ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■業務領域別
- 会計や経理の効率化:MJSLINK DX、InfiniOneERP
- 経営データの分析と判断支援:PROACTIVE
- 人事や申請承認の効率化:unito
- ■AIの提供方法別
- ERPの標準機能に組み込み:unito、PROACTIVE、MJSLINK DX
- AI-OCRなど外部のAIサービスと連携:InfiniOneERP
クラウド型ERPソフトとAIの相性がよい理由
ERP(企業資源計画)は、会計や販売、在庫、人事といった基幹業務のデータを統合して管理するシステムです。クラウド型ERPソフトはインターネット経由で利用するため、AI機能の追加や部門をまたぐデータの活用と組み合わせやすい特徴があります。
部門をまたぐデータが一か所に集まる
AIが役立つ分析を行うには、関連するデータがそろっていることが前提です。部門ごとに別々のシステムを使っている場合、販売の実績と在庫の推移、会計の数値を突き合わせるには、データの抽出や加工の手間がかかります。
ERPでは各部門のデータが共通の基盤に蓄積されるため、AIが複数の業務データを横断して分析しやすくなります。受注の動きから在庫の過不足を予測し、資金繰りへの影響まで見通すといった活用が考えられます。
アップデートでAI機能が追加される
クラウド型ERPソフトは、提供会社が定期的にシステムを更新する仕組みです。新しいAI機能が開発されると、自社でサーバの入れ替えや大規模な改修を行わなくても、アップデートによって利用できる場合があります。
一方で、更新のタイミングを自社で選べない製品もあり、画面や操作が変わることで現場が戸惑うおそれがあります。更新内容の事前告知の方法や、新機能を有効にするかどうかを選べるかも、あわせて確認しておくと安心です。
業務領域別に見るクラウド型ERPソフトのAI活用
クラウド型ERPソフトのAI機能は、業務領域ごとに役割が異なります。自社で負担の大きい業務がどこにあるかを把握しておくと、必要なAI機能を見極めやすくなります。ここでは3つの業務領域に分けて、代表的な活用例を見ていきましょう。
会計や経理での仕訳と照合の補助
会計や経理の領域では、取引の内容から勘定科目を推定して仕訳の候補を示す機能や、入金データと請求データを照らし合わせる消込作業の補助にAIが使われます。過去の処理の傾向を学習し、担当者の確認作業を減らすことが目的です。
AI-OCR(AIを活用した文字認識)で請求書や領収書を読み取り、入力の手間を減らす機能を組み合わせる製品もあります。ただし、推定された仕訳には誤りが含まれる可能性があるため、承認の前に担当者が確認する流れは残しておきましょう。
販売や在庫での需要予測
販売や在庫の領域では、過去の受注実績や季節の変動から将来の需要を予測し、発注量や生産計画の検討に役立てる使い方があります。欠品や過剰在庫を減らす判断材料として活用されます。
予測の精度は、蓄積された販売データの期間や商品の特性に左右されます。新商品や販売実績の少ない商品は予測の材料が少ないため、担当者の知見で補う必要があります。キャンペーンや取引先の動きなど、データに表れない情報も加味して判断しましょう。
人事や申請承認での入力と問い合わせの補助
人事や申請承認の領域では、経費精算や各種申請の内容をAIがチェックし、規程に反する可能性のある項目を知らせる機能が見られます。承認者が確認すべきポイントが絞られ、差し戻しの手間を減らすことにつながります。
社内規程や手続きに関する従業員の質問に、生成AIを使ったチャットボットが回答する使い方もあります。ただし、回答の根拠となる規程やマニュアルが古いままでは誤った案内につながるため、元データの更新と回答内容の点検を続けることが大切です。
AI活用で起こりうる課題と対策
AI機能は業務の効率化に役立つ一方で、データの状態や運用の仕方によっては期待した効果が得られない場合があります。導入後に慌てないよう、起こりうる課題とその対策を事前に把握しておきましょう。
マスタデータの不整合が結果をゆがめる
取引先や商品、勘定科目などの基本情報をまとめたマスタデータに重複や表記の揺れがあると、AIの分析結果がゆがむ可能性があります。同じ取引先が別の名称で登録されていれば、取引実績が分散して正しく評価しにくくなります。
既存システムからERPへ移行する際は、マスタデータの重複削除や表記の統一を計画に組み込みましょう。移行後も、マスタの登録や変更を担当する部署と承認の流れを決めておくと、データの品質を保ちやすくなります。
AIの提案と業務判断を切り分ける
