クラウド型経費精算システム 3つの選定ポイント
選び方その1:法改正や最新テクノロジーに対応しているか
経費精算システムが市場から注目されている理由に「スキャナ保存制度の見直し」があります。平成27年度と28年度に、大きな規制緩和がありました。それまで3万円未満に限られていた領収書の電子保存に金額の制限がなくなり、さらにスマートフォンでの撮影も許可されたのです。これで接待費などの申請を社外から本社に送ることができ、営業担当の負荷を大きく軽減できます。スキャナ保存制度ではタイムスタンプに対応していることが義務づけられていますので、スキャナ保存機能を利用する際には、タイムスタンプ機能の有無も確認することが大切です。
また、経費精算の中で、多くの社員が関わるであろう項目に、交通費精算があります。毎月、多くの社員から紙やエクセル(Excel)で申請があがり、内容の確認やミスのチェックに大きな時間を割いている担当者も多いのではないでしょうか。クラウド型経費精算システムの中には交通系ICカードと連携し、自動で交通費のデータ出力や、定期代の除外などが可能な機能をもつものがあります。このような機能を活用することで、申請や管理の手間を減らすことが可能です。
<ポイント>クラウド型経費精算システムの選定には、法改正にスムーズに対応しているかや、交通費精算のICカード連携に対応しているかどうかを確認しましょう。
出典:国税庁「電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されました」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/03.pdf
選び方その2:経理業務の課題解決になるか
一般的に業務処理をシステム化する際、現状の課題を洗い出しそれらを解決できる製品を選択します。これはクラウド型経費精算システムの選び方でもまったく同じです。
一度、自社の課題を洗い出し、解決するべき優先度を検討しましょう。これにより、自ずと必要な機能や、重視するべきポイントが絞られてきます。参考として、一般的に多くの企業で課題としてあげられる点を紹介しておきましょう。
■脱エクセル 手作業とミスの削減
経費の申請作業をエクセル(Excel)で行うことは、入力に時間がかかり、集計する経理担当者にもミスの発生の可能性が高くなります。月末まで、交通費精算を含めた経費精算の申請を溜めてしまい、慌てて申請をすることで、ミスが発生したことのある社員の方もいらっしゃるのではないでしょうか。申請する側の社員の意見も収集し、現在の申請方法にかかる手間や時間をヒアリングしてみるのもよいのではないでしょうか。
■仮払い手続きや証憑書類の管理業務の負担軽減
企業によっては、仮払い手続きや証憑書類の管理業務が負担になっていることもあります。保管場所や保管期限の順守など見直してみましょう。経費精算をシステム化することで、仮払いや立て替え手続きの手間、領収証などの証憑書類の管理・保管の手間などの処理を軽減できます。
■生産性の向上
経費精算は、社員から申請された内容を確認し、ミスがあれば差し戻しを行いながら、正しいデータを会計システムなどに登録する作業になります。経費精算が集中する時期には、残業が常態化している担当者も多いのではないでしょうか。具体的に、どの時期にどのくらい残業が発生しているかなどを明確にしましょう。
<ポイント>自社の課題を洗い出し、解決するべき優先度を検討しましょう。
選び方その3:関連する経理・会計業務のシステム連携ができるか
経費精算システムの特徴の1つに、経理システムや会計ソフトとの連携があります。経費精算データは経理システムに取り込まれ、給与支払いや、会計上の集計に活用されます。このため、経費精算知るテムだけが独立して使われることはほとんどなく、既存会計ソフトとスムーズに連携できるかが製品選びのポイントとなります。
そのため、会計ソフトの提供会社が経費精算システムを提供していることがあります。現在会計システムを利用しているのであれば、その提供会社に問い合わせているのがよいでしょう。
また、他社会計システムへの連携を保証している製品も多くあります。システムの提供会社に、自社で利用している既存システムに連携しているか、連携している場合にはどのように連携しているかを確認しておきましょう。
連携していない場合も、既存システムの入れ替えも含めて見直すことでトータルのコストや手間も削減削減できる可能性があるので、入れ替え可能なものがないか確認することも大切です。
<ポイント>
クラウド型経費精算システムは、単体で使うことはほとんどありません。既存経理システムや会計ソフトとの連携の可否や、連携の代替手段があるかどうか確認しましょう。
まとめ
以上、クラウド型経費精算システムの選定ポイント3つをまとめました。領収書の管理や、交通費精算の手間が省ければ、より有意義な業務に注力することが可能になりますね。クラウド型経費精算システムは、製品デモや無料でお試し利用ができるものも多くあります。必要な機能や条件がある程度まとまった段階で、自社にあったクラウド型経費精算システムを複数検討してみましょう。