認証方式に関するアクセスコントロールの機能
入退室時の本人確認は、アクセスコントロールの基本となる機能です。ここではICカード認証と生体認証という2つの代表的な方式について紹介します。
ICカード認証の仕組み
ICカード認証は、社員証や専用カードをリーダーにかざすことで解錠する仕組みです。導入コストを抑えやすく、企業で採用されている認証方式の一つです。
一方で、カードの貸し借りや紛失によるなりすましのリスクが残る場合があります。カード紛失時に該当のカードだけを無効化できるか、再発行の手続きがスムーズに行えるかも、日常運用のしやすさに関わる確認項目です。既存の社員証をカードとして利用できる製品もあるため、新たにカードを配布する手間を減らせるかも導入時の確認項目になります。カードの発行元が複数ある場合は、規格の違いによって読み取れない場合もあるため、事前に対応可否を確認しておくと安心です。
生体認証による本人確認
顔認証や指紋認証、指静脈認証などの生体認証は、カードを持ち歩く必要がなく、貸し借りによるなりすましを防ぎやすい方式です。手がふさがっている場面でも認証しやすい方式を選べば、業務動線への影響を抑えやすくなります。
認証精度は照明環境や設置場所、マスクや手袋の着用有無によって左右される場合があります。導入前に実際の利用環境でデモ機を試し、認証エラー時の代替手段があわせて用意されているかを確認しておくと安心です。生体情報の登録データがどこに保存され、どのように保護されているかも、個人情報を扱う観点から確認しておきたいポイントです。
入退室記録に関するアクセスコントロールの機能
誰がいつどのエリアに出入りしたかを記録する機能も、アクセスコントロールの重要な役割です。ここではログの管理項目と異常検知の仕組みについて解説します。
ログの管理項目
入退室ログには、氏名や社員番号、日時、対象エリアなどの項目が記録されます。製品によって記録できる項目や保存期間が異なるため、社内で必要とする粒度を満たしているかを確認しましょう。
監査対応や事故発生時の調査で利用する場合は、条件を絞り込んで検索できるか、CSVなどの形式で出力できるかも確認しておきたい項目です。ログの改ざんを防ぐための保存方式が採用されているかもあわせて確認すると安心です。長期保存されたログを過去にさかのぼって参照できるかどうかも、事故調査や監査対応の場面では重要な確認項目になります。担当者以外の閲覧を制限するアクセス権限が、ログ自体にも設定できるかを確認しておくと、二重の管理体制を築きやすくなります。
異常検知・通知の仕組み
同じ認証情報での連続した解錠失敗や、通常と異なる時間帯の入退室があった場合に、管理者へ通知が届く機能があると、早期の状況把握につながります。通知の方法がメールなのか、専用アプリへの通知なのかも確認しておきましょう。
通知が届いた後、担当者がその場でログを確認し、必要に応じて権限を一時停止できる操作性があるかも重要です。休日や夜間に異常が発生した場合の対応フローを、あらかじめ社内で決めておくことも運用面で有効です。通知先を複数人に設定できる機能があれば、担当者が不在の場合でも別の担当者が状況を把握できる体制を整えやすくなります。
遠隔操作に関するアクセスコントロールの機能
スマートフォンなどを使った遠隔操作の機能は、現場に担当者がいない場面での対応を助けます。ここでは遠隔解錠と遠隔での権限変更について紹介します。
スマートフォンでの解錠
来客対応や忘れ物の受け取りなど、担当者が現場にいなくても遠隔から解錠できる機能があると、対応の柔軟性が高まります。解錠の履歴が誰の操作かわかる形で記録されるかを確認しましょう。
通信状況によっては、遠隔操作の反映に時間差が生じる場合があります。オフィスの回線環境や、スマートフォンのアプリが対応するOSのバージョンについても、導入前に確認しておくと想定外のトラブルを避けやすくなります。私物のスマートフォンで操作する場合は、社内の端末利用ルールと照らし合わせて運用方法を検討しておくと安心です。あわせて、アプリを起動できる担当者を制限する設定があるかどうかも、端末紛失時のリスクを抑えるうえで確認しておきたい項目です。
遠隔からの権限変更
出張中や在宅勤務中の管理者が、遠隔から入退室権限を変更できる機能も業務の効率化に役立ちます。誰でも変更できてしまうと誤操作のリスクが高まるため、変更権限を持つ担当者を限定できるかを確認しましょう。
権限変更の履歴が自動的に記録され、後から確認できる仕組みがあると、複数の管理者が関わる場合でも対応状況を把握しやすくなります。承認フローを設けられる製品であれば、重要な変更に対するチェック体制も整えやすくなります。管理者アカウントが不正に利用された場合の被害を抑えるため、多要素認証でログインできるかもあわせて確認しておくとよいでしょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でアクセスコントロールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
権限制御に関するアクセスコントロールの機能
入退室できる時間帯やエリアを細かく制御する機能も、セキュリティを保つうえで欠かせません。ここでは時間帯ごとの制御とエリア単位の制御について解説します。
