SEOのキーワード選定とは
SEOのキーワード選定とは、検索上でユーザーに自社ページを見つけてもらうために、適切な検索語句を見極めて活用するプロセスです。そもそもSEOとは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、検索結果で上位表示されるための施策全般を指します。
SEOキーワードの種類と特徴
- ■ビッグキーワード
- 検索ボリュームが非常に大きく、競合性も高い単語。例えば、「転職」や「保険」など。集客力はあるが、上位表示には時間と施策が多く必要。
- ■ミドルキーワード
- ビッグキーワードよりは具体性があり、検索ボリュームと競合のバランスが取れているが、競合も一定数いる。SEO次第では上位表示の実現性もあり、コンバージョンにもつながりやすい。
- ■ロングテールキーワード
- 3語以上で構成されるニッチで具体的な検索語句。例えば、「転職 30代 未経験 エンジニア」など。検索意図が明確で、見込み客の獲得や成約に直結しやすい。
- ■指名検索キーワード
- 企業名やブランド名を直接検索する語句。例えば、「Bizreach 掲載料金」など。すでに認知されている状態のユーザーが対象で、リピーターやファン、購入検討者が多い。ただし、商標を扱う際には、権利侵害にならないよう、情報の正確性や過度な表現には注意が必要。
- ■ジャンル・カテゴリキーワード
- カテゴリや業種全体を示す広義の語句。例えば、「法人向けツール」や「クラウドサービス」など。情報収集段階のユーザーにリーチしやすく、認知獲得のきっかけとなる。
- ■地域名キーワード
- 地名と組み合わせたローカルSEO向けキーワード。例えば、「新宿 歯医者」や「大阪 コワーキングスペース」など。地域に根ざしたサービスや実店舗ビジネスとの相性が良く、意図が明確。
- ■悩み・質問キーワード
- 「~したい」・「~できない」・「おすすめ」など、ユーザーの悩みや疑問を含む語句。検索意図が明確で、コンテンツとのマッチング精度が高くなりやすい。
SEOキーワードを選定する重要性
SEOキーワードを適切に選定することで、検索意図に合致した質の高いユーザーを集めやすくなります。結果として、流入が増え、成約や問い合わせといったコンバージョンにもつながるでしょう。
また、キーワードはサイト構成やページ設計の軸になるため、サイト全体の設計にも関わります。中長期的にSEOの効果を高めるには、キーワード選定の精度を上げることが鍵になります。
SEOキーワードに関連した用語解説
SEOのキーワード選定に取り組む際は、関連用語の理解も欠かせません。基本的な用語を押さえることで、選定作業をスムーズに進められます。
用語 | 意味・ポイント |
---|---|
共起語 | 特定のキーワードと同時に文章内でよく使われる語句。自然な文章構成やSEO評価向上に役立つ。 |
サジェストキーワード | GoogleやBingの検索窓に文字を入力した時に自動的に表示される候補ワード。実際のユーザー需要や検索傾向を反映しており、キーワード選定に有効。 |
Know / Do / Go / Buyクエリ | ユーザーの検索意図を4つに分類したもの。Knowは調べはじめで選択肢を知るクエリ。Doは具体的なやり方を調べるクエリ。Goは特定の場所やサイトを指名検索するクエリ。Buyは購入や申し込み、比較検討をするクエリ。 |
CTR(クリック率) | 検索結果ページでの表示回数に対して、何%クリックされたかを示す指標。タイトル・ディスクリプションの設計が影響する。 |
SEOキーワードに関連する用語には、似ているようで大きく意味の異なるものもあります。以下の表は、特に混同されやすい用語の違いです。
用語1 | 用語2 | 意味の違い |
---|---|---|
キーワード | 検索クエリ | キーワードは、検索を想定した語句。検索クエリは、ユーザーの入力内容そのもの。 |
関連キーワード | 共起語 | 関連キーワードは、関連するほかの検索されやすいワード。共起語は、実際に一緒に使われやすい語句。 |
ビッグキーワード | ロングテールキーワード | 前者はボリューム重視。後者はコンバージョンや具体性重視。 |
