メールアーカイブの必要性
まずは、メールアーカイブ機能やシステムがなぜ必要なのか見ていきましょう。
メールセキュリティ対策
受信したメールを1つにまとめて管理するメールアーカイブは、ユーザーの制限を設定しやすくセキュリティを強化する役割があります。
例えば、アクセス可能なユーザーや日時などをコントロールすることが可能です。また、業務内容や役職に応じて検索・アクセスの制御を行えば、重要な内容のメールを保護することができます。
また、メールアーカイブシステムは強固なデータセンターに構築されているのが一般的です。そのため、セキュリティ強度が高く、マルウェア感染を防いだり、未知の攻撃からメールを守ったりできます。
ほかにも保存しているメールを暗号化することで、情報漏えい対策も実施可能です。
内部統制やコンプライアンス対策
メールアーカイブを利用すれば、社内メールを一元管理できます。何かトラブルが発生した際にも、メールを検索できるため迅速に調査が行えます。例えば、会社の重要なデータなどを従業員が別のパソコンに送信しているケースも少なくありません。
このような不正利用やメールを使った情報漏えいが発生した際にも、原因究明を適切に行えるでしょう。また、このような体制が整えば情報の持ち出しを抑制し、内部統制やコンプライアンス対策になります。
関税法改正によるメール保存義務への対応
海外と取引する企業は、関税法により該当する電子メールを適切に保存する義務があります。以前まではメールを使用しないケースが多くありましたが、近年ではメールでのやり取りが主流になっています。
平成24年7月1日に関税法が改正され、関係する帳簿や電子メールは5年または7年間保存しなければならなくなりました。メールアーカイブを利用していれば、自動的にメールが安全に保存されるため法律を遵守できます。
PCトラブル時のメール消失防止
メールクライアントソフトを利用していると、受信したメールはPC本体に保存されます。そのため、PCが故障するなどのトラブルが発生してしまえば、重要なメールを失ってしまいます。
また、クラウドメールではなく自社にメールサーバを構築している場合も同様です。自社サーバがダウンしてしまえば、メールデータが失われる可能性は高いでしょう。このような場合でも、メールアーカイブは基本的にすべてのメールを保存しているため、メール本文や添付ファイルを失わずに済みます。
そもそもメールアーカイブとは
メールアーカイブの必要性をより深く理解するために、そもそもメールアーカイブとはどのようなものなのかを見ていきましょう。
メールを別のサーバに移動させること
メールアーカイブとは、メールを本来保存する場所以外に特定のファイルとしてまとめて保存する「アーカイブ機能」のことです。最近ではビジネスチャットなども普及してきているものの、現在のビジネスにおいていまだメールは必要不可欠な存在です。そのため、メールの内容や添付されたファイルは適切に管理しなければなりません。
例えば、企業のメールでも使われることが多いGmailは、受信メールをアーカイブすると非表示になります。しかし、メール自体は削除されたり迷惑メールなどへ移動したりするわけではなく、別場所に保管されます。つまり、普段見る受信ボックス(受信トレイ)を整理しつつ、必要なときにメールを取り出すことができるのです。
アーカイブは「取り出すこと」を目的としている
メールアーカイブはバックアップと似ており近い効果を発揮しますが、目的に違いがあります。バックアップは主にトラブルや障害発生時のデータ消失に備えるのが目的です。そのため障害時のみ使用し、保存されるデータは上書きされていきます。
それに対してメールアーカイブは、コンプライアンスに対応することが目的です。保存メール検索機能を使い、監査や法令に応じて必要なときに保存先からメールを取り出すために使われます。バックアップと違い、大量のデータを安全に再利用できる状態で保管されているのが特徴です。また、アーカイブデータは上書き保存されることなく、無制限に利用できます。
メールアーカイブの概要をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
メールアーカイブ導入のメリット
メールアーカイブを導入するメリットには、セキュリティやコンプライアンス対策以外にどのようなものがあるのでしょうか。ここからはそのほかの導入メリットを見ていきましょう。
社内情報の活用につながる
メールアーカイブはメール検索機能が充実しているため、トラブル時以外にも社内の情報を有効活用できます。業務に必要なメールを過去に遡って素早く検索できれば、業務効率は向上するでしょう。
また、メールアーカイブを利用すれば手軽にデータを共有できるため、担当変更に伴う引継ぎ業務にも適しています。例えば、担当者が退職したり長期の入院が必要になったりした場合でも、どのような仕事をしていたか送信メールや返信の内容などから判断することが可能です。
メールの誤送信対策になる
メールアーカイブ製品の中には、送信したメールを解除する機能を搭載しています。近年では、メール誤送信による情報漏えいが大きな問題となっているため、その対策ができるのは大きなメリットといえるでしょう。
相手がメールを受信した後でも、そのメール送信をなかったことにできれば、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。このように機能が充実したメールアーカイブを導入することで、メール送信の安全性を高めることが可能です。
以下より、おすすめのメールアーカイブサービスや製品の資料請求が可能です。じっくり製品を選ぶためにご利用ください。
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メールアーカイブ製品選択のポイント
最後に、自社にとって最適なメールアーカイブ製品を選ぶためのポイントを見ていきましょう。
アーカイブの種類を確認する
メールアーカイブ製品を選ぶときは、自社に合ったアーカイブ方法か確認します。アーカイブ方法は大きく分けて以下の3種類です。
- ゲートウェイ型
- 既存のネットワーク上にゲートウェイを設置し、通過したメールをアーカイブします。ネットワーク構成を大幅に変更しないため手軽に導入可能です。しかし、ゲートウェイに障害が発生するとシステム全体がストップするリスクがあります。
- パケット収集型
- 電子メールを含むすべてのパケットを収集してアーカイブします。ゲートウェイと同様、既存の環境を変えずに導入可能です。しかし、収集するパケットはコピーであるためフィルタリング機能などはありません。
- ジャーナル連動型
- サーバ内のジャーナル機構から電子メールのやり取りの度にアーカイブします。電子メールの経路上に製品を設置するわけではないため、障害が発生してもメールシステムは止まりません。しかし、サーバが対応していない場合があります。
検索性能を確認する
社外と電子メールを使ったやり取りが多い場合であれば、特にメールアーカイブの検索機能が重要となります。メールアーカイブ製品によってメール検索機能は異なるため注意しなければなりません。
例えば、メールに添付されているファイルを検索できないものもあります。また、保存されているメールの量が多ければ検索スピードは遅くなりやすいです。そのため、検索するスピードも確認するとよいでしょう。
まとめ
メールアーカイブは自社のメールセキュリティ対策や内部統制、コンプライアンス対策に使えるため必要です。
また、基本的にすべての送受信メールを保存するので、データの消失防止に繋がります。それ以外にも、社内情報を活用しやすく、メール誤送信対策にも役立ちます。製品を選ぶときはアーカイブ方式の種類と検索性能を確認してください。
最適なアーカイブを利用して、社内メールを効果的に活用しましょう。