イベント管理システムに求められる連携性の基本
イベント管理システムは単独で使うよりも、既存の業務システムと連携させることで真価を発揮します。ここでは決済とMAツールという、多くの企業が最初に検討する連携先について整理します。
決済システムとの連携で受付・入金管理を効率化
有料イベントを開催する場合、決済システムとの連携が可能かどうかは重要な確認ポイントです。クレジットカード決済やコンビニ決済に対応したシステムを選べば、参加申込と同時に入金処理を完結できます。個別に照合作業を行う手間を省けるため、事務担当者の入金確認業務も効率化できるでしょう。
特にセミナーやカンファレンスを頻繁に開催する企業では、決済状況が管理画面上でリアルタイムに反映される仕組みが役立ちます。返金対応やキャンセル処理も同じ画面で行えるシステムであれば、複数の担当者間での情報共有もスムーズになります。参加者からの問い合わせにも迅速に対応できるでしょう。例えば、クレジットカード決済とコンビニ決済の両方に対応していれば、参加者の年齢層や利用シーンに応じて支払い方法を選んでもらえます。選択肢が増えることで、申込途中での離脱を減らすことにもつながります。
MAツールとの連携でリード育成を強化
MA(マーケティングオートメーション)ツールと連携できるイベント管理システムを使うと、イベント参加者の行動データをもとにした継続的なアプローチが行えます。申込・来場・アンケート回答といった情報がMAツール側に自動で反映されるため、手作業でのデータ移行が不要です。
例えば、セミナー参加後のフォローメールをMAツール側のシナリオで自動配信したり、参加履歴に応じてスコアリングを行ったりすることが可能です。連携方法にはAPI連携やCSV連携などいくつかの手段があるため、自社が利用しているMAツールとの相性を事前に確認しておくと安心です。連携範囲がリード獲得段階までなのか、その後のナーチャリング施策まで対応できるのかによっても、選ぶべきシステムの候補は変わってきます。
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CRMと連携できるイベント管理システムの選び方
営業活動と連動させたい企業にとって、CRM(顧客関係管理)ツールとの連携も欠かせない要素です。ここでは連携によるメリットと、導入前に確認すべき点を紹介します。
CRM連携で得られる顧客データ活用のメリット
イベント管理システムをCRMと連携させることで、参加者情報が既存の顧客データベースに自動で反映されます。これにより、営業担当者はイベント参加履歴を確認しながら商談を進められるようになり、部署をまたいだ情報共有が容易といえます。
具体的には、展示会やセミナーで獲得した名刺情報をCRM上の既存顧客データと突き合わせ、重複登録を防ぎながら最新の接点情報として蓄積できます。営業とマーケティングの担当者が同じデータを参照できる状態を作ることで、フォロー漏れを防ぎやすくなる点も特徴です。過去のイベント参加履歴を商談前に確認できれば、参加者の関心分野に合わせた提案がしやすくなり、商談の質を高めることにもつながります。
連携時に確認すべき設定のポイント
CRMとの連携を検討する際は、対応しているCRM製品の種類や、連携に必要な項目マッピングの柔軟性を確認することが重要です。標準機能で連携できる範囲と、追加のカスタマイズが必要な範囲を事前に把握しておくと、導入後の手戻りを防げます。
また、連携のタイミングがリアルタイムかバッチ処理かによって、営業現場での使い勝手が変わります。即座に情報を反映させたい場合はリアルタイム連携に対応した製品を、コストを抑えたい場合は定期同期のみの製品を選ぶといった判断基準を持っておくとよいでしょう。加えて、既に利用しているCRMの種類が連携対象製品の一覧に含まれているかどうかも、契約前に必ず確認しておきたいポイントです。
Web会議・配信ツールとの連携でハイブリッド開催に対応
オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド形式のイベントが増える中、配信ツールとの連携性も選定基準の一つです。あわせてAPI連携による拡張性も見ていきます。
Web会議・配信ツールとの連携方法
Web会議ツールや動画配信サービスと連携できるイベント管理システムを選べば、視聴者の申込から視聴URLの発行、当日の出欠管理までを一つの画面で完結できます。オンライン参加者と会場参加者の情報を分けずに管理できる点も利点です。
視聴ログを取得できる仕組みがあれば、どの参加者がどの程度視聴したかを把握でき、その後のフォロー施策に活用できます。配信ツール側の仕様変更に対応したアップデートが継続的に行われているかも、長期的に利用する上で確認しておきたい点です。また、会場参加者とオンライン参加者を同じ管理画面で扱えるかどうかも、当日の運営負担を左右する重要な観点です。
API連携による自社システムとの柔軟な接続