AIが示す仕訳の候補や需要予測は、過去のデータから導いた提案です。提案を採用するかどうかは担当者が判断するものと位置づけ、その線引きを社内で共有しておく必要があります。
確認の工程を省くと、誤った仕訳や発注が後工程に流れ、修正の手間が大きくなるおそれがあります。どの業務でAIの提案を参考にし、誰が最終承認するのかを業務マニュアルに明記しておきましょう。
内部統制と監査への対応を考える
上場企業では、財務報告に関わる内部統制の整備と評価が求められます。AIが処理に関わる業務では、誰がいつどの提案を承認したのかを後から確認できる状態にしておくことが重要です。
操作履歴や承認履歴が残るか、AIの提案を人が修正した記録を確認できるかを、製品選定の段階で確かめましょう。監査法人や社内の内部監査部門と、AIを使う業務の統制方法について事前に相談しておくと、導入後の対応がスムーズです。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でERP クラウドの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
AI機能を比べるときの確認事項
クラウド型ERPソフトのAI機能は、提供のされ方や料金、データの扱いが製品ごとに異なります。「AI搭載」という表記だけで判断せず、自社の業務や情報管理のルールにあうかを具体的な項目で比べることが大切です。
標準機能か外部AIとの連携か
AI機能の提供方法には、ERPの標準機能として組み込まれている形と、外部のAIサービスと連携して使う形があります。標準機能であれば画面や操作が統一されている一方、外部連携では自社が使い慣れたAIサービスを活かせる場合があります。
どちらが自社にあうかは、使いたい業務や社内のIT体制によって異なります。外部連携の場合は、連携の設定を誰が担うのか、追加の契約が必要かもあわせて確認しましょう。
利用料金とAI機能の提供条件
AI機能が使えるのは上位プランのみ、あるいは利用量に応じた追加料金が必要といったように、提供条件は製品によって異なります。導入後に想定外の費用が発生しないよう、AI機能を含めた総額で比べることが重要です。
ユーザー数や処理件数の増加に応じて料金がどう変わるかも確認しておきましょう。料金体系の詳細が公開されていない場合は、資料請求や問い合わせで最新の条件を確かめてください。
データの保存場所と学習への利用
ERPには財務や人事など機密性の高いデータが集まります。AI機能を使う際に、データがどこで処理され、AIの学習に使われるかどうかは優先して確認したい項目です。
データセンターの所在地や、入力したデータを学習に使わない設定の有無、アクセス権限の細かさを比較しましょう。社内の情報セキュリティ規程とあわせて、判断に迷う点は情報システム部門や提供会社に相談すると安心です。
AI活用を段階的に広げる導入の進め方
クラウド型ERPソフトのAI機能は、すべてを一度に使い始めるよりも、効果を確かめながら対象を広げる進め方が現実的です。現場の理解を得ながら定着させるための2つのポイントを紹介します。
効果を測りやすい業務から始める
最初は、処理件数が多く、効果を数値で確かめやすい業務からAI機能を使い始めましょう。例えば、仕訳の入力にかかる時間や、申請の差し戻し件数といった指標を導入前後で比べます。
効果が確認できれば、他部門への展開を検討する際の説得材料となります。中小企業では、限られた人員で運用できる範囲から始めると、現場の負担を抑えながら活用を広げられます。
社内の利用ルールと教育を整える
AI機能を安全に使い続けるには、利用ルールと教育の仕組みが欠かせません。AIの提案を確認する手順や、入力してはいけない情報の範囲を文書にまとめ、関係部署で共有しましょう。
操作方法の説明会や、うまくいった使い方を共有する場を設けると、特定の担当者に知識が偏るのを防げます。提供会社のマニュアルや導入支援の範囲も確認し、社内で対応しきれない部分は相談できる体制を整えておきましょう。
AIを活用できるクラウド型ERPの比較表
この記事で紹介するクラウド型ERPを、AIの活用場面と特徴で一覧にしました。会計、人事、経営分析など、AIを取り入れたい業務領域から比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| unito | 人事・給与・勤怠・販売・経費を一元管理するAI駆動ERP。就業規則などの規程をもとにAIが設定案を作成する |
| PROACTIVE | 会計・人事給与・販売・生産管理をカバーするAIネイティブERP。AIダッシュボードやAI分析基盤で経営判断を支援する |
