連携性が重要な理由
ワンタイムパスワードは単体で使うだけでなく、既存の業務システムや認証基盤と連携させることで、より効果的にセキュリティを高められます。連携性を確認せずに導入すると、想定していた運用ができない懸念があります。
連携できない部分が後から見つかると、追加のコストや手間が発生する場合もあります。まずは全体像を整理し、次章以降で代表的な連携先ごとの観点を具体的に見ていきます。
| 連携先 | 確認したい観点 |
|---|---|
| Microsoft 365などのクラウドサービス | SAML・OAuthなどの連携方式への対応 |
| VPN機器 | 既存のVPN製品との組み合わせ実績 |
| IDaaS | ID管理基盤との統合のしやすさ |
| 社内の業務システム | API連携やCSV出力などの対応範囲 |
連携性を確認せずに導入するリスク
連携性を確認しないまま導入すると、既存のシステムと組み合わせられず、二重の認証管理が発生する懸念があります。二重管理は運用工数を増やすだけでなく、設定の食い違いによるセキュリティ上のリスクにもつながりかねません。
契約前に、自社が利用しているシステムとの連携実績を具体的に確認しておくことが重要です。
連携性を確認する基本的な進め方
連携性を確認する際は、公式サイトの対応表だけでなく、実際に自社と同じシステムを利用している企業の導入事例があるかを確認する方法が有効です。導入実績の数字ではなく、具体的な連携内容を確認しましょう。
次の章から、代表的な連携先ごとに、確認しておきたい具体的な観点を見ていきます。
Microsoft 365などクラウドサービスとの連携
Microsoft 365をはじめとするクラウドサービスとの連携は、多くの企業で必須の条件になっています。クラウドサービスの利用が広がる中、認証基盤との連携性はますます重要な選定基準になっています。確認したい観点を整理します。
- SAML・OAuthなどの標準的な連携方式に対応しているかを確認する
- シングルサインオンとの組み合わせが可能かを確認する
- 連携設定にかかる期間や手間を確認する
標準的な連携方式への対応
Microsoft 365などのクラウドサービスとの連携では、SAMLやOAuthといった標準的な認証プロトコルに対応しているかどうかが重要な確認ポイントです。標準規格に対応していれば、比較的スムーズに連携できる場合が多い傾向があります。
標準規格への対応状況は、公式サイトの技術資料で確認できる場合もあります。
シングルサインオンとの組み合わせ
すでにシングルサインオンを導入している企業では、ワンタイムパスワードをどのように組み合わせられるかが重要な観点になります。既存の認証フローに違和感なく組み込めるかを、デモ環境で確認しておくことが重要です。
組み込み方によっては、既存の運用ルールを見直す必要が生じる場合もあります。
VPN機器・社内業務システムとの連携
リモートアクセスに使うVPN機器や、社内で稼働している業務システムとの連携も、確認しておきたい重要な観点です。特に在宅勤務が広がる中、VPN機器との連携性は多くの企業で重視されています。確認したい観点を整理します。
- ■Q:既存のVPN機器と組み合わせられますか?
- 製品によって対応するVPN機器の種類が異なるため、自社が利用している機器との組み合わせ実績を契約前に確認することをおすすめします。
- ■Q:古い業務システムでも連携できますか?