SEOキーワード | コンテンツキーワード | 前者は検索上での集客が目的。後者は内容を考えるうえでの軸になるキーワード。 |
【手順】SEOキーワード選定のやり方
キーワード選定のやり方は、以下のステップで行われることが多いです。各ステップの詳細は、以下で説明していきます。
- 1.ユーザー像を具体化する
- 2.キーワードの候補を広げる
- 3.ツールで狙うべきキーワードを見極める
- 4.キーワードを目的別にグループ化する
- 5.成果に直結するキーワードから着手する
ユーザー像を具体化する
はじめに、誰に向けたコンテンツなのかを明確にする必要があります。年齢や職業、抱える課題、検索するタイミングなどを具体化し、検索行動の傾向をつかみます。ペルソナの設定もユーザー像を把握するうえで大切です。
こうした情報をもとに、検索時に使われそうな語句や疑問点を整理することで、適切なキーワード候補が見えてきます。
キーワードの候補を広げる
次に、考えられる関連キーワードを幅広くリストアップします。ジャンルやテーマに対してどのような言葉が使われているかを洗い出すことが重要です。
また、上位表示されているページを実際に検索し、タイトルや構成、内容を分析することで、どのような意図に応えているかを読み取ることもできます。
ツールで狙うべきキーワードを見極める
リストアップした候補の中から、検索ボリュームや季節性、難易度などをもとに、優先すべきキーワードを絞り込みます。無料・有料ツールを活用することで、データにもとづいた判断が可能です。
検索ボリュームが適度で競合が少ないキーワードを狙うことで、効率的に上位表示を目指せるでしょう。また、関連キーワード取得ツールやサジェスト機能を利用すれば、ユーザーが実際に検索している表現や疑問を把握できます。
キーワードを目的別にグループ化する
抽出したキーワードは、目的や特徴に応じてグループ化します。例えば、ビッグ・ミドル・ロングテールの3種類にキーワードを分けて管理すると、施策の計画を立てやすくなります。
さらに、検索意図や購買フェーズごとに分類すれば、コンテンツの種類や導線設計も最適化でき、成果に直結しやすいキーワードが見つかるでしょう。
成果に直結するキーワードから着手する
リソースには限りがあるため、まずは成果が見込めるキーワードから対策を始めるのが効果的です。コンバージョンに近いと考えられる語句から優先的に取り組みましょう。
あわせて、時期や難易度、自社の強みに応じた配信計画を整理し、継続的に運用できる体制を整えることもポイントです。
SEOキーワード選定のポイント
キーワードをただ集めるだけでは十分とはいえません。検索意図の把握や競合との違い、自社の強みの理解を踏まえ、キーワードの「質」を高めることが重要です。
検索意図の把握
検索される背景には「調べたい」「比較したい」「購入したい」などの目的があります。こうした検索意図に応じたキーワードを選ぶことで、コンバージョンにつながりやすくなります。例えば、「保険 おすすめ」と「クラウドサービスとは」では、製品やサービスを知りたいのかや、言葉の意味を知りたいのかなど、ユーザーのニーズがまったく異なります。
ユーザーが求めている情報を考慮し、キーワードを適切に選びましょう。
競合分析
競合サイトがどのようなキーワードを対策しているかを確認し、自社との違いを整理しましょう。差別化できる領域が明確になれば、独自性のあるコンテンツを展開できます。それだけでなく、上位表示されている記事の構成や語句も、読まれるコンテンツづくりのヒントになります。
自社分析
いくらキーワードを選んでも、自社の商品やサービスと関連性がなければ意味がありません。まずは、自社が提供できる価値とは何かを分析し、SEOキーワードと関わりのある要素を整理しましょう。3C分析やVRIO分析、4P分析といったフレームワークを活用することで、自社の立ち位置や強みを客観的に把握できます。
ユーザーの視点に立つ
キーワード選定では、自社の業界用語にとらわれず、ユーザーの知識レベルに寄り添った語句を選ぶことが重要です。検索者の視点で考える姿勢をもつとよいでしょう。自社の共通認識ではなく、検索者が実際に使う表現を想定することで、よりニーズにあった集客が可能になります。
