広告運用ツールの機能の全体像
広告運用ツールには多くの機能がありますが、目的ごとにまとめると全体像をつかみやすくなります。まずは機能の領域を整理し、自社に必要な機能を絞り込む方法を確認しましょう。機能を絞り込んでおくと、製品比較の時間を短縮できます。
3つの領域で見る主な機能
広告運用ツールの主な機能を、目的別に3つの領域に分けて整理しました。各機能の詳しい内容は、この後の章で解説します。
| 領域 | 主な機能 |
|---|---|
| 集計とレポート | 複数媒体のデータ統合、レポートの自動作成と共有 |
| 入札と予算 | 入札の自動調整、予算消化のアラート |
| 入稿と広告管理 | 広告文やバナーの一括入稿、除外キーワードの管理 |
製品によって、得意とする領域や自動化の範囲は異なります。レポート集計を中心とした製品もあれば、入札や入稿まで幅広く扱う製品もあります。まずは自社がどの領域の効率化を優先したいかを決めておきましょう。
自社に必要な機能の絞り込み方
必要な機能を絞り込むには、現在の運用で時間がかかっている作業や、ミスが起きている作業を書き出すのが近道です。例えば、レポート作成に毎週半日以上かかっているならレポート統合、入稿ミスが続いているなら一括入稿やチェック機能が優先候補です。
そのうえで、利用している媒体に各機能が対応しているかを確認します。同じ機能名でも、対応媒体が一部に限られている場合があるためです。優先順位をつけた機能の一覧を作っておくと、提供会社への質問もまとめやすくなります。
複数媒体のレポート統合と自動共有
検索広告やSNS広告など複数の媒体に出稿していると、媒体ごとの管理画面からデータを集めてまとめる作業に手間がかかります。レポート統合と自動共有の機能は、この集計作業を減らし、関係者との情報共有を早める役割を担います。
媒体ごとの指標をそろえるレポート統合
レポート統合とは、複数の媒体の表示回数やクリック数、費用、コンバージョン数などを自動で取得し、一つの画面や表にまとめる機能です。媒体ごとに指標の名前や集計の基準が異なるため、同じ意味の指標にそろえて表示できるかが重要です。
比較の際は、対応している媒体の種類、データを取得する頻度、過去データをさかのぼって取り込める期間を確認しましょう。自社サイトの分析ツールやオフラインの成果データを取り込めるかも、統合の範囲を左右する確認点です。データの取得に失敗した際に通知されるかも確かめておくと安心です。
レポートの自動作成と共有
レポートの自動作成は、あらかじめ決めた項目と書式で、日次や週次、月次のレポートを自動で作る機能です。作成したレポートをメールで自動配信したり、閲覧用のURLで共有したりできる製品もあります。
確認したいのは、レポートの書式をどこまで自由に変更できるか、出力形式にPDFや表計算ソフトの形式を選べるかという点です。社内の上長や取引先など、共有先ごとに見せる項目を変えられると、説明の手間も減らせます。閲覧権限の設定方法もあわせて確認しましょう。
入札と予算を管理する広告運用ツールの機能
入札と予算の管理は、広告費の使い方に直接かかわる領域です。自動化によって調整の手間を減らせる一方、設定を誤ると想定外の支出につながる可能性もあります。仕組みを理解したうえで、自社にあう機能を選びましょう。
入札の自動調整の仕組み
入札の自動調整には、大きく分けて2つの方式があります。一つは、広告媒体が提供する自動入札の目標値や予算配分を、ツールから一括で管理する方式です。もう一つは、ツール独自のルールや計算方法で入札単価を変更する方式です。
どちらの方式が向いているかは、媒体の数やキーワードの量、社内の運用方針によって変わります。比較する際は、入札の上限と下限を設定できるか、変更の履歴と理由を確認できるかを見ておきましょう。自動化の結果を人が検証できる仕組みがあると安心です。
予算消化アラートの設定
予算消化アラートは、広告費の消化ペースが計画より早い場合や遅い場合に、メールやチャットで通知する機能です。月の途中で予算を使い切ってしまう事態や、予算が余って機会を逃す事態に早めに気づけます。
確認したいのは、アラートの条件を日次や月次、キャンペーン単位など、どの粒度で設定できるかという点です。媒体のデータには反映までの時間差があるため、データの更新頻度も確かめておきましょう。通知先を複数人に設定できれば、担当者の不在時にも対応できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で広告運用ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
入稿作業と検索語句の管理を助ける機能
広告文やバナーの入稿、検索語句の管理は、件数が増えるほど手間がかかり、ミスも起こりやすくなる作業です。ここでは、入稿作業をまとめて処理する機能と、成果につながりにくい検索語句への配信を抑える機能を紹介します。
広告文とバナーの一括入稿
一括入稿は、表計算ソフトのテンプレートなどに広告文やバナー、リンク先URLをまとめて記入し、複数の媒体やキャンペーンへ一度に登録する機能です。媒体ごとに管理画面で1件ずつ登録する手間を減らせます。
比較の際は、対応している媒体と広告の形式、画像や動画のサイズを自動で確認する機能の有無を確かめましょう。入稿前に内容をプレビューできるか、承認者の確認を経てから反映できるかも、入稿ミスを防ぐうえで重要な確認点です。審査状況を入稿後に一覧で確認できるとさらに便利です。
除外キーワードの自動追加
除外キーワードとは、検索広告を表示させたくない語句を登録する設定です。広告運用ツールには、実際に検索された語句のデータから、成果につながっていない語句を抽出する機能を持つ製品があります。抽出した語句を除外の候補として提示する製品や、条件にもとづいて自動で追加する製品があります。
