POSシステム導入の失敗例
【失敗例1】使わない機能が多く、運用管理しにくい
今後、大きく店舗数を拡大したいと考えていたA社は、多機能・高性能のPOSシステムを導入。
しかしその後、景気の悪化などで低成長戦略に方向転換。そのため、高度な分析機能や他システムとの連携、グローバル対応機能などは不要に。
さらに、多様なメニューを持っていたがゆえに、それが運用管理するシステム担当者にとっては複雑さが増し、使いづらいという不満につながってしまいました。リプレイスするまで高額な保守料金を支払い続けるとともに、システム担当者もこうした不満を抱え続けることになりました。
【失敗例2】自社の規模と拡張性も考慮
B社ではPOSシステムの選定条件として、「できるだけ低コスト」として、国産だけではなく、海外製品や中古のハードウェアなどを含めてなるべくコストを抑えて導入。保守のコストもあまりかけたくないと考えました。
しかし、導入後にはやはりトラブルはつきもの。システムに不具合が発生した場合には、例え「コストをかけないためにも社内で何とかするように」と言われても、それはハードウェアの問題なのか、ネットワークなのか、システム側なのか…と、問題の切り分けができない場合も多々。
業務停止時間などが長引くと結局、提供企業に対応を依頼せざるを得ません。結局、保守料金がかかる上、対応に時間がかかる場合も多く、このままでは顧客満足度にも影響が出かねない…と言う状況に。導入後の保守まで考えずに導入したことが失敗の要因となりました。
【失敗例3】自社業務に強みを活かせないシステムだった
小売店のC社。グループ会社が導入し成功しているとから…と、社長のトップダウンでPOSシステムを導入することに。しかし、そのシステムの強みは多店舗で多種多様の商品を扱う店舗に適した高機能のシステム。実は、C社はそこまでの規模ではなく、その強みを持て余してしまうことに。C社としては特に問題なく使えているものの、コストパフォーマンスを考えると決してよいものではありません。
一見すると問題はないものの、本来持つそのシステムの強みを活かし切れないばかりか、コストを浪費していることに気付かないC社でした。
【失敗例4】業績に合わせて拡張しにくい
某市の飲食店D社。はじめは数店舗だった飲食店舗が、メディアで取り上げられたことから県内全域に展開。その時に、「しっかりとしたPOSシステムを持とう」として、“その時点で最適”なシステムを導入してしまいましたが、その後、複数県にまたがりさらに大きく店舗展開に成功。
もはや、導入時点でのPOSシステムの限界を超え、サポート切れの期間まで無理やり拡張するか、新たなシステムを導入するかで社内紛糾。結局、大きなコストをかけてリプレイスすることになってしまいました。
【失敗例5】操作が難しく、現場から不満が噴出
小売店をチェーン展開するE社。全店舗での商品の売上を即時把握し、売れ筋の商品を素早く仕入れるための体制作りを検討。POSシステムも刷新し、POSレジもタッチパネル化するなど高機能に。しかし、現場では直感的な操作ができなくなったことで不満が噴出。
さらに、入力ミスなども発生し、入力してもらいたい顧客情報を入力してくれないスタッフも続出。教育を徹底すべきかどうか、社内でも検討したが、従業員満足度(EC)の観点からも、これまで通りの入力スタイルに戻すことに。現場とのコミュニケーション不足が招いたトラブルでした。
【失敗例6】高度な使い方をしたいのに、対応していなかった
新たに導入したPOSシステムを導入したF社。導入後に顧客情報と売上情報を連携し、さらなるCRM戦略を推進したいと、システムの連携を検討しましたが、それには大きな開発コストが必要となることが判明。POSシステム導入の際に、「顧客情報を連携する」という「導入目的」が明確に出来ていなかったためにため招いた結果となりました。
まとめ
いかがだったでしょうか。POSシステム導入の失敗例を原因別に6例ご紹介しました。共通点は自社のニーズや状況にマッチしていなかったという点です。このような失敗例をもとに、自社の現状や今後の方向性と照らし合わせて、最適なPOSシステム導入を目指しましょう。