SEOキーワード選定の注意事項
キーワード選定には陥りやすい落とし穴もあります。効率的な運用のためには、適切な運用方針や定期的な見直しを意識することが大切です。
- ■1コンテンツ1キーワード
- 複数のキーワードを一つのコンテンツに詰め込むと、主張が分散してしまいます。検索エンジンからの評価が下がるおそれがあるため、テーマごとに分けるのが理想的です。また、似た内容を複数のコンテンツで扱うとカニバリゼーションが起き、検索順位にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- ■定期的な見直しが必要
- 検索ニーズやトレンドは時間とともに変化するため、キーワードの定期的な見直しが欠かせません。初期は順位が良くても、検索されなくなるケースもあります。例えば、AIや生成系の技術では数年単位で検索語句が大きく変化しており、こういったものに対応する柔軟な運用が求められます。
SEOキーワード選定にはツールの活用がおすすめ
SEOキーワード選定の注意事項に留意し、手順やポイントを押さえながらコンテンツを制作するには、手間と時間がかかる場合があります。すべてを手動で行うのではなく、キーワード選定にツールを活用するなど、過程の一部を効率化するとキーワード選定の精度を向上させやすくなります。
例えば、検索ボリュームの調査や競合分析など、多くの場面でも役立てられるでしょう。どのステップでどのツールが使えるのかを知ることで、選定作業を無駄なく進められます。
【無料あり】SEOキーワード選定におすすめのツール
ここでは実際にSEOキーワード選定に活用できるツールを4つ紹介します。無料で使えるものもあるため、まずは試してみたいという方にもおすすめです。
Keywordmap
- Webサイトへの流入数増加!問い合わせ数や売上増加を実現
- 定量データに基づく調査分析で、誰でもWebマーケ打ち手が明確に
- 市場・競合調査等の作業時間を削減、SEO戦略やPDCA時間を増加
株式会社CINCが提供する「Keywordmap」は、定量データに基づいてSEO戦略を立てられるWebマーケティング支援ツールです。対象サイトの検索流入キーワードや競合ドメイン、貢献ページなどを簡単に可視化できます。SEM領域における圧倒的なデータ量を活かした網羅的な競合分析と、50以上の豊富な機能を備えている点が強みです。
Googleキーワードプランナー
Google合同会社が提供する「キーワードプランナー」は、広告運用やSEO対策に役立つキーワード調査ツールです。指定した語句に関連するキーワードや、それぞれの検索ボリューム、競合性、入札単価の目安などを確認できます。Google広告との連携性が強みで、無料で基本機能を利用できる点も、導入のハードルを低くしています。
ラッコキーワード
ラッコ株式会社が提供する「ラッコキーワード」は、サジェストキーワードや関連語を簡単に収集できる無料のキーワードリサーチツールです。入力したキーワードに関連する検索語をGoogleやYouTubeなどの媒体ごとに一覧で表示できます。検索意図の把握やロングテールキーワードの発見に強みをもち、コンテンツ設計の初期段階に役立ちます。
SEMrush
SEMrush Inc.が提供する「SEMrush(セムラッシュ)」は、SEO・広告・SNS分析など多機能を備えたオールインワンのWebマーケティングツールです。キーワード調査や競合分析、コンテンツ最適化、サイト監査まで幅広く対応できます。競合サイトの上位キーワードや広告出稿状況の可視化に強みをもち、グローバルなSEO戦略にも対応可能です。
まとめ
SEOキーワード選定は、検索意図に合致した集客と成果の最大化を実現するための土台です。種類や選び方のポイントを理解し、適切な手順とツールを活用することで、戦略的なコンテンツ運用が可能になります。継続的な見直しと改善を行いながら、効果的なSEO施策を展開しましょう。
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