?
- iPaaSはクラウド環境で提供され、SaaSやクラウドサービスとの連携に強い点が特徴です。一方、EAIやETLツールはオンプレミス環境を中心に利用されるケースが多く、導入・運用に専門知識が必要となる場合があります。クラウド活用が進んでいる企業には、iPaaSが適しています。
- ■Q3:iPaaSの料金相場はいくらですか?
- iPaaSの料金相場は、月額数千円程度から利用できるサービスから、月額20万円以上のエンタープライズ向けプランまで幅があります。連携フロー数やデータ処理量、サポート内容によって費用が変動するため、自社の利用規模に合ったプランを選ぶことが重要です。
- ■Q4:iPaaSは専門知識がなくても利用できますか?
- 近年のiPaaSはノーコード・ローコードで利用できる製品が増えており、専門的なプログラミング知識がなくても操作可能なものもあります。ただし、複雑な連携設計やトラブル対応には一定の知識が必要な場合があるため、サポート体制の充実度も選定時のポイントです。
まとめ
iPaaSは、低コストでシステム連携し業務効率化できる便利なツールです。しかし、APIが非公開なサービスとは連携できず、製品によってはITスキルがないと扱えません。 導入にはいくつかの比較ポイントがあるため、紹介したポイントを参考に自社にあった製品を比較検討するとよいでしょう。以下のボタンから各社製品の資料を一括請求できるので、iPaaSの導入検討にぜひお役立てください。


