ICカード認証で起こりやすい読み取りエラー
ICカード認証は広く使われている方式ですが、読み取りエラーが起こる場合があります。ここでは主な要因と、現場での対処法を紹介します。
読み取りエラーの主な要因
ICカードの読み取りエラーは、カード自体の劣化や磁気不良、リーダー部分の汚れ、電波を遮る素材のケースに入れていることなど、複数の要因が関係する場合があります。単一の原因に決めつけず、状況を切り分けて確認することが大切です。
カードとリーダーの相性による認識のばらつきも報告されています。特定のカードだけでエラーが頻発する場合は、そのカードの状態を個別に確認し、必要に応じて再発行を検討しましょう。定期的なリーダー部分の清掃も、エラーを減らす対策の一つです。カードケースに複数枚のICカードをまとめて入れている場合、電波干渉によって読み取りにくくなることもあるため、利用者への案内としてあわせて共有しておくとよいでしょう。
現場での対処法
読み取りエラーが起きた際、担当者が現場ですぐに対応できる手順を整えておくことが重要です。予備の認証手段や、警備担当者への連絡フローをあらかじめ決めておくと、対応の遅れを防ぎやすくなります。
エラーの発生状況をログとして記録し、特定の時間帯や場所に偏っていないかを確認する仕組みがあると、原因の特定に役立ちます。頻発する場合は、機器の設置環境や配線状況について、ベンダーに点検を依頼することも検討しましょう。同じ扉で複数の利用者からエラーの報告が続く場合は、利用者側の操作方法よりも機器側の要因を優先して確認することが有効です。エラー報告を受け付ける窓口を一本化しておくと、似たような事例が別々に報告されて対応が重複する状況を防ぎやすくなります。
生体認証で起こりうる誤認識
顔認証や指紋認証などの生体認証でも、誤認識が発生する場合があります。ここでは誤認識が起こる背景と、運用面での対応を紹介します。
誤認識が起こる背景
生体認証の誤認識は、照明環境の変化やマスク・手袋の着用、指の乾燥や汚れ、登録時と現在の見た目の変化など、複数の要因が重なって起こる場合があります。特定の条件下でのみ誤認識が発生する場合は、環境要因を疑って確認することが有効です。
登録時のデータの質が低いと、その後の認証精度に影響する場合もあります。登録作業を行う際は、適切な明るさや姿勢で登録できているかを確認し、必要であれば登録し直すことも対策の一つです。加齢や体調の変化によって生体情報が変わる場合もあるため、一定期間ごとに登録データを更新できる運用を取り入れることも有効です。
誤認識時の運用対応
誤認識が続く場合に備えて、暗証番号やICカードなど代替の認証手段を用意しておくと、業務への影響を抑えやすくなります。認証エラーの発生頻度が高い担当者については、個別に原因を確認する運用ルールを設けましょう。
誤認識の記録を蓄積し、時間帯や環境条件との関連を分析できると、設置場所の見直しなど根本的な対策につなげやすくなります。ベンダーによる定期点検やソフトウェアの更新状況も、あわせて確認しておくとよいでしょう。誤認識が特定の時間帯に集中している場合は、照明の切り替わりや直射日光の影響を疑い、設置場所の見直しを検討することも一つの対策です。
入退室ログの反映遅延
入退室ログがリアルタイムに反映されないと、状況把握に支障が出る場合があります。ここではログ反映が遅れる要因と、確認したいポイントを紹介します。
ログ反映が遅れる要因
ログの反映遅延は、ネットワークの通信状況や、サーバー側の処理集中、複数拠点からのデータ同期のタイミングなど、複数の要因が関係して起こる場合があります。特定の時間帯に集中して遅延が発生する場合は、アクセスが集中していないかを確認しましょう。
クラウド型の製品では、通信環境によって反映速度が左右されることがあります。オンプレミス型か、クラウド型かによっても反映の仕組みが異なるため、自社が求めるリアルタイム性を製品選定時に確認しておくことが有効です。複数拠点が同時にサーバーへアクセスする時間帯に遅延が集中する場合は、拠点ごとのアクセス時間を分散させる運用も検討の余地があります。
遅延時に確認したいポイント
ログの反映が遅れている場合、まずはネットワーク機器や回線の状況を確認しましょう。あわせて、サーバー側で障害が発生していないか、ベンダーの障害情報を確認することも有効です。
遅延が業務に大きな影響を与える場合は、あらかじめ許容できる遅延時間の基準を社内で決めておくとよいでしょう。基準を超える遅延が続く場合の連絡フローも整えておくと、対応が後手に回りにくくなります。監査対応など即時性が求められる場面では、遅延の影響が大きくなりやすいため、代替の確認手段もあわせて準備しておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でアクセスコントロールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
遠隔解錠機能で起こりうる不具合
スマートフォンなどを使った遠隔解錠機能でも、不具合が発生する場合があります。ここでは通信起因の不具合と、アプリ側の不具合を紹介します。
通信起因の不具合
遠隔解錠は通信環境に依存する機能のため、電波状況が悪い場所や回線の混雑状況によって、操作が反映されない場合があります。単純な操作ミスと区別するため、通信状況を確認する手順をあらかじめ整えておきましょう。
