業種によってオンライン決済システムの懸念点が異なる理由
同じオンライン決済システムでも、業種によって使い方や求められる機能が変わるため、起こりうるトラブルも異なります。まずは、懸念点が業種ごとに変わる背景を押さえておきましょう。背景を理解すると、自社で注意すべき点が見えてきます。
業務の流れと決済のタイミングの違い
業種によって、決済のタイミングは異なります。ECサイトでは注文時、飲食チェーンでは来店前や来店時、教育機関では入学時や毎月決まった日に決済が行われるのが一例です。決済のタイミングが業務の流れとあっていないと、確認作業が増えたり、状態のずれが生じたりする可能性があります。
そのため、製品の機能だけでなく、自社の業務のどの場面で決済が行われるかを踏まえて設定を考えることが大切です。導入前に業務の流れを図にしておくと、懸念点を洗い出しやすくなります。
顧客層と支払い方法の違い
顧客の年齢層や、個人か法人かによって、好まれる支払い方法は異なります。若い世代が多い業種ではコード決済、保護者が支払う教育機関では口座振替やコンビニ払い、法人取引では請求書払いが求められる場合があります。
顧客層にあわない決済手段だけを用意すると、支払いの手続きで顧客が迷ったり、別の支払い方法を問い合わせたりする場面が増える可能性があります。問い合わせ対応の負担を減らすためにも、顧客層にあう決済手段を確認しておきましょう。
EC事業者で必要な決済手段が足りないケース
EC事業者では、オンライン決済システムを導入したものの、顧客が求める決済手段に対応できず、期待した効果が得られないケースが考えられます。原因は製品の対応範囲だけでなく、審査や商材の条件、事前の調査不足といった複数の要因にあります。
希望の支払い方法がないことによる離脱
ECサイトで顧客が希望する支払い方法がない場合、購入手続きの途中で離脱する可能性があります。例えば、クレジットカードを持たない顧客や、カード情報の入力を避けたい顧客は、後払いやコンビニ払いを求める場合があります。
導入後にこうした状況に気付いても、決済手段の追加には審査や設定の期間が必要です。離脱の状況は、カートに商品を入れたまま購入を完了しなかった件数や、支払い方法に関する問い合わせの内容から把握できます。定期的に確認し、早めに対策を検討しましょう。
審査や商材の条件で使えない決済手段
オンライン決済システムが対応している決済手段でも、審査の結果や取り扱う商材によっては利用できない場合があります。決済手段ごとに提供元の会社が異なり、それぞれの基準で審査が行われるためです。
定期購入や高額商品、デジタルコンテンツといった商材では、審査の条件が異なる場合があります。導入を決める前に、取り扱う商材で希望の決済手段が利用できるかをベンダーに相談しておくと、導入後の想定違いを防ぎやすくなります。
導入前に行いたい決済手段の需要調査
必要な決済手段の不足を防ぐには、導入前に顧客の需要を調べておくことが有効です。既存の顧客へのアンケートや、問い合わせ履歴に含まれる支払い方法の要望から、利用が見込める決済手段を洗い出しましょう。
競合するECサイトが提供している支払い方法を確認することも、判断の材料として役立ちます。調査の結果をもとに、導入当初から必要な決済手段と、後から追加する決済手段に分けて計画を立てると、費用と効果のバランスを取りやすくなります。
小売業と飲食チェーンで想定したい運用上のトラブル
実店舗を持つ小売業や飲食チェーンでは、オンライン決済と店舗の業務を組み合わせて運用します。店舗とオンラインの情報が連動していないと、現場の混乱や顧客対応の負担につながる可能性があるため、想定されるケースを確認しましょう。
小売業で店舗とオンラインの売上がずれる
小売業では、オンラインで決済した商品を店舗で受け取る場合や、店舗で返品を受け付ける場合があります。オンライン決済システムとPOSレジや販売管理システムが連動していないと、売上や返金の記録が店舗とオンラインでずれる可能性があります。
ずれが生じると、日々の売上の締め作業や在庫の確認に時間がかかります。店舗で返品を受けた際に、オンライン決済の返金を誰がどの画面で行うかを事前に決めておくことが大切です。店舗とオンラインの売上を日次で突き合わせる手順を設けると、ずれに早く気付けます。
