ソーシャルリスニングツール導入後の流れ
ソーシャルリスニングツールを導入した後はどのようなことを行えばよいのでしょうか。3ステップに分けて解説します。
ステップ1 導入目的を明確にしておく
ソーシャルリスニングツールは、ソーシャルメディア上での個別の発言の監視、ネガティブ情報の拡散を監視する事による炎上の防止、発言内容から商品やサービスに対する隠れたニーズや消費者インサイトの発掘、ソーシャルメディア上での影響者の特定などさまざまな目的で利用することができます。
しかし導入の目的を明確にしておかなければ、単なる便利な分析ツールで終わり、事業に貢献するような成果をあげることは困難です。従って関係部署を含めた関係者全員の共通認識としてソーシャルリスニングツールの導入目的を明確にしておく必要があります。
もちろん必ずしも1つに絞り込む必要はありません。例えば複数部署で利用する場合は、部署ごとにその目的を定めておくことでより有効に活用できます。
ステップ2 分析軸を決定し、カスタマイズ・設定を行う
ソーシャルリスニングツールは「分析ツール」ですので、具体的に何をどのように分析するかの分析軸がなければ始まりません。
ステップ1で明確にされた目的に従って、それを具体的な分析軸に置き換えることが必要です。さらにその内容で分析できるように、実際の使用に先立ってシステム上での設定やカスタマイズを行います。
例えば、分析・監視対象とするキーワードも導入前にある程度決定できるはずですので、そのキーワードでの分析が可能になるように事前に設定しておきます。分析対象キーワード数に上限が存在する場合が多いので、上限をこえる数のキーワード設定が必要な場合は、事前にベンダーへの依頼も必要になります。
また利用頻度の多いダッシュボードの設定も事前に行っておきます。これらに関してはベンダーの導入支援を有効利用することも検討すべきでしょう。
ステップ3 ユーザートレーニングを行う
ソーシャルリスニングツールは、社内の専門家が別に分析を行うのではなく、現場で使ってこそ価値を発揮できるツールです。従って利用する部署や社員に対しての事前のトレーニングは必須になります。単にシステムの「使い方」だけではなく、収集したデータの分析や活用方法がもっとも重要になりますので、こちらも必要ならベンダーのトレーニングサービスを利用するのも効果的です。
また、場合により重要な機密情報を取り扱う可能性があるシステムですので、利用ルールをあらかじめ定めてシステムトレーニングと合わせて十分に啓蒙しておく必要があります。
ソーシャルリスニングツール活用のポイント
ソーシャルリスニングツールを導入し、上手く活用するためのポイントを3つご紹介します。
分析結果は相対比較のために使う
ソーシャルリスニングツールには、キーワードに対する消費者の反応がポジティブかネガティブかを分析できる機能があります。センチメント分析と呼ばれるこの機能はまだ発展途上の技術で、完璧な分析結果を提示してくれるわけではありません。
ニーズを把握する際は、ユーザーの声の大局をつかむことが重要なので、時系列比較や競合比較など相対比較のための数値として活用しましょう。
目的に合わせて分析対象メディアを決める
分析対象メディアは、自社のブランドの特徴や分析の目的に合わせて決定しましょう。ソーシャルリスニングでは、Twitterとブログが基本的な分析対象メディアとなるため、よくわからなければ、まずはこの2つから始めましょう。特に、Twitterはセンチメントがはっきり出やすく、ソーシャルリスニング向きのメディアと言えます。
データ取得の際は「表記ゆれ」に注意する
例えばメガネという単語についてデータを抽出したい場合、「メガネ」「めがね」「眼鏡」など同じ単語でも消費者によって書き方が違うことが予想されます。このような表記ゆれが多く発生する単語では、取得漏れがないように、注意してキーワードを指定しましょう。
ソーシャルリスニング導入後の流れを掴んで上手に活用しよう
ソーシャルリスニングツール導入後は、目的を明確にして分析のための設定をすることが重要です。また、ツールを使用する社員のトレーニングも行う必要があるでしょう。
ソーシャルリスニングを上手に活用するには、分析結果は相対比較のための数値として使用すること、「表記ゆれ」に注意することを徹底しましょう。分析対象メディアを検討する際は、分析の目的に合わせて選びましょう。実際に活用する前の準備を入念に行って、効果的にソーシャルリスニングツールを使用してください。
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