ただし、自動で除外すると、必要な語句まで除外してしまう可能性があります。自動追加の条件を細かく設定できるか、追加前に人が確認する手順を挟めるか、除外した語句の履歴を確認できるかを確かめておきましょう。誤って除外した語句を元に戻す操作の手軽さも、比較のポイントです。
広告運用ツールの機能を比較するときの確かめ方
機能の比較は、製品資料の機能一覧を並べるだけでは不十分な場合があります。同じ機能名でも、対応範囲や操作の手間は製品によって異なるためです。実際の運用に近い条件で確かめる方法を紹介します。候補を2~3製品に絞った段階で取り組むと効率的です。
デモやトライアルで操作を確認する
機能の使い勝手は、画面を操作してみて初めてわかる部分があります。資料だけでは、設定にかかる手間や画面の見やすさまでは判断しにくいためです。デモや無料トライアルを利用できる場合は、自社の広告アカウントを連携し、普段の作業と同じ手順で試してみましょう。
確認の際は、担当者だけでなく、レポートを受け取る上長や他部門のメンバーにも画面を見てもらうのが効果的です。トライアル期間は限られていることが多いため、確認したい機能と手順を事前に一覧にしておくと、限られた期間を有効に使えます。
媒体の標準機能との違いを確かめる
自動入札やアラート、レポート作成の一部は、広告媒体の管理画面でも標準で提供されています。広告運用ツールを導入する価値は、複数媒体の横断管理や、標準機能にない自動化を実現できるかにあります。
そのため、比較の際は「媒体の管理画面でもできること」と「ツールでしかできないこと」を分けて整理しましょう。利用している媒体が1つだけの場合は、標準機能で足りる可能性もあります。費用に見あう違いがあるかを冷静に判断することが大切です。
提供会社への質問で対応範囲を確かめる
トライアルで確かめきれない点は、提供会社へ質問して確認します。例えば、媒体の仕様変更にどのくらいの期間で対応しているかは、画面を触っただけではわかりません。新しい広告の形式にいつ対応する予定かも、質問して確認したい項目です。
質問は候補の各製品に同じ内容で送り、回答を一覧にして比べると判断しやすくなります。回答が「対応可能」だけの場合は、標準機能か個別対応か、追加費用がかかるかまで確認しておくと、導入後の認識のずれを防げます。
レポート統合や予算管理に対応した広告運用ツール
複数媒体のレポート統合や予算の管理など、この記事で紹介した機能を備える製品をピックアップしました。デモや資料で操作画面もあわせて確認してみてください。
AIR Connect
- 媒体間CVのズレを共通基準で可視化し真の成果を把握
- AIがデータを解釈し改善レポートとバナー案を自動生成
- ログインひとつで全媒体の最新広告状況に24時間アクセス
株式会社ガラパゴスが提供する「AIR Connect」は、GA4と広告配信データをAIで統合し、広告効果を共通指標で可視化する広告分析SaaSです。媒体間で生じるコンバージョンのズレを共通基準で可視化できるため、媒体ごとの指標をそろえたレポートを作りたい場合の選択肢です。AIが改善レポートとバナー案を自動生成する仕組みもあり、ログインひとつで全媒体の最新の広告状況に24時間アクセスできます。レポート自動作成、一元管理、予算管理の機能を備えています。
Adriel
- 多様な広告データを中心に650以上のコネクタをノーコードで連携
- すべての指標を明確にできるデータ統合ダッシュボード
- 一箇所にデータを集約し、成長のためのインサイトへ変換
Adrielが提供する「Adriel」は、広告データの収集、標準化、可視化までを一気通貫で担うBIツールです。広告データを中心に650以上のコネクタをノーコードで連携でき、集めたデータは標準化したうえでダッシュボードに統合されます。指標を同じ基準で確認しやすいため、複数媒体のレポートを一つにまとめたい場合の選択肢として検討できます。レポート自動作成と一元管理に加え、アラート通知の機能も備え、クラウドで提供されています。
サイバーエージェント (株式会社サイバーエージェント)
- インターネット広告やメディア事業を展開
- AIやDX技術を活用した支援を提供
- 複数領域でサービスを展開
ノバセル (ノバセル株式会社)
- AI活用による効率的なコスト削減
- 検索エンジンやコンテンツ等の手法で認知と顧客転換を支援する。
- 顧客に寄り添ったクリエイティブ支援
Shirofune (株式会社Shirofune)
- 新規配信から改善施策の提案・実施までワンストップで支援
- プロの思考を再現する緻密なアルゴリズム
- 広告効果の高いキーワードを自動提案
WISEAds (デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)
- 複数広告媒体の統合管理と効果測定を一元化。
- データに基づく自動最適化機能
- 詳細なレポートとカスタマイズ機能
検索広告360 (グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
- 複数検索エンジン広告を一括管理
- 機械学習を活用した自動入札戦略
- 高度な分析とレポーティング機能
まとめ
広告運用ツールの機能は、レポート統合と共有、入札と予算の管理、入稿と検索語句の管理という領域に整理できます。まずは時間がかかっている作業やミスが起きている作業から、必要な機能を絞り込みましょう。そのうえで、対応媒体や自動化の範囲、履歴の確認方法まで比べることが重要です。デモやトライアルで操作を確かめたうえで、資料請求を活用して複数の製品を比較してみてください。

