ポイント1.ソーシャルリスニングの目的を明確にする
ソーシャルサービスは、インターネットを通じて、一般の人、専門分野の人、趣味を同じくする人、特定の組織などの間で展開されるコミュニティです。新たなメディアとして、大きな影響力を持つようになりました。
代表的なものに、電子掲示板(2ちゃんねる)、ブログ、ナレッジコミュニティ(ウィキペディア)、SNS:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(mixi、Facebook、Twitter、Instagram)、動画共有サイト(YouTube,ニコニコ動画)などがあります。
同時にソーシャルサービスにおける膨大な量の発言から、企業活動に有効な情報を抽出しようという動きも出ています。ソーシャルリスニングツールも数多く発売されるようになり、一般の企業ではそのツールを利用することになります。
ツールの多くは分析の専門知識無しに、自動で欲しい情報を抽出でき、価格もリーズナブルに設定されています。ただ、ツールごとに得意とする分野があるので、それを見誤らないようにしましょう。少なくとも、自社ではソーシャル分析をして何を得たいのか、明確にしておきます。そのうえで、目的に対応するツールを選択します。
分析目的としては、以下が考えられます。
- ○ブランドマーケティング:
- 自社ブランドやライバルブランドの評価、比較、位置付け、課題を発見します。
ブランド戦略の立案と強化に活かします。
- ○新商品評価:
- 発表した新商品を購入者あるいは関係者がどのように評価しているかを探ります。
- ○商品開発:
- 特定分野の専門家が集まるコミュニティの声を収集し、商品開発に活かします。
- ○広告・販促の効果測定:
- キャンペーン、展示会の反響を収集し、効果測定を実施します。
- ○リスクマネジメント:
- 何らかの問題が発生した場合に、いち早くその情報を捉えて、発言が拡大する前に対策を講じます。
風評の発生も察知して適切に対応します。
ポイント2.目的に合った機能を重視して選定する
目的を明確にしたら、必要な機能を洗い出していきます。以下の主な機能を参考に、自社の目的に合った機能が備わっているソーシャルリスニングツールを選定しましょう。
時系列集計(評判の変化・炎上終息)
キーワードに関連する発言数の推移を確認します。たとえば「ある商品のキャンペーンの前と後での話題性の変化」などがわかり、効果測定として利用できます。
感情分析(ネガ・ポジ分析)
発表した商品が評価されているのかいないのかがわかります。商品の改良点や課題を見つけることができます。
インフルエンサー対策(影響力のある個人・口コミ拡散の中心)
キーマンを見つけ出し、影響力の傾向や範囲を特定できます。キーマン向けの対策を講じることができます。
属性分析(性別・年代・地域・職業を分析)
取得した情報から、性別、年代、職業情報等を分析し、マーケティングに役立てることができます。
アラート通知(発言の急増を自動検知)
発言数の増加から異変を察知し、指定したメールアドレスにアラートを通知します。リスクマネジメントに効果的です。
他にもあるソーシャルリスニングツール選択のポイント
上記以外に、できれば考慮したいソーシャルリスニングツール選定のポイントをご紹介します。
- ■分析可能なメディアは目的に合っているか
- 製品によって分析対象とするソーシャルサービスが異なります。
Twitterのみ、Facebookのみ、ブログや掲示板に対応、その他の多種類のメディアが対象などの違いがあります。
- ■レポート機能は充実しているか
- ソーシャル分析にレポートは付きものです。これに時間がかかるようでは効率的とはいえません。
必要なレポートを自動作成できるかを確認しましょう。
- ■サービス提供事業者のコンサルティング能力は高いか
- 導入期は迷うことが多いものです。ソーシャル分析に成功した多くの企業は、サービス提供事業者のコンサル能力を高く評価しています。
ソーシャル分析のノウハウや知識が豊富かどうかを確認しましょう。
ポイントをおさえてソーシャルリスニングツールを選定しよう
ソーシャルリスニングから得るデータはマーケティングからリスク管理まで、企業の様々な戦略に活用できます。ソーシャルリスニングツール選定のポイントは目的を明確にすることと、目的別に機能を選ぶことです。また、ツールの分析可能なメディア、レポーティング機能、提供事業者のコンサルティング能力も確認して選定しましょう。
ソーシャルリスニングで顧客のニーズを探ることで、大きな効果を得ることができます。ソーシャルリスニングツールを導入して、ユーザーの声を聞いてみませんか?
ソーシャルリスニングのメリットについて詳しく知りたい方には下記の記事がおすすめです。