マルチホーミングにおける連携性の考え方
連携性とは、マルチホーミング環境と他のシステム・サービスをどれだけスムーズに接続できるかを示す観点です。まずは基本的な考え方を丁寧に整理し、次章以降で具体的な連携方式を見ていきます。
| 連携先 | 主な用途 |
|---|---|
| SD-WAN | 複数拠点の回線を統合的にまとめて制御する |
| UTM・ファイアウォール | セキュリティ機能と組み合わせて通信を保護する |
| クラウドサービス | AWSやAzureなどとの通信をより安定させる |
連携が必要になる背景
自社ネットワークが複数のサービスにまたがる場合、マルチホーミング環境だけを独立させると、通信の制御や監視が煩雑になりがちです。連携性を事前に確認することで、運用全体の効率化につながります。
特に、クラウドサービスを併用する構成が増えている状況では、接続方式の選択肢が自社の運用にあっているかを事前によく確認しておくことが重要です。
連携方式の種類
連携方式には、SD-WANとの統合制御、UTM・ファイアウォールとの組み合わせ、APIを介したデータ連携などがあります。それぞれ通信の安定性や設定の柔軟性、導入にかかる期間が異なります。
自社が扱う通信の重要度や、必要なセキュリティ水準にあわせて、適した連携方式を選ぶことが大切です。複数の連携方式を組み合わせて利用している企業も見られます。
SD-WAN・UTMとの連携
SD-WANやUTM・ファイアウォールとの連携は、複数拠点のネットワークを統合的に制御したい場合に重要です。確認したい観点を具体的に整理します。
- ■SD-WANとの統合制御
- 回線状況に応じた自動経路選択や、複数拠点の一元管理に対応しているかを確認します。
- ■UTM・ファイアウォールとの互換性
- 回線切り替え時にもセキュリティポリシーがそのまま継続して適用されるかを確認します。
SD-WANとの統合制御
SD-WANと連携させることで、複数拠点の回線をソフトウェアで一元的に制御しやすくなります。回線の状況に応じた自動的な経路選択にも対応しやすくなる場合があり、運用の効率化につながります。
SD-WANとの連携方式や、対応している製品の範囲はサービスによって異なるため、契約前に具体的な連携実績を丁寧に確認しておきましょう。
UTM・ファイアウォールとの連携
UTMやファイアウォールと組み合わせることで、複数回線を利用しながらセキュリティ機能を維持しやすくなります。回線切り替え時にもセキュリティポリシーが継続して適用されるかを、事前に確認しましょう。
既存のセキュリティ製品との互換性についても、導入前によく確認しておくと、想定外の設定変更を避けやすくなります。
クラウド・監視ツールとの連携
クラウドサービスや監視ツールとの連携は、日常的な運用の効率化に直結する重要な確認項目です。確認したい観点を整理します。
- AWS・Azureなどとの接続実績を確認する
- 既存の監視ツールとAPI連携できるかを確認する
- 連携時のデータ形式・通信方式を確認する
クラウドサービスとの接続
AWSやAzureなどのクラウドサービスとマルチホーミング環境を接続することで、負荷分散や通信経路の最適化がしやすくなります。対応可能な接続方式を契約前にあらかじめ確認しておきましょう。
クラウドとの接続には、インターネット経由の接続と、専用線を利用した接続の両方が選択肢となります。求める安定性やセキュリティ水準にあわせて選ぶとよいでしょう。
監視ツールとの連携
社内で既に利用している監視ツールがある場合、回線の状態をそのツールに統合して確認できると、運用の手間を大きく減らせます。対応可能な監視ツールの種類を事前に確認しておきましょう。
連携方法はサービスによって異なり、API経由でのデータ取得や、専用のエージェントを導入する方式などがあります。自社の運用体制にあった方式を慎重に選ぶことが重要です。
API連携・データ出力の柔軟性
管理業務の効率化には、API連携やデータ出力の柔軟性も重要な確認項目です。確認したい観点を整理します。
- ■Q:APIを使うには専門知識が必要ですか?
- ある程度の技術知識が必要になる場合があります。社内で対応が難しい場合は、情報システム部門やベンダーへ早めに相談することが有効です。
- ■Q:CSV出力できるデータに制限はありますか?
