クラウド構築サービスに求められる機能を整理する
クラウド構築サービスは、構築時の機能と運用開始後の機能に分けて整理すると比較しやすくなります。自社が必要とする機能を明確にしたうえで、対応範囲を確認することが選定のポイントです。
構築フェーズで確認したい機能
構築フェーズでは、要件定義の支援やインフラ設計、既存システムからの移行作業など、複数の工程が含まれます。どこまでの工程を委託できるかは、サービスによって異なります。
特に、自社に専門知識を持つ担当者が少ない場合は、要件定義の段階から支援してもらえるかどうかが重要な確認項目になります。構築フェーズの各工程がどのように分担されるのか、契約前に具体的な作業範囲を確認しておくことが望ましいとされています。
運用フェーズで確認したい機能
運用フェーズでは、システムの監視や障害対応、コストの見直し提案など、構築後も継続的に関わる機能が求められます。構築だけで契約が終わるサービスと、運用まで一貫して対応するサービスがあるため、契約範囲を確認することが重要です。
また、運用フェーズの機能は、トラブル発生時にどこまで迅速に対応してもらえるかによって、実際の使い勝手が大きく変わります。過去の対応事例や、対応時間の目安について具体的に質問しておくと、運用開始後の安心材料になります。
要件定義・インフラ設計を支援する機能
クラウド構築の初期段階では、要件定義とインフラ設計が重要な工程になります。この段階での支援内容によって、その後の構築の精度が変わります。
要件定義支援の視点
要件定義支援では、自社の業務内容やシステム利用状況をヒアリングし、必要な機能や構成を整理する工程が含まれます。専門知識がない担当者でも、分かりやすい言葉で要件を整理してもらえるかが重要な確認項目です。
要件定義が不十分なまま構築を進めると、後から機能不足が判明し、追加のカスタマイズが必要になる場合があります。ヒアリングの回数や、要件定義書としてまとめてもらえる資料の有無についても、事前に確認しておくとよいでしょう。
インフラ設計に関する視点
インフラ設計では、サーバー構成やネットワーク設計、アクセス集中時の負荷分散などが検討されます。自社の利用状況にあわせた設計提案をしてもらえるかどうかが選定のポイントです。
また、インフラ設計は一度決めたら終わりではなく、事業の成長にあわせて見直しが必要になる場合があります。設計変更にどの程度柔軟に対応できるか、変更時の費用感についてもあわせて確認しておくと、将来的な拡張がしやすくなります。
移行作業・セキュリティ設定を代行する機能
既存システムからの移行や、セキュリティ設定は専門知識が必要な工程です。どこまで代行してもらえるかによって、社内の負担が大きく変わります。
移行作業代行の視点
オンプレミス環境からクラウドへの移行では、既存データの移行方法や移行中の業務影響を最小限に抑える工夫が求められます。移行作業をどこまで代行してもらえるか、移行スケジュールの調整に柔軟に対応してもらえるかを確認することが重要です。
移行作業中にトラブルが発生した場合の対応体制についても、事前に確認しておくと安心です。移行前にテスト環境で動作確認を行えるサービスであれば、本番移行時のリスクを抑えやすくなります。あわせて、移行後に不具合が見つかった場合の切り戻し手順についても確認しておくと、想定外のトラブルにも落ち着いて対応しやすくなります。
セキュリティ設定対応の視点
セキュリティ設定は、アクセス権限の管理や通信の暗号化など、専門知識が求められる領域です。初期構築時にどこまでセキュリティ設定を代行してもらえるかを確認することが重要です。
また、セキュリティ設定は構築時だけでなく、運用開始後も定期的な見直しが必要になります。設定内容の変更履歴を確認できる仕組みがあるか、定期的な見直しの提案を受けられるかについても確認しておくとよいでしょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウド構築の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
構築後の運用保守に関する機能
クラウド構築後は、システムを安定して稼働させるための運用保守機能が重要になります。対応範囲を事前に確認しておくことが、運用開始後のトラブルを防ぐ手がかりになります。
運用保守対応の範囲
運用保守には、システムの監視、定期メンテナンス、設定変更への対応などが含まれる場合があります。どこまでの対応が月額費用に含まれ、どこから追加費用が発生するかを明確にしておくことが重要です。
また、運用保守の対応時間帯もサービスによって異なります。平日の日中のみ対応するサービスと、24時間体制で対応するサービスでは、緊急時の対応スピードが異なるため、自社の業務時間帯にあわせて確認しておくとよいでしょう。
障害発生時の対応機能
障害が発生した際に、迅速に検知し、担当者へ通知される仕組みがあるかどうかは重要な確認項目です。通知の方法や、対応開始までの目安時間についても具体的に質問しておくことが望ましいとされています。
あわせて、障害の原因を特定し、再発防止策を提示してもらえるかどうかも確認しておきたい項目です。障害対応の履歴を蓄積し、傾向を分析してもらえるサービスであれば、継続的な安定稼働につながりやすくなります。担当者が変わっても対応品質が落ちないよう、対応マニュアルが整備されているかもあわせて確認しておくと安心です。
コスト最適化を提案する機能
クラウドの費用は利用状況によって変動するため、継続的なコスト最適化の提案を受けられるかどうかも重要な機能のひとつです。
コスト最適化提案の視点
