反社チェックツールの信頼性を分けて考える
信頼性という言葉には複数の意味が含まれます。まとめて確認しようとすると質問が漠然として回答も曖昧になるため、対象を分けたうえで一つずつ確かめていきましょう。
何に対する不安かの整理
不安の中身は、大きく4つに分かれます。参照する情報が十分かという不安、ツールが止まらないかという不安、預けたデータが守られるかという不安、使い続けられるかという不安です。それぞれ確認先も判断基準も異なります。
自社にとってどれが重いかは、確認する件数や取引の性質によって変わります。新規取引の開始時にのみ使う場合と、日々多くの取引先を確認する場合では、稼働の安定に対する重みが違います。優先して確かめる項目を先に決めておくと、検討が進めやすくなります。
確認できる情報の範囲
ベンダーが公開している情報には限りがあります。公式サイトで確認できる項目、契約前の問い合わせで回答を得られる項目、開示されない項目に分けておくと、確認作業を効率よく進められます。
開示されない項目については、そのこと自体を不信の材料とせず、代わりに何を確認できるかを尋ねてみましょう。個別の内容を公開していなくても、対応の考え方や手順については説明を受けられる場合があります。質問の仕方を変えることで、判断に使える情報を得られることがあります。
参照する情報源と更新体制の確認
反社チェックツールの結果は、参照している情報の範囲によって変わります。ここが最も確認しておきたい部分であり、製品間の差が表れやすい箇所でもあります。
情報源の種類と範囲
参照する情報には、新聞や雑誌などの報道記事、行政機関が公表する情報、裁判に関する公開情報、企業の登記に関する情報などが考えられます。どの種類をどこまで含むかは製品によって異なります。
契約前に、参照している情報の種別と、さかのぼれる期間を確認しましょう。範囲が広いほど確認できる幅は増えますが、その分だけ関連の薄い結果も表示される可能性があります。自社が求める確認の深さと、担当者が結果を精査できる体制を踏まえて判断することが求められます。
更新の頻度とタイミング
情報源が公表してからツールへ反映されるまでには時間差が生じます。この間隔は製品によって異なるため、どのくらいの頻度で更新されるかを確認しておきましょう。
更新の頻度は、定期モニタリングの結果がいつ届くかにも関わります。取引の判断に急を要する場合は、最新の状況を別の手段でも確認する運用を併用する方法があります。更新のタイミングを把握したうえで、社内の確認時期を決めておくと、判断の根拠を説明しやすくなります。
結果の受け止め方の理解
ツールが示すのは、参照した情報の中で該当が見つかったかどうかという事実です。この結果だけで取引の可否が決まるものではなく、最終的な判断は自社の基準にもとづいて行う必要があります。
同名の別の対象が表示される場合や、古い情報が残っている場合もあります。結果を確認する際は、所在地や代表者名など他の情報とあわせて対象を特定しましょう。判断に迷う内容が示された場合の相談先を、法務部門や顧問弁護士を含めて定めておくことをおすすめします。
稼働状況と停止時への備え
確認作業が業務の流れに組み込まれている場合、ツールが使えない時間帯があると契約手続きが止まる可能性があります。障害を完全になくすことは難しいため、起きたときの扱いを確認しておきましょう。
稼働状況の公開範囲
稼働状況を専用のページで公開しているベンダーがあります。過去の障害の発生時期や影響範囲、復旧までの経緯を確認できると、対応の姿勢を知る手がかりになります。
公開されていない場合は、契約前の問い合わせで直近の状況や対応の考え方を質問してみましょう。あわせて、計画的なメンテナンスの時間帯と事前告知の期間も確認しておくと、自社の繁忙期と重なる可能性を把握できます。管理者へ通知が届く仕組みがあるかも確かめておきましょう。
停止時の代替手段の準備
ツールが使えない時間帯に確認が必要になった場合、どう対応するかを決めておくと業務が止まりにくくなります。手続きを一時的に保留する運用にするのか、別の手段で確認するのかを事前に整理しておきましょう。
公開されている情報を自社で確認する手順を用意しておく方法もあります。ただし調べ方によって確認できる範囲が変わるため、代替の手順で行った確認をどう記録するかもあわせて定めておく必要があります。手順は文書にまとめ、担当者が参照できる場所に置いておきましょう。復旧後に改めてツールで確認し直す運用にしておくと、記録の一貫性を保てます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で反社チェックツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
取引先データの取り扱いの確認
反社チェックツールには、確認した取引先の名称や関係者の情報を登録します。取引先から預かった情報を扱う場面もあるため、取り扱いの条件は確認しておく必要があります。
保存されるデータの範囲
まず、システム上にどのようなデータが保存されるかを整理しましょう。照会した名称、実施した日時、担当者、判定の結果、モニタリングの対象として登録した一覧などが含まれる場合があります。
個人情報にあたる項目が含まれるかは、社内の規程に照らして判断する必要があります。データの保存場所、保存される期間、契約終了後の扱いを契約前に確認し、管理部門や法務の担当と共有しておきましょう。取引先との契約で情報の取り扱いに条件がある場合は、その内容も照らし合わせておくことが求められます。
対策状況と認証の確認
通信の暗号化、アクセス権限の設定、操作記録の保存といった機能が用意されているかを確認します。機能の有無だけでなく、自社で設定を管理できるかもあわせて見ておきましょう。
