事務作業の集中を課題解決につなげる考え方
社内の事務作業が特定の社員に集中すると、本来の業務が圧迫される場合があります。オンラインアシスタントを課題解決に生かすには、原因を整理し、依頼する業務を絞り込むことが出発点です。課題と委託の考え方を表にまとめます。
| 課題 | 状況 | 委託の考え方 |
|---|---|---|
| 作業の集中 | 特定の社員に事務が集まる | 定型作業を切り出して依頼する |
| 兼務の限界 | 本来の業務の時間を確保しにくい | まず一部の業務で効果を確かめる |
| 委託範囲の迷い | 何を任せるか決められない | 手順が決まった業務から任せる |
特定の社員に作業が集まる原因を整理する
事務作業が特定の社員に集まる背景には、担当が明確でないことがあります。長く担当してきた社員に任せ続けている場合もあり、原因は1つとは限りません。まず、誰がどの作業にどれだけ時間を使っているかを調べましょう。
作業時間を記録すると、集中している作業の種類と量が見えてきます。定型的で手順が決まっている作業が多い場合は、委託で負担を減らせる場合があります。判断が必要な作業は、社内で担当を分け直す方法も検討します。
兼務の事務作業に限界を感じたときの見直し
経理や総務の事務を兼務で担っていると、本来の業務の時間を確保しにくくなります。残業が増えたり、事務の処理が後回しになったりしたときは、見直しのサインといえます。ミスや遅れが出ていないかも、あわせて確認しましょう。
対策には、人員の増員、業務の効率化、外部委託などがあります。採用には時間と費用がかかるため、まず一部の業務を委託して効果を確かめる方法があります。効果が出た業務から、委託の範囲を広げていきましょう。
委託に向く業務と社内に残す業務を分ける
委託に向くのは、手順が決まっていて、成果物の基準を示しやすい業務です。例えば、データ入力、日程調整、書類の作成補助、資料の清書などがあります。依頼内容を文書にできる業務は、品質のばらつきを抑えやすくなります。
一方、最終的な判断や承認、重要な取引先との交渉は、社内に残す業務です。委託する範囲を明確にしておくと、責任の所在もはっきりし、トラブルを防ぎやすくなります。業務委託の考え方は、契約前に整理しておきましょう。
属人化したバックオフィス業務を解消する進め方
バックオフィス業務の属人化とは、特定の担当者しか手順や状況を把握していない状態です。担当者が不在のときに業務が止まる恐れがあり、引き継ぎも難しくなります。解消に向けた進め方を、3つの段階に分けて整理します。
- ■手順の見える化
- 担当者の作業を書き出し、手順書にする
- ■体制の複数化
- 複数名で対応できる委託先を選ぶ
- ■引き継ぎの記録
- 依頼の履歴と成果物を自社で残す
業務の手順を見える化する
属人化を解消する第一歩は、担当者の作業を書き出して手順書にすることです。画面の操作や確認する項目、判断の基準まで書くと、他の人も同じ作業を進めやすくなります。書き出した内容は、複数人で読んで確認すると抜けを防げます。
手順書があると、依頼内容を委託先へ正確に伝えられます。作業を書き出す過程で、不要な手順や重複した確認が見つかる場合もあります。まずは、頻度が高く手順の決まった作業から、小さく着手しましょう。
複数名で対応できる委託先を選ぶ
委託先の担当者が1名だけの場合、休暇などで不在になると業務が止まる恐れがあります。属人化を別の場所に移しただけにならないよう、チームで対応する体制かを確認しましょう。担当の変更が事前に知らされるかも、確認しておくと安心です。
確認したいのは、担当者の人数、代替の担当者を立てる仕組み、担当者が替わるときの引き継ぎ方法です。専任の担当がつくサービスと、チームで対応するサービスでは、依頼の方法も異なります。連絡窓口が1つかも確認します。
引き継ぎ資料と依頼履歴を社内に残す
委託後も、依頼の履歴や成果物は自社で保管します。委託先だけに記録が残る状態では、契約を終了したときに業務の経緯が分からなくなる場合があります。記録の保管場所と閲覧できる人も決めておきます。