| MJSLINK DX | 中堅・中小企業向けERP。AI仕訳で仕訳作成を自動化でき、Microsoft Azure環境を利用してクラウドでも使える |
| InfiniOneERP | 会計・販売・生産・人事などを統合管理するERP。AI-OCR連携で請求書などを自動データ化でき、API連携にも対応 |
| SuperStream-NX | 統合会計や人事・給与管理をそろえたERP。RPAやAI-OCR(請求書対応はオプション)で経理業務の自動化を支援する |
| SAP S/4HANA Cloud | AIや機械学習などの技術を活用し、資産・財務管理からセールス、購買管理まで幅広い業務を支援するERP |
業務領域ごとにAIを生かせるクラウド型ERP
会計の仕訳、人事の初期設定、経営データの分析など、どの領域でAIを使えるかが製品ページで示されているクラウド対応のERPを紹介します。AI機能の対象プランやオプションの有無は、資料請求で確認しましょう。
unito
- 就業規則・給与規程からAIが設定案を作成
- 人事・給与・勤怠・販売・経費を一元管理
- 全機能込みの月額定額・36ヶ月価格据え置き
株式会社Subliminalが提供する「unito」は、従業員100名前後から1000名規模の中堅・中小企業を対象としたAI駆動ERPです。人事・給与・勤怠・販売・経費などの業務を1つのデータベースに統合します。就業規則や給与規程などを読み込ませると、AIが勤務体系や手当、承認フローの設定案を作成し、企業側が内容を確認してから本稼働へ移行する流れです。AIアシスタント「ユナイトン」が未承認の勤怠など対応事項を通知するため、人事や申請承認の業務でAIを使いたい企業に適しています。
PROACTIVE
- 30年以上、7,500社を超える導入実績
- PROACTIVE AIによる、高度な経営判断と業務の効率化・自動化
- AIネイティブな次世代型ERP
SCSK株式会社が提供する「PROACTIVE」は、AIネイティブな次世代型ERPを中核に、会計・人事給与・販売・生産管理などの基幹業務をカバーする製品です。AIダッシュボード「PROACTIVEアナリスト」、AI分析プラットフォーム「PROACTIVE データサイエンティスト」、業務サポートAI「PROACTIVEコンシェルジュ」を用意しています。これらのAI機能で、業務の効率化と経営判断の高度化を支える構成です。業務・業界特化型のオファリングも提供されているため、自社の業種にあわせてAI活用を検討したい企業に向いています。
MJSLINK DX
- 新機能「AI仕訳」で仕訳作成も自動化。業務のスピードアップ実現
- 安定した基盤を利用し、システム維持・管理にかかる負荷を低減
- データ連携・AIでDX推進し、スピード経営と企業価値を向上を実現
株式会社ミロク情報サービスが提供する「MJSLINK DX」は、「AIにより業務の高度化、改革を支援」をコンセプトにした中堅・中小企業向けのERPです。Microsoft Azure環境を利用することでクラウドでも使え、オンプレミスとの選択も可能です。財務大将の新機能「AI仕訳」は人工知能の技術で仕訳作成を自動化し、「MJS AI監査支援」との連携で仕訳データのチェックにも活用できます。会計や経理の業務からAIを取り入れたい企業に適した製品です。
InfiniOneERP (FutureOne株式会社(英文表記: Future One, Inc.))
- AI-OCR連携で請求書などを自動データ化
- 会計・販売・生産・人事など基幹業務を統合管理
- API連携で柔軟なデータ連携が可能
SuperStream-NX (スーパーストリーム株式会社)
- グローバル展開に対応できる機能が多数!
- RPAやAI-OCRで経理業務を自動化!
- 独自の暗号化技術やログ管理でセキュリティも万全!
SAP S/4HANA Cloud (SAPジャパン株式会社)
- 自動化技術と業界ノウハウの組み合わせでマニュアル業務を排除
- データの透明性確保により持続可能性の高い環境を構築
- 有名リサーチ会社による高い評価を獲得
まとめ
クラウド型ERPソフトのAI機能は、部門をまたぐデータを活かし、仕訳と照合の補助や需要予測、申請内容のチェックなどの業務を支えます。一方で、精度はマスタデータの整い方に左右され、AIの提案を採用するかどうかは人が判断する必要があります。提供方法や料金、データの扱いを比べ、効果を測りやすい業務から段階的に活用を広げましょう。まずは資料請求して、自社にあうクラウド型ERPソフトを比較してみてください。

