勤怠管理システムとの連携
入退室記録を勤怠管理に活用したいと考える企業は多くあります。ここでは打刻としての活用と、データ連携時の確認事項について紹介します。
出退勤打刻としての活用
アクセスコントロールの入退室ログを出退勤の打刻データとして活用できると、専用の打刻機を別途用意する手間を減らせる場合があります。ただし、休憩室やフロア移動のたびに反応してしまうと、実際の勤務時間と記録がずれるおそれがあります。
打刻用として使うエリアを出入口付近に限定するなど、運用ルールを整えることで、実態に近い記録を残しやすくなります。勤怠システム側の締め処理のタイミングと、入退室データの反映タイミングがずれないかもあわせて確認しておきましょう。
データ連携時の確認事項
勤怠管理システムとの連携では、社員番号など突合のキーとなる情報が一致しているかが前提になります。人事異動やシステム更新の際に、突合キーがずれてしまうと、正しく反映されない場合があります。
連携が停止した場合に管理者へ通知が届くか、手動での再連携ができるかも確認しておきたい項目です。連携先の勤怠システムの仕様変更によって、想定していた項目が取得できなくなる可能性もあるため、複数の要因を踏まえて運用体制を整えておきましょう。連携がうまくいかない期間が続くと手作業での補正が発生しやすくなるため、早期に異常へ気づける仕組みを整えておくことが望まれます。
受付システムとの連携
来訪者対応を効率化したい企業では、受付システムとの連携が検討課題になります。ここでは連携範囲と、来訪者権限の発行・失効について解説します。
来訪者情報の連携範囲
受付システムと連携できる範囲は製品によって異なり、来訪者情報の入力のみなのか、入退室権限の自動発行まで対応しているのかを確認する必要があります。事前予約された来訪者に対して、当日自動でQRコードを発行できる仕組みもあります。
連携範囲が広いほど受付業務の効率化につながりますが、そのぶん設定項目も増えるため、運用担当者が扱いきれるかどうかもあわせて確認しましょう。導入初期は必要最低限の連携から始め、段階的に範囲を広げる進め方も選択肢になります。
来訪者権限の発行と失効
来訪者用の権限が、対応する予定期間を過ぎたら自動的に失効するかどうかは、セキュリティ上重要な確認項目です。手動での取り消しに頼っていると、担当者の対応漏れによって権限が残り続ける場合があります。
来訪者の入退室履歴を社員とは別に一覧で確認できるかも確認しておきたいポイントです。頻繁に来訪する取引先については、企業単位で権限をまとめて管理できる機能があると、受付担当者の負担を抑えやすくなります。
監視カメラとの連携
入退室ログと映像を組み合わせて確認したい企業では、監視カメラとの連携が重要な検討項目になります。ここでは映像とログの突合と、共連れ検知などの機能を紹介します。
映像とログの突合
入退室があった時刻の映像を自動的に紐づけて確認できると、異常が発生した際の状況把握がしやすくなります。ログと映像を別々の画面で確認する必要がある製品では、確認作業に時間がかかる場合があります。
映像の保存期間とログの保存期間が異なると、後から突き合わせて確認できない場合があるため、双方の保存期間をそろえておくとよいでしょう。既存の監視カメラシステムとの互換性についても、事前にベンダーへ確認しておくと安心です。カメラの台数やエリア数が多い環境では、映像データの保存容量やネットワーク負荷についても、あわせて確認しておくと導入後の想定外を減らせます。
共連れ検知などの機能
認証した人に続いて別の人が一緒に入室する共連れ(ともづれ)と呼ばれる状況を、カメラと連携して検知できる機能がある製品もあります。すべての共連れを検知できるとは限らないため、検知できる条件を確認しておきましょう。
検知した際に警備担当者へ通知が届く仕組みがあると、早期の状況把握につながります。誤検知が多い環境では、設置場所や角度の見直しが必要になる場合もあるため、導入時に設置環境をあわせて確認しておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でアクセスコントロールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
グループウェアとの連携
社内ポータルやスケジュール管理を担うグループウェアとの連携も、業務効率化の観点から検討されることがあります。ここでは社内ポータルでの確認と、権限情報の同期について解説します。
社内ポータルでの入退室確認
グループウェアの画面から入退室状況を確認できると、担当者がわざわざ専用画面を開かずに状況を把握できる場合があります。表示できる項目や更新頻度は製品によって異なるため、必要な情報が反映されるかを確認しましょう。
社員が自分の入退室履歴を確認できる機能があると、勤務時間の記録に対する納得感を得やすくなります。個人情報保護の観点から、他の社員の履歴を閲覧できないよう権限が分けられているかもあわせて確認しておきましょう。
権限情報の同期
グループウェア側の組織情報と、アクセスコントロール側の権限情報を同期できると、人事異動のたびに二重で登録する手間を減らせる場合があります。同期のタイミングがリアルタイムかバッチ処理かも確認しておきたい項目です。