拠点によって通信環境が異なる場合は、拠点ごとに動作確認を行っておくと安心です。通信が不安定な拠点では、遠隔解錠に頼りすぎず、現地での代替手段もあわせて用意しておくことが望まれます。ビル全体の回線工事などで一時的に通信が不安定になる時期は、事前に利用者へ周知しておくと問い合わせの集中を防ぎやすくなります。
アプリ側の不具合
スマートフォンアプリのバージョンが古い場合や、OSとの互換性が合っていない場合に、操作が正常に動作しないことがあります。アプリの更新案内が届いた際は、速やかに更新する運用ルールを社内で共有しておきましょう。
不具合が発生した際にベンダーへ報告できる窓口が明確になっているかも重要です。発生した状況(端末の機種、OSのバージョン、操作内容)を記録しておくと、ベンダー側での原因調査がスムーズに進みやすくなります。同じ不具合が複数の利用者から報告される場合は、特定のOSバージョンとの相性が原因となっているケースもあるため、報告内容をまとめて共有するとよいでしょう。
エラー発生時に備える運用体制
エラーそのものを完全に防ぐことは難しいため、発生時にどう対応するかという運用体制の整備が重要になります。ここでは通知・記録の仕組みと、ベンダーとの連携体制を紹介します。
通知・記録の仕組み
エラーが発生した際に担当者へ通知が届く仕組みや、エラーの発生状況を記録として残せる仕組みがあると、原因の特定や再発防止につなげやすくなります。通知先を複数人に設定できると、担当者が不在の場合でも対応の遅れを抑えやすくなります。
記録をもとに、特定の機器や時間帯、条件でエラーが集中していないかを定期的に確認することも有効です。傾向が見えてくれば、設置環境の見直しや機器の交換など、根本的な対策を検討しやすくなります。記録を月次で振り返る担当者を決めておくと、傾向の把握が特定の人任せにならず、継続的な改善につなげやすくなります。
ベンダーとの連携体制
エラーが発生した際に、ベンダーへどのように連絡し、どの程度の時間で対応してもらえるかを事前に確認しておくことが大切です。対応時間帯が限られている場合は、休日や夜間の対応方針もあわせて確認しましょう。緊急度の高いエラーとそうでないエラーを区別し、それぞれの連絡手順を分けておくと、ベンダーとのやり取りもスムーズになります。
過去のエラー対応履歴を社内で共有しておくと、同じような不具合が再発した際に、担当者が変わっても対応しやすくなります。定期的にベンダーと運用状況を振り返る機会を設けることも、長期的な安定運用につながります。契約更新のタイミングで、これまでのエラー対応実績を振り返り、必要に応じてサポート内容の見直しを相談することも一つの方法です。
エラー対応や記録の仕組みで比較したいアクセスコントロール製品の例
ここまで紹介したエラーの要因をふまえ、複数の認証方式やログ・映像の記録に対応する製品を紹介します。エラー発生時の運用体制を整えるうえでの比較材料として参考にしてください。
ALLIGATE(アリゲイト)
- いろいろな扉・既存システムからのリプレイスに対応
- 設置工事から24時間365日の保守窓口まで、一気通貫のサービス
- 社内ネットワークの構築不要で導入コストを軽減
株式会社アートが提供する「ALLIGATE(アリゲイト)」は、クラウド型の入退室管理システムです。ICカードやスマートフォン、生体認証など複数の認証方式に対応しているため、一方の方式で読み取りエラーや誤認識が起きても代替手段に切り替えやすい構成になっています。設定変更の履歴を確認できる機能もあり、エラー発生時の原因切り分けに役立てやすい製品です。
Safie Entrance
- 顔認証による高セキュリティ・高速解錠を実現
- 〔拠点・ドア・人・時間〕、複雑な権限も、柔軟に一元管理可能
- Safieカメラ連携による、ログ×映像の確かな証跡管理
セーフィー株式会社が提供する「Safie Entrance」は、クラウドカメラと連携した入退室管理サービスです。入退室のログと映像をあわせて確認できるため、認証エラーや不審な操作が発生した際に、記録映像を照らし合わせて状況を把握しやすくなっています。顔認証にも対応しており、カードの読み取りエラーによる入室遅延を減らしたい企業にも活用できます。
株式会社日立ビルシステムの入退室管理システム
- サーバー不要(クラウドによる導入コスト低減、維持管理不要)
- オフィス等の物理的安全対策に有効
- 1拠点から複数拠点まで拡張可能
株式会社日立ビルシステムが提供する「株式会社日立ビルシステムの入退室管理システム」は、オフィスビルや複数拠点での運用を想定した入退室管理システムです。設備の設置やメンテナンスについてベンダーへ相談できる体制が整っており、機器の不具合や通信起因のエラーが発生した際に、点検や対応を依頼したい企業に向いています。
セサモTRII (セコム株式会社)
- 最大50拠点の入退室をブラウザで集中管理。
- 共連れ防止や動線管理など多彩な出入管理機能。
- オンラインセキュリティ連動で防犯管理に拡張可能。
HID モバイルアクセス Origo (ビック情報株式会社)
- スマホを認証媒体として入退室が可能。
- 遠隔解錠に対応し、利便性を向上。
- クラウドでIDを管理し、発行や停止を遠隔操作可能。
まとめ
アクセスコントロールのエラーは、機器や通信環境、利用者側の状況など複数の要因が関係して起こる場合があります。発生要因を理解したうえで、通知や記録の仕組み、ベンダーとの連携体制を整え、エラー発生時にも落ち着いて対応できる体制を作りましょう。導入前に想定されるエラーとその対応方法を確認しておくことが、安定した運用につながります。