第三者機関の認証を取得しているかも判断材料の一つです。ただし認証の対象範囲は組織全体の場合とサービス単位の場合があり、内容は一律ではありません。取得している認証の名称、対象範囲、更新の状況まで確認すると実態に近い理解ができます。不明な点は情報システム部門とあわせて確かめましょう。
提供の継続性と評判の読み取り方
導入した製品が将来も提供され続けるかを見通すことは難しいものです。確認できる範囲を押さえたうえで、公開されている評価をどう受け止めるかも整理しておきましょう。
提供終了に備えた確認事項
提供の継続性を判断する材料としては、機能の更新が続いているか、サポート情報が新しい状態に保たれているか、参照する情報源との契約が維持される見込みかといった点が挙げられます。一つだけでは判断できないため、複数を組み合わせて確かめましょう。
あわせて、契約書に記載された提供終了時の取り決めも確認します。蓄積した確認記録を出力できる形式と、契約終了後に取り出せる期間を把握しておくと、移行が必要になった場合の負担を見積もれます。定期的に記録を出力して社内に保管する運用も検討しておきましょう。
実績数値の前提の確認
導入実績として示される数値は、集計の対象範囲や期間の取り方がベンダーによって異なります。累計で数えているのか現在の契約数なのかによって意味は変わります。
数値の大小だけで判断せず、どのような条件で集計されたものかを確認しましょう。自社と近い規模や業種での利用があるかを個別に問い合わせるほうが、判断には役立ちます。事例の紹介を依頼し、確認の頻度や社内での運用体制を聞ければ、より具体的な比較ができます。
口コミ情報の扱い方
利用者の評価には、良い内容と厳しい内容の両方が含まれます。厳しい評価を見ると不安になりますが、内容を読むと自社には当てはまらない条件のものも含まれています。
確認したいのは、その評価がどの機能や場面に関するものか、投稿された時期はいつかという点です。時間が経った評価は、その後の改善で状況が変わっている可能性があります。自社の利用条件に近い意見を選んで参考にし、気になる内容はベンダーへ直接確認するとよいでしょう。複数の情報源を組み合わせて総合的に判断することで、一つの評価に引きずられる状況を避けられます。
情報源と記録の残し方を確認できるツール
信頼性を判断する材料になるのは、参照している情報の範囲と、確認した記録をどこまで残せるかです。その点を確かめやすいツールを紹介します。
Risk Analyze
- 国内最大級の約900カ所からリスク情報をデータベース化
- 誰でも簡単に反社・コンプライアンスチェック
- 1000件の検索も約1分で完了、コストと手間の大幅な削減
KYCコンサルティング株式会社が提供する「Risk Analyze」は、インターネット経由で利用するSaaS型のツールです。公知情報をもとに、反社会的勢力との関係や犯罪、不祥事への関与を確認します。参照する情報には新聞やインターネットのニュース記事、行政処分情報、訴訟歴、風評情報に加え、240以上の国と地域に対応した海外のリスク情報が含まれます。国立大学と共同開発したAIが公知情報を自動で収集する仕組みを備えています。検索履歴はクラウド上に自動保存され、CSVやPDFの形式で書き出せます。
反社チェックヒートマップ
- 反社チェックを高度化・迅速化し、与信チェックまで実行可能
- ヒートマップ表示でリスクの高低を直感的に可視化
- 反社警戒情報・行政処分情報などを網羅し、誰でも判断できる設計
リスクモンスター株式会社が提供する「反社チェックヒートマップ」は、与信判断と反社チェックを同時に行えるサービスです。参照する情報には新聞記事の検索、AIによるネット記事の検索、訴訟情報、行政処分情報、反社警戒情報といった独自のデータベースが含まれます。確認したリスク情報はクラウドへ自動で保存され、PDFファイルとして出力できます。別途モニタリングの登録を行うと、該当する企業の訴訟情報などをメールで知らせるアラームメールの送信にも対応します。
RISK EYES(リスクアイズ)
- 関係のない情報がフィルタリングされた記事データベースを提供
- 余計な工数を省ける多彩な機能で手間を92.5%削減
- 記事検索の前に注意すべき相手をすぐに発見できる独自DB検索も!
ソーシャルワイヤー株式会社が提供する「RISK EYES(リスクアイズ)」は、公知情報を用いて、取引先の反社会的勢力との関係や不祥事の有無を確認するサービスです。新聞記事やWEBニュース記事に加え、風評に対応するブログや掲示板、海外取引に対応する制裁リストを参照します。独自に構築した公知情報のデータベースにより、不要な情報を可能な限り除いたうえで結果を示します。検索履歴が自動で保存され、いつ誰がどのような検索を行い、どう判断したかを証跡として管理できます。
日経リスク&コンプライアンス (株式会社日本経済新聞社)
- 国内外のリスク情報を網羅的にスクリーニング提供
- 法規制や取引先リスクの監視・評価を支援
- コンプライアンスチェックを効率化
ホライズンリスクチェッカー (ホライズンテクノロジー株式会社)
- 多様な情報源から自動収集されたデータを活用。
- 生成AIで従来見逃しがちな文脈やニュアンスも捉える高精度判定。
- AI判定ロジックをカスタマイズ可能。
まとめ
反社チェックツールの信頼性は、参照する情報源と更新の体制、稼働状況、データの取り扱い、提供の継続性という順で確認していくと整理できます。すべてを事前に見通すことはできませんが、確認できる項目を並べ、停止時の代替手段や判断の手順を社内で定めておくことで不安は和らげられます。気になる製品があれば、資料請求で条件を確かめて比較検討を進めてみてください。

