総務担当1人でも運用しやすいアクセスコントロールの条件
専任の担当者を置けない企業では、限られた時間の中で入退室権限の管理を進める必要があります。ここでは操作のわかりやすさと日常運用の手間という2つの観点から確認したいポイントを紹介します。
設定操作のわかりやすさ
1人で運用する場合、権限の追加や変更といった作業を専門知識なしで行えるかどうかが、日々の負担に直結します。管理画面の項目がシンプルにまとまっているか、操作マニュアルが整備されているかを確認しましょう。
入社や異動のたびに複数の画面を行き来する必要がある製品は、担当者の作業時間を増やす要因になります。一覧画面から複数人の権限をまとめて変更できるかどうかも、日常業務での使いやすさを左右するポイントです。導入前に無料の操作体験やデモ画面を確認できる製品であれば、実際の管理画面を触ったうえで自社の担当者が扱えそうかを判断しやすくなります。
日常運用でかかる手間
日常的に発生するカードの再発行や、退職者の権限削除といった作業にどれくらいの手間がかかるかも確認しておきたい項目です。手続きの流れが複雑だと、担当者の対応が後回しになりやすくなります。
あわせて、権限の設定履歴が自動的に記録されるかどうかも重要です。誰がいつ権限を変更したかを後から確認できれば、担当者が1人であっても対応状況を振り返りやすくなり、引き継ぎの際にも役立ちます。急な休職や異動が発生した場合に備えて、操作手順を書面やマニュアルとして残しておくと、他の担当者が代わりに対応する状況にも備えやすくなります。
情シスがいない企業でも導入しやすい仕組み
情報システム部門を持たない企業では、導入時の設定やその後のトラブル対応を誰が担うかが課題になります。ここではサポート体制と相談先という観点から解説します。
初期設定時のサポート体制
情シスがいない場合、初期設定の作業をベンダー側にどこまで依頼できるかが選定の分かれ目になります。設定支援の範囲がマニュアル案内までなのか、実際の作業代行まで含むのかは製品や契約によって異なります。
導入前の打ち合わせで、自社が対応できる範囲とベンダーに依頼したい範囲を整理しておくと、想定外の作業が発生しにくくなります。専門的な設定作業が必要な場合は、情報システムに詳しい外部の担当者へ相談する選択肢もあわせて検討しましょう。社内にネットワーク機器の知識を持つ人がいない場合は、既存の設備工事業者やベンダーの窓口を通じて、設置から設定までを一括で依頼できるかも確認しておくと安心です。
トラブル発生時の相談先
認証エラーや機器の不具合が起きた際に、誰に連絡すればよいかが明確になっているかも確認したいポイントです。問い合わせ窓口の対応時間帯や、電話とメールのどちらで相談できるかは製品によって差があります。
拠点に設備担当者がいない場合は、リモートで状況を確認してもらえる体制があるかどうかも重要です。トラブル対応の記録が残る仕組みがあれば、同じような不具合が再発した際の原因特定にも役立ちます。休日や夜間に不具合が起きた場合の対応時間帯についても、契約前にあらかじめ確認しておくと、緊急時にどこまで頼れるかを把握しやすくなります。
多拠点のアクセスコントロールをまとめて管理する方法
複数の拠点を抱える企業では、拠点ごとに個別管理をすると担当者の負担が大きくなりやすい領域です。ここでは拠点ごとの権限設定と、本社からの一括管理という2つの観点を紹介します。
拠点ごとの権限設定
拠点によって入退室のルールや営業時間が異なる場合、拠点単位で権限や時間帯の設定を変えられるかを確認しましょう。全拠点を同じ設定でまとめてしまうと、実際の運用と合わない場面が出てくる場合があります。
あわせて、拠点間を異動する社員の権限をスムーズに引き継げるかどうかも確認しておきたい項目です。異動のたびに手続きが複雑になると、担当者の作業負担が拠点数に比例して増えやすくなります。拠点数が増えるほど個別対応の積み重ねが負担になりやすいため、共通のテンプレートを使い回せる仕組みがあるかも確認しておきましょう。拠点ごとに異なる勤務時間帯がある場合は、時間帯別の権限設定を柔軟に変更できるかも、実際の運用に即して確認しておきたい観点です。
本社での一括管理画面
本社の担当者が全拠点の入退室状況をまとめて確認できるかどうかは、多拠点運用における重要な確認項目です。クラウド型の管理画面であれば、拠点に出向かなくても遠隔から設定変更できる場合があります。
拠点ごとの入退室ログを一つの画面で横断的に確認できると、異常な動きがあった際の把握もしやすくなります。回線状況によっては反映に時間差が生じる場合があるため、リアルタイム性がどの程度求められるかも導入前に整理しておきましょう。拠点が増えるたびに設定作業が煩雑にならないよう、テンプレートを使って新拠点の初期設定を効率化できるかもあわせて確認すると、拡張時の負担を抑えやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でアクセスコントロールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
グループ会社の入退室権限を統合管理するための運用
グループ会社を複数抱える企業では、会社ごとに異なる入退室ルールをどう整理するかが検討課題になります。ここでは規定の整理と権限管理の一元化について解説します。