- 出力できる項目や期間はサービスによって異なります。必要なデータが出力対象にきちんと含まれるか、契約前に確認しておきましょう。
API連携でできること
APIを利用すると、回線の利用状況の確認や設定変更などを、手作業ではなくシステム的に行えるようになります。社内システムと連携させることで、二重入力や転記ミスの手間を減らせる場合があります。
提供されているAPIの機能範囲はサービスによって異なるため、自社が実現したい連携内容に対応しているかを事前に十分確認しておきましょう。
CSV出力など管理データの柔軟性
利用状況や請求情報をCSV形式で出力できると、社内の管理資料への取り込みが容易となります。出力できる項目や頻度、更新のタイミングが自社の運用にあっているかを確認しておくとよいでしょう。
あわせて、出力データの形式が社内システムでそのまま取り込める形かどうかも、事前に確認しておくと後の作業をよりスムーズに進められます。
連携性を比較する際の確認ポイント
連携性を比較する際は、自社が実際に使うシステムとの適合性を確認することが重要です。確認したい項目を具体的に整理します。
- 自社で利用中のクラウド・監視ツールへの対応状況
- API仕様やドキュメントの公開範囲
- 連携設定にかかる期間や必要な作業
| 確認項目 | 確認する目的 |
|---|---|
| 連携実績・対応事例 | 自社と近い構成での実現可能性を判断するため |
| API仕様・ドキュメントの有無 | 導入後の連携作業のしやすさを見極めるため |
自社システムとの適合性の確認
連携できるサービスの種類が多くても、自社が実際に利用しているシステムに対応していなければ、比較する意味が薄れてしまいます。まずは自社の利用システムを整理し、対応状況を確認しましょう。
対応状況が公式サイトに明記されていない場合は、ベンダーに直接問い合わせて確認すると、認識のずれを未然に防げます。
連携実績・対応事例の確認方法
過去の連携実績や対応事例を確認できると、自社での実現可能性を判断しやすくなります。ただし、実績の数値だけで判断せず、自社と近い条件での事例かどうかも、あわせて確認しましょう。
気になる連携内容があれば、資料請求時や問い合わせ時に具体的に質問しておくと、導入後に生じやすい認識違いを防ぎやすくなります。
連携性を高める運用の工夫
連携性は契約時だけでなく、運用開始後の工夫によっても高められます。実践しやすい工夫を具体的に整理します。
- 優先度の高い連携から段階的に設定する
- 連携内容や変更履歴を記録に残す
- 定期的に連携状況を見直す機会を設ける
- ■Q:連携は導入時にすべて設定する必要がありますか?
- 必要な連携から順に設定し、段階的に拡張していく方法もあります。無理に一度にすべてを設定する必要は特にありません。
- ■Q:連携設定後に見直しは必要ですか?
- 利用システムの変更や事業の拡大にあわせて、定期的に連携内容を丁寧に見直すことをおすすめします。
段階的な連携の進め方
すべての連携を一度に設定しようとすると、確認作業が煩雑になりがちです。優先度の高い連携から着手し、段階的に範囲を広げていく進め方が、より現実的といえます。
最初は必要最小限の連携から始め、運用状況を見ながら順次追加していくことで、設定ミスのリスクもより抑えやすくなります。
運用開始後の見直し
連携設定は一度行えば終わりではなく、利用システムの変更や事業の拡大にあわせて継続的に見直す必要があります。定期的に連携状況を確認する機会をあらかじめ設けておきましょう。
あわせて、連携に関する設定内容や変更履歴を記録しておくと、担当者が変わった際の引き継ぎもより一層スムーズに進みます。
SD-WAN連携を検討したいマルチホーミング製品
SD-WANやUTM、クラウドサービスとの連携を視野に入れる企業の選択肢となるマルチホーミング対応のネットワーク機器をご紹介します。
ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ
- 業界最多クラスのセキュリティ機能の中から独自のカスタムが可能
- 管理者負担軽減!導入から運用、保守まですべて一括対応。
- 24時間365日の障害検知・切り分けから復旧対応までサポート!
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ」は、複数の回線を組み合わせて利用できるルーター製品です。複数回線を活用する構成のため、SD-WANやUTMといった既存のネットワーク機器との連携可否は、導入前にベンダーへ具体的に確認しておくことが重要です。監視ツールとの連携やAPIによるデータ出力の対応範囲についても、あわせて確認するとよいでしょう。
マルチホーミングの連携性に関するFAQ
マルチホーミングの連携性について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:SD-WANやUTMとの連携はできますか?
- 製品によって対応状況が異なるため、導入前にベンダーへ連携可否を確認しておくことが重要です。
- ■Q2:監視ツールとの連携範囲はどこまで対応していますか?
- API連携やデータ出力の柔軟性は製品ごとに差があります。自社が利用しているツールとの連携実績を確認しましょう。
- ■Q3:クラウドサービスとの連携はどのように確認すればよいですか?
- 対応しているクラウドサービスの範囲や、連携設定にかかる工数を事前に確認しておくことが重要です。
- ■Q4:連携性を比較する際に注意すべき点は何ですか?
- 自社が利用しているシステムとの連携実績があるかどうかを、複数社で比較することが有効です。
まとめ
マルチホーミングの連携性は、SD-WANやUTM・ファイアウォールとの連携、クラウドサービスや監視ツールとの接続、API連携やCSV出力など、幅広い観点で確認する必要があります。自社システムとの適合性を整理したうえで、段階的に連携を進めることが大切です。まずは資料請求で、具体的な連携実績や対応状況を確認してみてください。

