エリアマーケティングツール導入後の4ステップ
エリアマーケティングツール導入後に行うべき4つの作業を解説します。
ステップ1.顧客や店舗の情報を登録する
導入したばかりのエリアマーケティングツールには何の情報も登録されていません。したがって、最初は顧客・店舗の情報登録作業から始めましょう。
顧客情報としては、過去の購買品目やその単価、購買頻度などがあります。さらに、住所のデータがあればマップ上で顧客の住所を視覚的に把握可能です。
一方、店舗情報には自社店舗のほか、ライバル店の所在地、仕入のルートなどがあります。また、店舗ごとの会員登録情報やポイントカード情報も商圏分析に役立つでしょう。
ちなみに、登録したデータはそのままでは活用しづらいことがあります。分析方法に合わせて加工しなければならないケースがあるため、その処理も早めに行っておきましょう。
ステップ2.自社の独自調査データを反映させる
多くのエリアマーケティングツールでは、ツール上で実行するさまざまな分析において国勢調査をはじめとした公的調査のデータを利用できます。加えて、予め組み込まれていないデータも利用できます。そのため、アンケート調査や市場調査をはじめとした自社の保有する調査データをツール上に反映しましょう。
ステップ3.データ更新に合わせて戦略を立てる
多くのツールでは、年間で1〜4回程度の割合で分析において利用されるデータを更新します。そのため、データ更新の直後にマーケティング戦略を立案すると最新のデータに基づいた商圏分析を展開できます。
ツール導入後においては、データ更新のタイミングを考慮したマーケティング戦略の検討スケジュールを設定しましょう。
ステップ4.マーケティング担当者への教育を実施する
商圏分析を行うには統計学や社会心理学をはじめとしたさまざまな専門知識と、店舗経営や営業ノウハウについての深い見識が必要となります。もちろん、ツールへのリテラシーも向上させなければなりません。
そのためツール導入後には、マーケティング担当者を中心に、ユーザーを徹底的に教育していきましょう。ユーザー教育の具体的な方法としては、事例を取り上げた分析シミュレーションを通じて商圏分析の方法を習得させるといったことが考えられます。
エリアマーケティングツール導入後の運用を成功させるコツ
続いて、エリアマーケティングツールの運用を成功させるコツを2つ紹介します。
仮説検証
論理的に導いた仮説が正しいかどうか実際に検証することを、仮説検証と呼びます。たとえば、エリアマーケティングにおいては効果がありそうな販促施策を実施し、その効果を測定・分析する例が該当します。
仮説どおりに物事が進んだのなら問題はありません。しかし、多くの場合は仮説と結果の間にはギャップが生じます。その際、どうしてギャップが生じたのか、自分の考えのどこが間違っていたのかを分析し、次につなげることが大切です。
仮説を立てる際に用いた場所や人、製品、競合店舗などの情報のうち、どこに対する理解が間違っていたのかを明らかにしましょう。この繰り返しによって少しずつ施策を改善し、効果を高められるのが、エリアマーケティングツールの真価と言えます。
選択と集中
エリアマーケティングツールを使い、商圏への理解が進むと、その商圏全体に対して有効な施策を探してしまいがちです。しかし、エリアマーケティングでは広範囲に対する施策よりも、「狭く深く」を意識した施策に注力すべきです。
たとえば、どれほど顧客が多い地域があったとしても、すでに同業他社が手を広げているのであれば、そこで勝利を収めるのは困難です。だからといって、まったく成果が見込めない商圏にアプローチをしても意味がありません。
大切なのは、収集したデータから自社が成果を上げられそうな地域を見つけ出し、そこへのアプローチに専念することです。最小限の負担で大きな成果を目指しましょう。
導入後の4ステップで実益の伴ったエリアマーケティングを!
ITツールは導入後に有効活用してこそ価値を持ちます。エリアマーケティングツールの場合は以下の4ステップで活用しましょう。
- 1.顧客や店舗の情報入力
- 2.自社の独自調査データの入力
- 3.データ更新に合わせた戦略立案
- 4.マーケティング担当者への教育
また、以下のことを意識して運用を成功させましょう。
- ■仮説検証
- ■選択と集中
以上を踏まえ、より多くの利益を目指しましょう。