時間帯ごとの制御
勤務時間外の入室を制限したい場合、曜日や時間帯を組み合わせて権限を設定できる機能があると、就業規則に沿った運用がしやすくなります。深夜だけ制限する、休日だけ制限するといった細かな設定ができるかを確認しましょう。
残業や休日出勤が発生した際に、一時的に権限を追加できる操作がスムーズかどうかも重要です。設定変更のたびに複雑な手続きが必要になると、現場対応が後回しになりやすいため、操作のしやすさも確認しておきましょう。部署単位で時間帯設定をまとめて適用できる機能があれば、繁忙期など一時的な体制変更にも対応しやすくなります。
エリア単位の制御
フロアや部屋ごとにアクセスできる範囲を制限する機能は、機密性の高いエリアを守るうえで基本となる機能です。部署や役職によって入退室できるエリアを細かく分けられるかを確認しましょう。
エリアの追加や統合が発生した際に、設定の組み換えがどの程度の作業で済むかも確認しておくと安心です。共用スペースと専用エリアで異なる基準を設けたい場合は、エリアごとに個別の認証方式を選べるかもあわせて確認しましょう。エリアごとの入退室状況を一覧で俯瞰できる画面があると、どのエリアで人の出入りが多いかを把握しやすくなり、設備計画の見直しにも役立ちます。
外部連携に関するアクセスコントロールの機能
他のシステムと連携する機能は、入退室管理以外の業務効率化にもつながります。ここでは訪問者管理との連携と、その他のシステム連携について紹介します。
訪問者管理との連携
受付システムと連携できる機能があると、来訪者情報の入力から一時的な入退室権限の発行までを一連の流れで進めやすくなります。来訪者用の権限が対応期限を過ぎたら自動的に無効化されるかも確認しておきたい項目です。
来訪者の入退室履歴を社員とは別に記録できるかどうかも重要です。頻繁に来訪する取引先がある場合は、企業単位でまとめて権限を管理できる機能があると、受付担当者の日々の負担を抑えやすくなります。事前予約の来訪者情報を受付システム側で登録しておき、当日は自動でカードやQRコードを発行できる仕組みがあれば、受付対応にかかる時間も短縮しやすくなります。
他システムとの連携範囲
勤怠管理システムやグループウェア、監視カメラなど、他システムとの連携範囲は製品によって差があります。ログの取得のみなのか、権限の同期まで対応しているのかを確認しましょう。
API連携が可能な製品であれば、自社の情報システム部門が独自のシステムと組み合わせて活用できる場合もあります。連携先の仕様変更によって同期が停止する可能性もあるため、通知や再同期の仕組みがあるかもあわせて確認しておくと安心です。連携するシステムが増えるほど管理項目も複雑になるため、どのシステムとどの範囲まで連携しているかを一覧で整理しておくと、運用担当者の引き継ぎにも役立ちます。
認証方式や遠隔操作の機能で比較したいアクセスコントロール製品
ここまで紹介した機能をふまえ、スマートフォンでの遠隔操作や複数の認証方式、外部システムとの連携に対応する製品を紹介します。自社が重視したい機能と照らし合わせながら比較する際の参考にしてください。
Safie Entrance
- 顔認証による高セキュリティ・高速解錠を実現
- 〔拠点・ドア・人・時間〕、複雑な権限も、柔軟に一元管理可能
- Safieカメラ連携による、ログ×映像の確かな証跡管理
セーフィー株式会社が提供する「Safie Entrance」は、クラウドカメラと連携した入退室管理サービスです。顔認証による解錠機能に加え、入退室のログと映像をあわせて確認できる点が特徴です。通常と異なる時間帯の入退室があった際の状況確認や、監査対応で必要になるログの検索・出力を行いたい企業に活用しやすくなっています。
ALLIGATE(アリゲイト)
- いろいろな扉・既存システムからのリプレイスに対応
- 設置工事から24時間365日の保守窓口まで、一気通貫のサービス
- 社内ネットワークの構築不要で導入コストを軽減
株式会社アートが提供する「ALLIGATE(アリゲイト)」は、クラウド型の入退室管理システムです。ICカードやスマートフォン、生体認証など複数の認証方式に対応し、フロアや部屋単位で権限を細かく設定できます。時間帯ごとの入退室制御にも対応しているため、勤務形態が多様な企業や、機密性の高いエリアを分けて管理したい企業の機能要件にも対応しやすい製品です。
Akerun (株式会社フォトシンス)
- 世界初の後付け型スマートロックで、7つの特許を保有・出願。
- 20社以上のサービスと連携可能な業界最大級のAPI連携数。
- オフィス、ジム、病院など多様な場所・用途に対応。
カギカン (Qrio株式会社)
- 国内80%以上のドアに対応
- 合カギの即時発行・削除に対応。
- ドアの開閉を検知し自動施錠
まとめ
アクセスコントロールには、認証方式や入退室記録、遠隔操作、権限制御、外部連携などさまざまな機能があります。自社が重視したい機能を明確にしたうえで、複数の製品を比較しながら検討を進めましょう。実際の運用イメージを具体的に描いたうえで比較すると、導入後の使い勝手のずれを減らしやすくなります。