API連携に対応したイベント管理システムであれば、決済・MA・CRM以外の自社独自システムともデータをやり取りできます。標準機能では対応していない連携先がある場合でも、APIを介して開発を行うことで柔軟に対応できる点が特徴です。
APIの仕様が公開されているか、ドキュメントが整備されているかによって開発のしやすさが変わります。社内に開発リソースがない場合は、ノーコードで連携設定を行えるツールと組み合わせる方法も選択肢の一つです。導入前にAPIの利用範囲や利用料金の有無も確認しておくと安心です。取得できるデータの項目数や、呼び出し回数に制限があるかどうかも、運用開始後のトラブルを避けるうえで事前に把握しておく必要があります。
自社に合った製品を比較検討したい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
CSV出力の柔軟性でデータ活用を広げる
他システムとのAPI連携が難しい場合でも、CSV出力機能があれば参加者データを別システムに取り込むことができます。ここでは確認すべきポイントを紹介します。
CSV出力形式の確認ポイント
CSV出力に対応したイベント管理システムを選ぶ際は、出力できる項目の範囲や文字コードの設定が自社の利用環境に合っているかを確認することが大切です。項目を自由にカスタマイズして出力できるシステムであれば、既存の顧客データベースへの取り込み作業がスムーズです。
また、出力タイミングを指定できるか、複数のイベント分をまとめて出力できるかといった点も、運用の手間に直結します。定期的に大量のデータを扱う企業ほど、これらの細かな仕様が業務効率に影響するため、事前にトライアルなどで操作感を確認しておくとよいでしょう。出力できるファイルの文字数上限や、一度に処理できる件数の目安を確認しておくことも、大規模イベントを開催する企業にとっては重要な観点です。
出力データを他システムに活かす方法
CSVで出力した参加者データは、CRMやMAツールへの手動インポートのほか、表計算ソフトでの集計・分析にも活用できます。API連携までは不要でも、定期的なデータ移行の仕組みがあれば十分という企業にとっては現実的な選択肢です。
一方で、手動でのインポート作業は入力ミスや重複登録のリスクを伴います。CSV出力とあわせて、重複データを自動でチェックする機能があるかどうかも確認しておくと、運用時のトラブルを防ぎやすくなります。担当者の異動や引き継ぎがあっても迷わず作業できるよう、出力から取り込みまでの手順をマニュアル化しておくことも運用上の工夫の一つです。
コストを抑えて導入したい場合は、無料で使えるイベント管理システムをまとめた記事も参考になります。
連携先別に見るイベント管理システムの製品例
ここまで解説した決済・CRM・MA・Web会議・API連携それぞれの観点に沿って、実際に連携機能を備えているイベント管理システムを紹介します。自社が重視する連携先との相性を確認する際の参考にしてください。
株式会社シャノンのイベントマーケティングシステム
- リアル・オンラインを組み合わせたハイブリッド形式の開催も対応
- 多くの実績と様々なイベントで培ったノウハウでサポート
- 豊富な機能で会期前から会期後までの業務を効率化
株式会社シャノンが提供する「株式会社シャノンのイベントマーケティングシステム」は、イベントの申込・来場管理で得たリード情報を活用できるシステムです。マーケティングオートメーションから営業活動まで、リード情報を一気通貫で活用できる点が特徴です。SalesforceのSales Cloudやサイボウズのkintone、ソフトブレーンのeセールスマネージャーといったCRM・SFA製品と標準で連携できます。複雑な開発を行うことなく、リアルタイムに双方向でデータを同期できる点も強みです。また、APIが公開されているため、標準連携の対象外となるシステムとも独自に開発してつなぎ込むことが可能です。
EventRegistforHubSpot (イベントレジスト株式会社)
- 基本機能は無料で、有料チケット販売も可能。
- イベント運営を効率化し、手軽に導入可能。
- 要望に応じた開発と既存システム連携。
イベントペイ (株式会社メタップスペイメント)
- セブン-イレブンで紙チケット発券
- 来店・来場管理サービスを提供
- ファストパスサービス対応
Cvent (SaaSpresto株式会社)
- 世界100か国以上で導入され、累計620万件以上のイベントを支援。
- 多様なイベントに対応し、目的に最適な機能を提供。
- 継続施策として活用し、関係構築や商談・人材化へ接続。
まとめ
イベント管理システムの連携性は、決済・MA・CRM・Web会議ツール・API・CSV出力といった観点から総合的に判断することが重要です。自社が既に利用しているツールとの相性を確認し、業務全体の効率化につながるシステムを選ぶことで、イベント運営の負担を軽減できます。連携先ごとに対応範囲や設定方法は異なるため、導入前に各連携方法の仕様を丁寧に確認し、複数の製品を比較したうえで自社に合ったシステムを選定しましょう。