- 古いシステムでは標準的な連携方式に対応していない場合があるため、個別に対応可否を確認する必要があります。
VPN機器との組み合わせという観点
VPN機器とワンタイムパスワードを組み合わせることで、リモートアクセス時の認証を強化できます。自社が利用しているVPN機器のメーカーや型番との連携実績があるかを、契約前に具体的に確認しておくことが重要です。
型番によっては対応していない場合もあるため、細部まで確認する必要があります。
社内業務システムとの連携という観点
販売管理システムや勤怠管理システムなど、社内で稼働しているさまざまな業務システムとの連携も、利便性を左右する重要な観点です。連携できないシステムがあると、そのシステムだけ別の認証方法を使う必要が生じ、運用が煩雑になる懸念があります。
特に、独自に開発された古いシステムでは、標準的な連携方式に対応していない場合があるため、個別にベンダーへ相談することが重要です。
IDaaS・API連携という観点
ID管理基盤であるIDaaSとの統合や、API連携のしやすさも、運用効率を左右する重要な観点です。既存の基盤と切り離して運用すると、二重管理の負担が生じる懸念があります。確認したい観点を整理します。
- IDaaSとの統合実績を確認する
- API仕様が公開されているかを確認する
- 連携時に必要な開発工数の目安を確認する
IDaaSとの統合という観点
すでにIDaaSを導入している企業では、ワンタイムパスワードをどこまで統合できるかが重要な観点になります。ID情報を一元管理できれば、利用者の追加や削除にかかる手間を減らせる場合があります。
統合が不完全だと、システムごとに個別管理が必要になり、負担が増える懸念があります。
API連携の柔軟性という観点
独自の業務システムと連携する場合、API仕様が公開されているかどうかが、開発のしやすさを大きく左右します。仕様が非公開の場合、連携のために追加の調整が必要になり、開発期間が延びる懸念があります。
開発を外部に委託する場合は、仕様書の有無が見積もりにも影響します。
CSV出力など運用面の柔軟性
日常運用では、利用状況をCSV形式で出力し、社内の他システムで活用したい場面もあります。監査対応やレポート作成の場面でも、柔軟な出力機能があると業務の効率化につながります。確認したい観点を整理します。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 出力項目のカスタマイズ性 | 必要な項目だけを選んで出力できるか |
| 出力形式の対応範囲 | CSV以外の形式にも対応しているか |
CSV出力の柔軟性という観点
認証履歴やユーザー一覧をCSV形式で出力できれば、社内の他システムへの取り込みや、監査対応の資料作成に活用しやすくなります。出力できる項目が限定的だと、必要な情報を別途手作業で補う懸念があります。
手作業での補完が増えると、ミスの発生にもつながりかねません。契約前に、出力可能な項目の一覧や、出力形式のカスタマイズできる範囲を具体的に確認しておくことが重要です。
他システムとの連携による運用効率化
CSV出力に加えて、他システムとの自動連携ができれば、手作業でのデータ移行を減らし、運用効率をさらに高められます。自動連携の頻度や、エラー発生時の通知の仕組みも確認しておきましょう。
連携が停止した際に気づける仕組みも重要な確認項目です。運用開始後に必要な連携が増える可能性もあらかじめ考慮し、拡張性のある製品を選んでおくと、将来的な変更にも対応しやすくなります。
クラウド連携を検討したいワンタイムパスワード製品
Microsoft 365やVPN機器との連携を視野に入れる企業の選択肢となるワンタイムパスワード製品をご紹介します。
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink(セシオスリンク)」は、シングルサインオンとあわせてワンタイムパスワードによる認証に対応するIDaaSです。複数のクラウドサービスとの連携に対応しており、Microsoft 365など既存のクラウド環境と組み合わせて利用したい企業の選択肢になります。VPN機器や社内業務システムとの連携可否は、個別に確認するとよいでしょう。
Secioss Access Manager Enterprise(SAME)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
- 柔軟なルール設定が可能なアクセス制御機能を搭載
株式会社セシオスが提供する「Secioss Access Manager Enterprise(SAME)」は、企業向けのアクセス管理基盤とワンタイムパスワード認証を組み合わせたサービスです。API連携やCSV出力の柔軟性について、自社の運用に必要な範囲を満たしているかを、契約前に確認しておくことが重要です。
連携性に関するFAQ
ワンタイムパスワードの連携性について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:Microsoft 365と連携できますか?
- 多くのIDaaS製品がMicrosoft 365との連携に対応していますが、詳細な連携範囲は製品ごとに確認が必要です。
- ■Q2:VPN機器や社内業務システムとの連携はどこまで対応していますか?
- 対応状況は製品によって異なるため、自社が利用しているシステムとの連携実績を事前に確認しておくことが重要です。
- ■Q3:IDaaSやAPI連携はどのような場面で役立ちますか?
- 複数システムのID管理を一元化でき、自社独自のシステムとも柔軟に連携できる可能性があります。
- ■Q4:CSV出力など運用面の柔軟性はどう確認すればよいですか?
- 出力できる項目や形式が自社の分析ツールと互換性があるかを、契約前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
ワンタイムパスワードの連携性は、Microsoft 365などのクラウドサービスやVPN機器、IDaaS、社内の業務システムなど、多岐にわたる観点から確認することが重要です。自社が利用しているシステムとの連携実績を具体的に確認し、運用効率の高い製品を選ぶことが大切です。社内の関係部署とも相談しながら、まずは資料請求で具体的な連携内容を確認してみてください。