会社間で異なる規定の整理
グループ会社では、設立の経緯や事業内容によって入退室のルールが会社ごとに異なる場合があります。統合管理を進める前に、各社の現行ルールを洗い出し、共通化できる部分とできない部分を整理しておきましょう。
特に、セキュリティに対する考え方が会社によって異なる場合は、一律のルールに統一するのではなく、共通の基盤の上で会社ごとに例外設定を残せる製品を選ぶという考え方もあります。買収や統合で加わったばかりのグループ会社がある場合は、既存の入退室設備をそのまま活かせるか、それとも入れ替えが必要かも早い段階で洗い出しておくと、統合作業の見通しを立てやすくなります。
権限管理の一元化
グループ全体の権限を一つのシステムで管理できると、人事異動やグループ内出向の際の手続きを簡略化しやすくなります。既存の人事システムと連携できるかどうかも、あわせて確認しておきたい項目です。
権限管理を一元化する場合、管理者アカウントの権限範囲をどう設計するかも重要な検討事項です。グループ全体を見る管理者と、各社の担当者が持つ権限を分けて設定できるかを確認しましょう。あわせて、権限変更の申請から承認までの流れを電子的に残せる仕組みがあると、グループ会社間でのやり取りも記録として追いやすくなります。
総務と警備担当が分業しても運用しやすい体制
総務部門と警備担当が役割を分けて運用する企業では、情報共有の仕組みづくりが重要になります。ここでは役割分担の設計と情報共有という2つの観点を紹介します。
役割分担の設計
総務が権限設定を担当し、警備担当が現場での運用や異常時の一次対応を担うといった分業体制では、それぞれの担当範囲を明確にしておくことが欠かせません。担当が曖昧な作業が残っていないかを確認しましょう。
製品の管理者権限を役割ごとに分けて設定できると、総務が権限設定に集中し、警備担当が現場のログ確認や来訪者対応に集中するといった分担がしやすくなります。権限の範囲を分けられるかは事前に確認しておきたい項目です。
情報共有の仕組み
分業体制では、総務と警備担当の間で情報が共有されないまま対応が進んでしまう場合があります。入退室ログや設定変更の履歴を双方が確認できる仕組みがあるかどうかを確認しましょう。
定例の情報共有会議だけに頼ると、緊急時の対応が遅れる場合があります。異常検知時に両者へ同時に通知が届く設定があると、担当者の一方に負担が偏らず、継続的な運用がしやすくなります。担当者の異動や退職が発生した場合に備えて、対応手順や連絡先を文書化しておくことも、分業体制を長く維持するうえで有効です。
少人数運用や多拠点管理に対応するアクセスコントロール製品の例
ここまで紹介した運用体制の観点をふまえ、クラウドでの一括管理やシンプルな操作画面に対応する製品を紹介します。自社の担当者数や拠点構成に近い運用イメージと照らし合わせながら比較する際の参考にしてください。
ALLIGATE(アリゲイト)
- いろいろな扉・既存システムからのリプレイスに対応
- 設置工事から24時間365日の保守窓口まで、一気通貫のサービス
- 社内ネットワークの構築不要で導入コストを軽減
株式会社アートが提供する「ALLIGATE(アリゲイト)」は、クラウド型の入退室管理システムです。拠点や部署単位で権限を分けて設定できるほか、管理者権限を役割ごとに分けて割り当てられるため、総務と警備担当の分業や、グループ会社ごとの運用ルールの違いにも対応しやすくなっています。管理画面はクラウド上で一元化されており、複数拠点の権限設定やログ確認を本社の担当者がまとめて行いたい場合に活用しやすい製品です。
株式会社日立ビルシステムの入退室管理システム
- サーバー不要(クラウドによる導入コスト低減、維持管理不要)
- オフィス等の物理的安全対策に有効
- 1拠点から複数拠点まで拡張可能
株式会社日立ビルシステムが提供する「株式会社日立ビルシステムの入退室管理システム」は、オフィスビルや複数拠点での運用を想定した入退室管理システムです。拠点ごとに異なる権限設定や勤務時間帯に応じたアクセス制御に対応しており、本社側から拠点の状況をまとめて把握したい企業に向いています。設備の設置やメンテナンスについてもベンダーへの相談体制が整っているため、情報システム部門を持たない企業が初期設定やトラブル対応を依頼したい場合にも活用しやすくなっています。
Akerun (株式会社フォトシンス)
- 世界初の後付け型スマートロックで、7つの特許を保有・出願。
- 20社以上のサービスと連携可能な業界最大級のAPI連携数。
- オフィス、ジム、病院など多様な場所・用途に対応。
カギカン (Qrio株式会社)
- 国内80%以上のドアに対応
- 合カギの即時発行・削除に対応。
- ドアの開閉を検知し自動施錠
まとめ
アクセスコントロールの運用体制は、担当者の人数や情シスの有無、拠点数、グループ会社の構成によって確認すべきポイントが異なります。自社の体制に近い条件を整理したうえで、サポート体制や管理画面の使いやすさを比較しながら製品選定を進めましょう。運用開始後に体制が変わる可能性も想定し、拡張性のある製品を選んでおくと、将来的な見直しの負担も抑えやすくなります。


