ワンタイムパスワードの主な機能の全体像
ワンタイムパスワードには複数の発行方式や認証手段があり、製品によって対応している機能の範囲が異なります。自社の利用環境や求めるセキュリティ水準にあわせて、必要な機能を見極めることが重要です。まずは全体像を整理し、次章以降で代表的な機能ごとの特徴を具体的に見ていきます。
| 機能 | 特徴 |
|---|---|
| スマホアプリ発行 | 専用アプリでワンタイムパスワードを生成する方式 |
| SMS認証 | 登録した電話番号にコードを送信する方式 |
| ハードウェアトークン | 専用の物理機器でコードを表示する方式 |
| プッシュ通知承認 | アプリの通知をタップして承認する方式 |
機能ごとに向く利用シーンが異なる理由
スマホアプリでの発行は多くの従業員がすでに所有している端末を活用できる一方、SMS認証は電話番号さえあれば利用できるため、専用アプリを導入しにくい環境でも使いやすい傾向があります。それぞれの方式には長所と注意点があり、自社の環境に合わせて選ぶことが重要です。
機能を比較する際の基本的な視点
機能を比較する際は、セキュリティの強さだけでなく、利用者にとっての使いやすさや、運用側の日々の管理のしやすさもあわせて確認することが有効です。多機能であるほど良いとは限らず、自社に必要な機能を見極めることが重要です。
次の章から、代表的な機能ごとに、特徴と選び方の観点を具体的に見ていきます。
スマホアプリでの発行機能
スマホアプリでワンタイムパスワードを発行する方式は、専用アプリを起動してコードを確認する仕組みで、多くの企業で採用されています。特別な機器を用意せず、既存のスマートフォンで運用できる点が普及の背景にあります。確認したい観点を整理します。
- オフライン環境でも発行できるかを確認する
- 複数端末での利用に対応しているかを確認する
- アプリの操作性を確認する
オフラインでも発行できるという特徴
スマホアプリ型のワンタイムパスワードは、多くの場合、インターネットに接続していない状態でもコードを生成できる仕組みになっています。通信環境が不安定な場所でも利用できる点は、大きな利点です。
契約前に、オフラインでの動作可否を確認しておきましょう。一方で、スマートフォンを紛失したり故障したりした際には、コードを発行できなくなる懸念があります。
複数端末での利用という観点
従業員が複数の端末を使い分けている場合、それぞれの端末でアプリを個別に設定できるかどうかも確認しておきたい観点です。端末の切り替えが多い環境では、設定の引き継ぎがスムーズにできるかが運用のしやすさに影響します。
機種変更の際に、認証設定を引き継ぐ手順が複雑だと、利用者からの問い合わせが増える懸念があります。
SMS認証・ハードウェアトークンという選択肢
専用アプリを導入しにくい環境では、SMS認証やハードウェアトークンが有力な選択肢になります。確認したい観点を整理します。
- ■Q:SMS認証はどのような場合に適していますか?
- 専用アプリのインストールが難しい利用者が多い場合や、電話番号での本人確認を重視する場合に適した方式です。
- ■Q:ハードウェアトークンはどのような場合に選ばれますか?