同期エラーが発生した際に、どの社員のどの情報が反映されなかったかを特定できる仕組みがあると、担当者が漏れなく対応しやすくなります。同期対象の項目を必要な範囲に絞れるかもあわせて確認しておくと安心です。
火災報知器など防災設備との連携
非常時の避難対応を考えるうえで、防災設備との連携も見落とせない観点です。ここでは非常時の一斉解錠と、防災訓練での確認事項を紹介します。
非常時の一斉解錠
火災報知器と連動して、火災発生時に対象エリアの扉を一斉に解錠する機能があると、避難経路の確保につながります。連動する範囲がビル全体なのか、対象フロアのみなのかは設定によって異なるため確認しておきましょう。
誤報時に不要な解錠が発生しないよう、確認手順を含めた設定になっているかも重要です。防災設備との連携は建物の設備担当者やベンダーと相談しながら、社内の防災計画にあわせて設計することが望まれます。
防災訓練での確認事項
防災設備との連携が実際に機能するかどうかは、定期的な訓練で確認しておくことが有効です。連携の設定を変更した後は特に、意図した通りに動作するかを確認する機会を設けましょう。
訓練で確認した内容や気づいた課題は、記録として残しておくと次回以降の見直しに役立ちます。ベンダーの立ち会いのもとで動作確認を実施できる場合は、あわせて依頼を検討するとよいでしょう。
API連携のしやすさを見極める視点
独自のシステムと組み合わせたい企業では、API連携のしやすさが選定の分かれ目になります。ここではAPI仕様の公開状況と、連携失敗時の対応について解説します。
API仕様の公開状況
API仕様が公開されているか、社内のエンジニアが事前に内容を確認できるかは、開発の見通しを立てるうえで重要な情報です。仕様が非公開の場合、開発を進める前にベンダーとの個別のやり取りが必要になる場合があります。
取得できるデータの範囲や更新頻度、リクエスト回数の上限なども、開発時に確認しておきたい項目です。あわせて、既存のシステムとの連携実績があるかをベンダーに確認すると、開発の難易度をある程度見積もりやすくなります。
連携失敗時の対応
API連携では、通信障害や連携先の仕様変更によって同期が失敗する場合があります。単一の原因に限らず、自社側の設定や連携先サービスの状態など複数の要因が関係することを踏まえておきましょう。
失敗時にエラー内容がログとして残るか、担当者へ通知が届くかも確認しておきたい項目です。開発担当者が不在の場合に備えて、簡易な確認手順をマニュアル化しておくと、初動対応をスムーズに進めやすくなります。連携先が複数ある場合は、どのシステムが原因かを切り分けやすいよう、それぞれの連携状態を個別に確認できる画面があると調査がしやすくなります。
他システムとの連携に対応するアクセスコントロール製品の例
ここまで紹介した連携の観点をふまえ、監視カメラや受付対応、外部システムとの組み合わせに対応する製品を紹介します。自社が連携させたいシステムと照らし合わせながら比較する際の参考にしてください。
Safie Entrance
- 顔認証による高セキュリティ・高速解錠を実現
- 〔拠点・ドア・人・時間〕、複雑な権限も、柔軟に一元管理可能
- Safieカメラ連携による、ログ×映像の確かな証跡管理
セーフィー株式会社が提供する「Safie Entrance」は、クラウドカメラと連携した入退室管理サービスです。入退室のログと映像を紐づけて確認できるため、監視カメラとの連携によって異常時の状況把握を効率化したい企業に向いています。顔認証による解錠にも対応しており、映像とログをあわせて一つの画面で確認したい場合に活用しやすい製品です。
ALLIGATE(アリゲイト)
- いろいろな扉・既存システムからのリプレイスに対応
- 設置工事から24時間365日の保守窓口まで、一気通貫のサービス
- 社内ネットワークの構築不要で導入コストを軽減
株式会社アートが提供する「ALLIGATE(アリゲイト)」は、クラウド型の入退室管理システムです。複数の認証方式やエリアごとの権限設定に対応するとともに、クラウド上の管理画面から入退室状況を確認できます。独自のシステムと組み合わせたい企業に向けて、外部システムとの連携についてもベンダーへ相談できる体制が整っており、社内の情報システム部門と連携範囲をすり合わせながら導入を検討しやすい製品です。
AI Office Base (株式会社セキュア)
- 検温・マスク確認で感染症対策を徹底
- ワンタイムパスでゲスト対応をスムーズに。
- 混雑・稼働率の可視化で職場運用を最適化
SmartMe®︎ (NTTドコモビジネス株式会社)
- スマホでタッチレス入退室が可能
- 物理カードの発行・管理コストを大幅に削減
- クラウド管理で紛失時の認証停止・遠隔操作が可能。
まとめ
アクセスコントロールは、勤怠管理や受付システム、監視カメラ、グループウェア、防災設備など複数のシステムと連携できる場合があります。自社が連携したいシステムを明確にしたうえで、対応範囲やAPI連携のしやすさを比較しながら検討を進めましょう。将来的に連携先が増える可能性も踏まえ、拡張性のある製品を選んでおくと見直しの負担を抑えやすくなります。


