研修映像をスマホで何度も見られる効果は高い A社
全国展開で店舗営業を営むA社では、今までは各店舗に新人研修用のDVDを配っていたが、昨年からmoodleでの動画配信へ移行した。それによりスタッフはスマホから研修用動画が見られるようになる。
「DVDのときだと、スタッフは休日に見ていました。でも、今はスマホから視聴できるので、会社の行きかえりなどすき間の時間を利用して見ています。この違いは大きいです」と教育担当者。
「DVDと違って誰が見たか? 見ていないか? 管理できるのも魅力です」
動画教材が学習管理システム上にあるために、スタッフの受講履歴がとれるからだ。ちなみに期限までに、動画教材を見ていない人は、教育部から各店舗の店長へ連絡され、そこで注意されるという。
教材の中でも「クレジットについての学習」は特に効果的だったという。
「お客さまとクレジット契約をする際、記載ミスがあると、契約の決まったお客さまでも再度のやりとりが発生するため、キャンセルされました。それがスマホで手軽にクレジットでの手続きが見らえるためミスが格段に減りました」
確かにDVDとスマホで見られる動画だと、気軽に繰り返し見られる、という点で違いがある。
片や場所を選び、片やすき間時間さえあれば反復できる差は大きく、新入社員の教育に効果的だったという。
同社では現在、接客、機器、技術、法律、商品説明などの動画を制作中という。
反転授業でMoodleを利用 B校
中学校、高等学校での導入事例だ。目的は反転授業の導入------。
反転授業について少し説明すると、動画などを使って、教室で受けていた講義をMoodleを通して自宅で行い、自宅で行っていた宿題を逆に教室で行うものだ。利点は理解度が違う生徒がオンライン動画なので、自分のペースで学べ、翌日、わからないところを教室で先生などへ聞ける点だ。つまり、今までと逆なので「反転」授業と呼ばれている。
この学校では、すべての科目で、反転授業がはじまったわけではないが、「授業が楽しくなった」という生徒さんの声を耳にした。
先生の話を聞くだけの一方通行の授業ではなく、生徒が予め動画を見てくることで、さまざまな質問が生まれ、それを各グループで解決していく、という能動的な流れになったのだ。そこでの先生の役割は、教えるというよりファシリテーター役だという。
当校は、今年でMoodle導入2年目となり、先生が自らつくるデジタル教材のラインナップも増え続けている。