業務可視化ツールのメリット
業務可視化ツールのメリットを見ていきましょう。
人事評価を平等に行うことができる
データを用いない従来の手法では、人事評価が担当者の主観に左右されてしまう可能性がありました。結果を出していなくても、長時間働いているというだけで高い評価が与えられかねません。このように不平等な人事評価を行ってしまうと、不満を持つ社員が出てきます。職場環境の悪化にもつながるでしょう。
業務可視化ツールは、社員の業務データを自動で集計できます。その結果、正式な業務の時間や内容が可視化され、人事評価を平等に行えます。
業務パフォーマンスを可視化して改善点を把握できる
業務パフォーマンスとは、時間あたりの成果を指す言葉です。1つの業務を遂行するまでにかかる時間が短く、内容の質が高いほど業務パフォーマンスが優れていると言えます。上層部は現場がどのように業務を進めているのかが分かりづらく、改善点を把握するのは難しいです。業務可視化ツールには社員の操作ログを確認できる機能が搭載されています。これにより、業務にかかる時間や作業の進め方が可視化され、改善点を把握することが可能です。それぞれの社員が抱えるタスクの多さを考慮して仕事を割り振るなど、業務の最適化につなげられます。
部署間の連携やコミュニケーションを促進できる
他部署の状況や業務は把握しづらいです。そこで業務可視化ツールを導入すると、他部署の状況がすぐに分かるようになります。その結果、部署間で連携する機会が増え、コミュニケーションが促進されます。繁忙期の増員要請をしやすくなったり、新商品のヒントを得やすくなったりするなど、生産性の向上に役立てられるでしょう
業務の標準化につながる
業務の標準化とは、企業の社員だれもが同じ業務をできるようにすることです。
特定の社員しかできない業務がある状態はリスクがあります。なぜならその社員が休職や退職をしたときに、業務をこなせる人がいなくなるからです。また、その社員がミスをしても他の社員からは分からないため、事態が深刻化する可能性もあります。業務可視化ツールを導入すると、特定の業務の内容や流れが明らかになり、他の社員が学べる機会を作れます。マニュアルを作成して、社員全員に共有することも可能です。その結果、社員だれもが同じ業務をできるようになり、負担の軽減や失敗の迅速なリカバリーにつなげられます。
業務可視化ツールのデメリット
続いて、業務可視化ツールのデメリットを解説します。
導入には時間と費用がかかる
業務可視化ツールの導入にはマニュアルが必要です。「仕事Aは1時間で終わらせる」など記載したマニュアルを作成し、仕事の基準を決めなくてはいけません。業務量が多くマニュアルが存在しない企業の場合は、作成に時間と手間がかかってしまいます。
また、業務可視化ツールは企業全体で利用するシステムのため費用が高額です。クラウド版は毎月使用料を支払わなくてはいけません。買い切り版は高額な初期費用がかかります。また社員数によっても費用は変動します。
業務可視化ツールを導入する際は、前もって計画と予算を組んでおきましょう。
社員がストレスを感じる可能性がある
業務可視化ツールを導入すると、社員が進めている業務の内容や量が明らかになります。しかし社員からすると業務を監視されているように感じるでしょう。また、マニュアルに記載されていること以外ができず新たなチャレンジが難しい雰囲気になると、窮屈さを覚えてしまいます。こういった状況が社員のストレスになる可能性があります。
業務可視化ツールの注意点
業務可視化ツールを導入する際は、前もって利用目的を社員に周知しておくべきです。
目的を周知せず導入してしまうと、現場の混乱を招きます。さらに、社員を監視することになるので不信感を与えかねません。不安があると業務可視化ツールを利用してもらえず導入費用が無駄になりかねません。それだけでなく、離職する社員が出てくる可能性もあります。
メリットを押さえて業務可視化ツールの導入を検討しよう!
業務可視化ツールを導入すると、下記のメリットが期待できます。
- 平等な人事評価
- 改善点の把握
- 部署を超えたコミュニケーションの促進
- 業務の標準化
しかし導入には費用がかかり、社員にストレスや不信感を与えてしまう可能性もあります。導入する際はあらかじめ社員に利用目的を伝え、納得してもらう必要があります。メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、導入を検討してみてはいかがでしょうか。