小売業で現場に運用が定着しない
オンライン決済システムを導入しても、店舗のスタッフが操作方法を理解していないと、運用が定着しない場合があります。例えば、決済リンクの発行や返金の手順がわからず、本部への問い合わせが増えるといった状況が考えられます。
原因は、操作手順の共有不足や、スタッフの入れ替わりへの対応不足など複数にわたります。店舗向けの簡潔な手順書を用意し、新しいスタッフにも伝わる仕組みを整えましょう。店舗からの問い合わせ内容を本部で記録し、手順書の改善に生かすことも有効です。
飲食チェーンで注文と決済の状態が食い違う
飲食チェーンで事前決済やモバイルオーダーを導入する場合、注文システムと決済の状態が食い違うケースが考えられます。例えば、決済は完了したのに店舗に注文が届かない、注文を取り消したのに返金が行われていないといった状況です。
原因には、通信の不具合や連携設定の誤り、注文システム側の処理の遅延などが考えられます。注文と決済の状態を店舗の画面で照合できるかを確認し、食い違いがあった際の対応手順を決めておきましょう。ピーク時の運用を想定し、担当者が短時間で確認できる手順にしておくことが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でオンライン決済システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
教育機関の分割払いや継続課金で起こりうる不具合
教育機関では、受講料の分割払いや月謝の継続課金をオンライン決済システムで行う場合があります。請求の回数や日付の設定が複雑になりやすいため、起こりうる不具合とその原因を事前に把握しておきましょう。いずれも設定と運用のルールで防げる部分があります。
分割回数や請求日の設定の誤り
受講料を事業者側で分割して請求する場合、回数や請求日、金額を受講者ごとに設定する必要があります。設定を誤ると、請求の回数が多すぎたり、請求日がずれたりする可能性があります。
途中で受講コースを変更した受講者や、休学した受講者の設定変更が漏れるケースも考えられます。設定内容を複数人で確認する手順や、請求前に予定を一覧で確認できる機能があるかを確かめておきましょう。設定を変更した履歴が残る製品であれば、誤りに気付いた際の原因の確認にも役立ちます。
継続課金の失敗や重複した請求
継続課金では、カードの有効期限切れや利用限度額の超過によって、請求が失敗する場合があります。失敗に気付かないまま受講が続くと、未払いの状態が長く続く可能性があります。
また、システムの設定や連携の処理によっては、同じ請求が重複して行われるケースも考えられます。請求の失敗や重複を検知して通知する機能があるか、発生した際の返金や再請求の手順を確認しておきましょう。保護者への連絡方法も事前に決めておくと、トラブルの際に落ち着いて対応できます。
受講者情報と決済情報の不一致
教育機関では、受講者の名簿を別のシステムで管理していることがあります。名簿と決済の情報が連動していないと、退会した受講者への請求が続いたり、入会した受講者の請求が漏れたりする可能性があります。
受講者の入会や退会を決済側にどう反映させるかを、運用のルールとして決めておくことが大切です。月に1回、名簿と決済の情報を照合する手順を設けると、不一致に早く気付けます。名簿と決済をAPIで連携できる製品であれば、手作業での反映を減らせる可能性もあります。
業種別の懸念点を導入前に減らすための準備
ここまで紹介した懸念点は、導入前の準備によって影響を小さくできる場合があります。業種を問わず取り組める準備として、業務の流れの整理と、小さな範囲での検証の2つを紹介します。どちらも専門的な知識がなくても始められる取り組みです。
業務の流れを決済の場面ごとに書き出す
導入前に、注文や申込から決済、入金、返金までの業務の流れを書き出しましょう。どの場面で誰がどのシステムを操作するのかを整理すると、情報がずれやすい箇所や、担当が曖昧な箇所が見えてきます。