- スマートフォンの持ち込みが制限されている職場や、セキュリティ要件が特に厳しい部門で選ばれる傾向があります。
SMS認証の特徴と注意点
SMS認証は、登録した電話番号にコードが送信されるため、専用アプリを使い慣れていない利用者でも比較的簡単に利用できます。一方で、電波状況によってはコードの受信が遅れる懸念があるため、業務への影響を考慮しておくことが重要です。
海外出張中など、通信環境が不安定な場面での利用可否もあわせて確認しておきましょう。
ハードウェアトークンの特徴と注意点
ハードウェアトークンは、スマートフォンを利用できない環境でも認証できる点が大きな利点です。専用機器のためネットワーク経由の攻撃を受けにくいという特徴もあります。
一方で、配布や紛失時の再発行に手間がかかる懸念があります。電池切れなど機器自体のトラブルへの対応も、あわせて確認しておく必要があります。
プッシュ通知承認・生体認証との併用
コード入力を省略できるプッシュ通知承認や、生体認証と組み合わせる方式も、利便性を高める機能として注目されています。認証にかかる手間を減らしながら、セキュリティを維持できる点が評価されています。確認したい観点を整理します。
- 通知が届くまでの速さを確認する
- 誤って承認してしまうリスクへの対策を確認する
- 生体認証との併用範囲を確認する
プッシュ通知承認の利便性
プッシュ通知承認は、スマートフォンに届いた通知をタップするだけで認証が完了するため、コードを入力する手間を省ける利点があります。入力の手間が減ることで、利用者の負担を軽減しやすくなります。
特に、頻繁にログインが発生する業務では、この利便性が大きなメリットになります。一方で、通知内容をよく確認せずに承認してしまうと、誤って不正なログイン要求を許可してしまう懸念があります。
生体認証との併用という観点
指紋認証や顔認証とワンタイムパスワードを組み合わせることで、認証の強度を高めつつ、利用者の操作負担を抑えられる場合があります。対応する生体認証の種類は端末によって異なるため、自社の端末環境にあわせて確認することが重要です。
古い端末では対応していない場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
リスクベース認証という機能
アクセス状況に応じて認証の強度を変えるリスクベース認証も、近年注目されている機能の一つです。利便性とセキュリティのバランスを取りやすい仕組みとして、導入を検討する企業が増えています。確認したい観点を整理します。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 判定に利用する情報 | IPアドレスや端末情報など、リスク判定の根拠 |
| 追加認証を求める条件 | 普段と異なるアクセスをどう検知するか |
リスクベース認証の仕組み
リスクベース認証は、普段と異なる場所や端末からのアクセスを検知した場合に、追加の認証を求める仕組みです。普段通りのアクセスでは認証の手間を減らしつつ、異常なアクセスには厳重に対応できる点が特徴です。
海外からの急なアクセスなど、通常と異なるパターンを自動的に検知できる点も評価されています。
リスクベース認証を導入する際の注意点
リスクベース認証を導入する際は、判定基準がブラックボックス化していないか、管理者が設定を調整できるかを確認することが重要です。運用開始後に、誤検知が多い場合は設定を見直せる柔軟性も求められます。
導入初期は判定基準を緩めに設定し、徐々に調整していく運用方法も有効です。あわせて、判定に利用する情報がどこまで収集・保存されるかも、プライバシーの観点から確認しておくとよいでしょう。
機能面を比較したいワンタイムパスワード製品
スマホアプリ発行やリスクベース認証など、機能面を比較する際に候補となるワンタイムパスワード製品をご紹介します。
Secioss Access Manager Enterprise(SAME)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
- 柔軟なルール設定が可能なアクセス制御機能を搭載
株式会社セシオスが提供する「Secioss Access Manager Enterprise(SAME)」は、企業向けのアクセス管理基盤とワンタイムパスワード認証を組み合わせたサービスです。スマホアプリでのワンタイムパスワード発行やFIDO(生体・セキュリティキー)認証など、具体的にどの機能に対応しているかは、契約前に個別に確認することが重要です。
PassLogic (パスロジ株式会社)
- 安全な認証環境を状況に合わせて構築
- 毎日のログイン作業を効率的に行う「シングルサインオン」
- トークンや専用の認証デバイスが不要
ワンタイムパスワード (ソフトバンク株式会社)
- 一時的なパスワードで不正ログインを防止します。
- クラウド対応で導入・運用が容易。
- 既存システム連携でセキュリティ強化を実現。
機能に関するFAQ
ワンタイムパスワードの機能について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:SMS認証とハードウェアトークンはどちらを選ぶべきですか?
- 利用環境やコストによって適した選択肢は異なります。自社の運用条件にあわせて比較検討することが重要です。
- ■Q2:リスクベース認証とはどのような機能ですか?
- アクセス状況に応じて認証の強度を調整する機能です。対応の有無は製品によって異なるため個別に確認しましょう。
- ■Q3:スマホアプリでの発行機能はどのように使われますか?
- アプリ上でコードを表示する仕組みで、SMSに比べて通信環境に左右されにくい点が特徴です。
- ■Q4:プッシュ通知承認と生体認証を併用するメリットは何ですか?
- 通知をタップするだけで承認でき、生体認証と組み合わせることで利便性とセキュリティを両立しやすくなります。
まとめ
ワンタイムパスワードには、スマホアプリでの発行やSMS認証、ハードウェアトークン、プッシュ通知承認、生体認証との併用、リスクベース認証など、さまざまな機能があります。自社の利用環境やセキュリティ要件にあわせて、必要な機能を見極めることが大切です。社内の関係部署とも相談しながら、まずは資料請求で具体的な機能を確認してみてください。

