TPiCS-Xの導入事例【株式会社ナベヤ 様】
製造ルールが徹底され工程の遅れが減少
- 業種
- 金属製品製造業
- 従業員規模
- 206名
- 事業内容
- 精密治具、治具システム、専用治具(設計製作)、精密マシンバイス、メカニカルパーツ、除振・防振製品、精密定盤、作業工具、鋳造部品、梵鐘・半鐘
- 導入前の課題
- 手計算に頼っている生産管理の改善
- 導入後の結果
- システムが原因の納期遅れがゼロに
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手計算に頼っている生産管理の改善
㈱ナベヤの創業は戦国時代の1560年。以来、5世紀にわたって「鋳物づくり」を探求し続けてきた国内屈指の老舗メーカーである。現在は岐阜県内に2つの工場を持ち、本社工場は鋳物づくり、もう1つの工場は精密加工を手がける。現在の主な生産品は、精密治具、治具材料、治具部品、精密マシンバイス、メカニカルパーツ、除振防振製品などである。 同社における生産管理システムの歴史は1980年代に遡る。「私が生産管理課に配属されたのは入社5年目の1989年のことで、当時からオフコンを使っていました。端末は一人1台ではなく、1グループに1台という感じで、先輩が使い終えるまではなかなか使えなかったものです。ただし当時、コンピュータを使っていたのは伝票発行くらいで、その他の仕事はほとんど手計算に頼っていました」と取締役製造部長兼本社工場長の国分英二氏は述懐する。 その後、オフコン上で動く生産管理のパッケージソフトを導入した。しかし、このソフトウェアは所要量計算(以下、MRP)機能を持つものの、マスターが不備だと計算に混乱が生じ、しかも1回の計算をするのに一晩かかるなど、実践的活用からはほ ど遠かった。 2001年にソフトウェアを更新したものの、相変わらずMRP計算には時間がかかり、結局、MRPの活用は断念し、元の人手による計算に戻った。 「とにかくMRPを回す勇気がありませんでした。回しても『これは取り消しなさい』『この動きを変えなさい』など、警告文ばかり出てきて、とても活用できる状態ではなかったからです」(国分氏)。 2010年代に入ると製造力強化に向けた生産管理システムの抜本改革に乗り出すことにした。
取締役製造部長兼本社工場長の国分英二
製造力強化を目標にTPiCSを導入
新たな生産管理システムを構築するにあたり、優先課題としたのが利益に直結する原価管理の運用であった。ただし、原価管理は生産実績との紐付けが必須となり、生 産管理システムそのものが強化されないかぎりは成立しない。そこで、目標である原価管理を見据えつつ、まずは強靭なシステム構築を目指すことにした。 各地の展示会に足を運び、市場に出ている生産管理のソフトウェアやパッケージの調査をした後、最終的にはSI会社5 社に、それぞれが推奨するソフトウェアパッケージのプレゼンテーションを行ってもらった。その結果、コストパフォーマンス、操作性、柔軟性など、多くの面で優れていたTPiCS4.0 を導入することにした。「中でも、TPiCS の持つ豊富なパラメータ機能に魅力を感じました」と国分氏は話す。というのも、同社では1980 年代のTQC(全社的品質管理)活動、90 年代のTPM(全員参加の生産保全)活動、2000 年代に入ってからの生産革新活動という流れで職場の改善活動に取り組んでおり、時々の改善成果を生産管理システムに反映させたいという思惑があったからである。正式決定は2016 年暮れのことであった。
システムが原因の納期遅れがゼロに
TPiCSを入れて一番変わったのは、MRPによる発注により、無駄な生産がなくなったことである。「それまでは『つくらないといけない』『手配しないといけない』というフラグが立たないまま、生産管理の担当者が在庫状況を見ながら、人力で生産計画を立てていたのです。しかし、これだけ品物があると、どうしても発注もれが出るものですが、それがなくなりました」(製造部生産管理課課長の白川裕氏)。 生産管理課では、工程ごとの納期チェックを毎日行っており、とくに今年に入ってからは、工程の納期遅れもほとんどないという。精密加工工場工場長の増田智昭氏も、「一定のルールのもとに生産できるようになったことで、工場全体が規則正しくなった感じがしています。かつては仕事が属人化され、それぞれの製造担当者が自分なりのやり方をしていましたが、ルールに従ってモノが流れるようになりました」とTPiCSによる効果を高く評価している。 基準在庫が設定できたことも大きい。同社には在庫商品があるが、かつては、なくなってから一気につくることが多かった。在庫を必要以上に持つ必要はないが、在庫 が少なくなった時点で、前もって手配できる仕組みがあれば、販売の機会損失を招くことはなくなる。ところが、以前はシステムが安定しなかったこともあり、それが困難だったという。「われわれの業界は、在庫がなければ在庫のあるところへ注文が流れる傾向があります。今はコロナ禍で、在庫は絞り気味ですが、それでも重要な商品 は、きちんとリードタイムを設定して、決まった日に一定量をつくり補給できる体制をとっています。次に景気が上向いたときは、この基準在庫の戦略が真価を発揮するであろうと期待しています」 (国分氏)。 当面の目標はずばり「生産管理システムを製造力強化に生かすこと」である。人手でやっていたときは難しかったが、今では工程上の不具合や生産実績情報が見える化できた。今後はシステムと現場改善とを連動させ、会社全体の情報分析基盤を構築する考えである。
TPiCSの画面
TPiCS-X
変化する市場に対応するために、個別生産や繰返生産に特化した最新の生産管理システムです。製品の多様化に対応し、工場のスムーズな生産を実現します。
株式会社 ティーピクス研究所
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