書き出した流れをベンダーに共有すれば、製品の機能で対応できる部分と、運用で補う部分を具体的に相談できます。業種特有の取引がある場合は、その流れも忘れずに含めましょう。例外的な取引の扱いまで整理しておくと、導入後に慌てずに済みます。
小さな範囲で始めて検証する
全店舗や全コースで一斉に導入するのではなく、一部の店舗やコースから始めて検証する方法も有効です。小さな範囲で運用すれば、想定していなかったトラブルに気付きやすく、影響も限定できます。
検証の期間中に起きた問題とその対応を記録し、手順書に反映させてから範囲を広げましょう。テスト環境が用意されている製品であれば、本番前に決済の流れを確認しておくことも大切です。検証の結果は関係部門と共有し、次の展開計画に反映させましょう。
業種ごとの懸念点を踏まえて検討したい決済サービス
決済手段の不足や継続課金の不具合といった業種ごとの懸念点を減らせるよう、対応する決済手段や課金の仕組みを確かめたい製品を紹介します。
サブスクペイ Standard
- クレカ、口座振替、銀行振込、コンビニ決済などの決済手段に対応
- カード決済の決済手数料は、業界最安水準の2.5%〜
- 一度登録すればその後の課金処理をすべて自動化
株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「サブスクペイ Standard」は、毎月の課金と顧客管理を自動化する決済サービスです。教育機関の月謝や会費のような継続課金では、一度登録した顧客への課金処理が自動で行われるため、請求の漏れや毎月の課金作業の手間を見直す手段として検討できます。クレジットカードや口座振替、銀行振込、コンビニ決済に対応しており、利用者ごとに異なる支払い方法の希望にもあわせられます。クラウド型で提供されています。
ASJペイメント
- 3Dセキュア2.0・セキュリティコード・PCI DSS Ver4.0に対応
- EC-CUBE等ショッピングカート対応の決済モジュール・プラグイン
- 決済手数料3.1%~、初期費用0円でオンライン決済を導入
株式会社ASJが提供する「ASJペイメント」は、ECサイトやメール注文にカード決済を導入できる決済代行サービスです。クレジットカードとコンビニ決済に対応しているため、EC事業者で決済手段が足りないと感じている場合の選択肢です。EC-CUBEやWelcartに対応した決済モジュールが無料で提供され、既存のカートに決済を加える際の開発を抑えられます。3Dセキュアやセキュリティコードによる対策を備え、PCI DSSに準拠したクラウド型のサービスです。
Paidy (Paidy合同会社)
- 加盟店70万店以上もの導入実績
- メールアドレスと電話番号の入力だけで利用可能
- 分割払いや予算設定などユーザー向け便利機能が豊富
Amazon Pay (アマゾンジャパン合同会社)
- 登録簡単!スピーディーかつ手軽にショッピングが可能!
- 最短で2回のクリックでスムーズに買い物することができる!
- 最新の音声ショッピングも利用可能!新しい体験ができる!
Square (Square株式会社)
- 入金が最短で翌営業日!入金のスピードが業界最短水準!
- 即日で導入が可能!業界最短水準の導入スピード
- 電子マネーやクレジットカードに対応!オンライン決済にも対応!
イーコンテクスト (株式会社イーコンテクスト)
- 2000年設立の総合決済サービス
- 決済×マーケティングの総合ソリューション
- 次世代決済APIを提供し、最短開発で最多決済手段が利用可能。
ekaiin (ウェルネット株式会社)
- 導入コスト・月額・初期費用0円で全機能利用可能
- クレジットカード、コンビニ、ネットバンクなど豊富な決済方法
- 会員登録不要で申込から支払まで完結
まとめ
オンライン決済システムの懸念点は、業種によって異なります。EC事業者では決済手段の不足、小売業や飲食チェーンでは店舗との連動、教育機関では分割払いや継続課金の設定が主な注意点です。原因は製品だけでなく、審査や設定、運用のルールといった複数の要因にあります。
導入前に業務の流れを整理し、小さな範囲で検証することで、懸念点の影響を抑えられる場合があります。自社の業種にあう製品を資料請求して比較しましょう。