コスト最適化提案では、利用状況を分析し、余剰なリソースがないかを確認したうえで、構成の見直しを提案してもらえるかがポイントになります。定期的なレポート提供に対応しているかを確認することが重要です。
また、コスト削減の提案が、単に安価な構成への変更にとどまらず、自社の業務要件を踏まえたうえでの提案かどうかも見極める必要があります。提案内容の根拠を分かりやすく説明してもらえるサービスであれば、納得したうえで判断しやすくなります。
継続的な見直し機能
クラウドの利用状況は事業の成長やシステムの拡張にあわせて変化するため、一度の最適化で終わらせず、継続的に見直しを行う仕組みがあるかを確認することが重要です。
定期的な見直しの頻度や、見直し時にどのような報告を受けられるかについても、契約前に確認しておくとよいでしょう。継続的な見直しに対応しているサービスであれば、長期的なコスト管理がしやすくなります。
クラウド構築サービスの機能を比較する際の確認方法
複数の機能を比較する際は、機能の有無だけでなく、実際の対応品質や自社との相性を確認することが重要です。
機能の有無だけで判断しない視点
「運用保守に対応している」という表記だけでは、具体的な対応範囲が分かりません。同じ機能名でも、サービスによって対応の深さや範囲が異なる場合があるため、具体的な内容を確認することが重要です。
機能の詳細を確認する際は、実際の対応事例や、トラブル発生時のフローについて質問すると、表面的な機能名だけでは分からない実態を把握しやすくなります。複数社に同じ質問をして、回答内容を比較する方法も有効です。回答が具体的でないベンダーは、実際の対応時にも認識のずれが生じやすい可能性があるため注意が必要です。
自社に必要な機能を整理する方法
クラウド構築サービスを選ぶ前に、自社が必要とする機能を整理しておくことが重要です。すべての機能を求めるのではなく、優先順位をつけて整理することで、比較検討がしやすくなります。
機能の整理には、情報システム部門だけでなく、実際にシステムを利用する現場部門の意見も取り入れることが望ましいとされています。必要な機能を明確にしたうえで複数のサービスに相談し、提案内容を比較する進め方が実行しやすい方法です。優先度の高い機能から段階的に確認していくと、比較検討にかかる時間や社内調整の手間も抑えやすくなります。
要件定義から運用保守まで対応するクラウド構築サービス
要件定義支援やインフラ設計、移行作業、運用保守、コスト最適化提案まで、どこまでの機能に対応しているかを確認しやすいクラウド構築サービスを紹介します。自社が優先したい機能と照らし合わせて比較してみてください。
AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)
- オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境構築に対応
- 一緒に悩み寄り添いながら全国どこでも対面フォロー
- AWS最上位となる「AWSプレミアティアサービスパートナー」を取得
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)」は、AWSを活用したクラウド構築を支援するサービスです。既存システムからの移行作業、サーバーレスを活用したシステム開発、導入後の運用保守までを一貫して依頼でき、必要な工程だけを選んで相談することもできます。
株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス
- AWS環境のみならず、OSやミドルウェアまで含めた対応が可能
- 導入後も24時間365日体制でお客様のAWS環境を有人で運用監視
- 構築のみ、運用のみのご相談でも大歓迎
株式会社ディーネットが提供する「株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス」は、AWSの導入設計から構築、運用までを支援するサービスです。要件のヒアリングからインフラ設計、既存環境からの移行、導入後の監視や運用保守までを相談でき、専門知識を持つ担当者が少ない企業でも進めやすい体制が整っています。
「さくらのクラウド」構築・運用パック
- データ転送無料メリット最大化。予実管理しやすい定額運用を支援
- 夜間休日も緊急対応まで全て代行。実績に基づいたサポートで安心
- 専門知識、いりません。設計から請求の一元化まで丸投げOK
株式会社フューチャースピリッツが提供する「『さくらのクラウド』構築・運用パック」は、さくらのクラウドを活用したシステム構築・運用を支援するサービスです。要件整理から構築、運用保守までをまとめて依頼できるため、機能ごとに個別発注する手間を抑えたい企業に適した構成になっています。
CloudAce (クラウドエース株式会社)
- Google Cloud認定資格エンジニアが多数在籍
- WafCharmでCloud Armorを自動運用。
- 導入1,000社超、GCP Partner of the Yearを7回受賞。
AWS導入支援&構築 (カチシステムプロダクツ株式会社)
- AWS認定資格保有者が多数在籍
- お客様のビジネスに合わせた柔軟な設計
- 導入から運用・保守まで一貫サポート
まとめ
クラウド構築サービスには、要件定義支援やインフラ設計、移行作業代行、セキュリティ設定、運用保守、コスト最適化提案など、確認しておきたい機能があります。機能名だけで判断せず、具体的な対応範囲や実際の対応品質を確認したうえで、自社に必要な機能を優先的に比較することが重要です。資料請求や相談を通じて、自社の課題に合ったサービスを検討してください。