依頼書、納品物、修正の履歴を共有フォルダなどにまとめ、社内の複数人が参照できるようにしましょう。委託先から報告書を受け取れるか、記録の形式は何かも、契約前に聞いておきます。保管期間のルールを決めておくと、整理が進みます。
機密情報への不安を和らげる課題解決のポイント
機密情報を外部に渡すことへの不安は、委託をためらう理由の一つです。不安の中身を整理し、委託先に確認する条件を決めておくと、課題解決に向けた判断を進めやすくなります。判断に必要な3つのポイントを見ていきます。
渡す情報と渡さない情報を区分する
不安を和らげるには、まず渡す情報の範囲を決めます。公開されている資料や、個人を特定しない集計データは渡しやすい一方、個人情報や取引先の機密は慎重な扱いが必要です。区分の基準は、社内の情報管理ルールにあわせます。
区分を一覧にすると、依頼のたびに迷わずに済みます。渡さない情報を含む業務は、社内に残すか、個人名を伏せるなど情報を加工してから依頼する方法もあります。不明な点は、情報管理の責任者に確認しましょう。
秘密保持契約と個人情報の取り扱いを確認する
秘密保持契約では、秘密とする情報の範囲、目的外での使用の禁止、契約終了後の返却や削除を確認します。再委託を行う場合の条件も、あわせて取り決めておきます。契約書の文面は、法務担当者や専門家に確認してもらうと安心です。
個人情報を扱う業務では、個人情報保護法にもとづき、委託先を適切に監督することが必要です。委託先の安全管理の取り組みを聞き、必要に応じて書面で回答を受け取りましょう。回答の内容は、日付とあわせて記録しておきます。
権限管理と作業環境の確認
委託先に共有するアカウントには、業務に必要な範囲だけの権限を付与します。閲覧のみか、編集もできるかを区別し、不要になった権限は速やかに削除しましょう。共有アカウントを複数人で使い回さない運用も確認します。
委託先の作業環境も、確認が役立つ項目です。使用する端末の管理方法や、作業場所の取り決め、ISMSなど第三者認証の取得状況は、問い合わせで聞けます。認証の対象範囲は、サービスごとに異なる点にも注意しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でオンラインアシスタントの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
経理や庶務の工数削減とペーパーレス化への活用
経理や庶務は、定型的で手順の決まった作業が含まれやすく、委託と相性のよい領域です。ただし、委託するだけで工数が減るとは限りません。対象の業務と効果の測り方を決め、紙の書類の電子化についても確認しておきましょう。
経理や庶務の定型作業を委託する
経理では、請求書の入力補助、経費精算の確認、振込データの作成補助、領収書の整理などが、委託の対象になりえます。庶務では、備品の発注、来客対応の準備、書類の整理などがあります。対象の業務は、手順が決まっているかを基準に選びます。
委託できる範囲は、サービスによって異なります。会計や税務の専門的な判断は、税理士などの専門家が担う領域です。依頼できる業務の範囲と、対応できない業務は、契約前に書面で確認しましょう。
紙の請求書や領収書を電子化する
紙の請求書や領収書をペーパーレス化するには、スキャンして電子データにし、整理して保管する作業が必要です。この作業の補助を、オンラインアシスタントに依頼できる場合があります。原本の扱いも含めて、手順を決めておく必要があります。
ただし、電子帳簿保存法などの法令には、保存の要件が定められています。委託先が要件を理解して対応できるか、紙の原本を自社で保管するのかも、事前に確認が必要です。法令の判断は、税理士などの専門家にも相談しましょう。
削減した工数の測り方
効果を測るには、委託の前後で、対象業務にかかった時間を比べます。社内の作業時間が減ったか、残業が減ったか、処理の遅れが減ったかを記録しましょう。測定の期間は、1か月以上にすると月ごとの差を把握しやすくなります。
委託先への指示や確認の時間も、新たな工数として社内の記録に加えます。この時間を含めて比べないと、効果を実際より大きく見積もる場合があります。結果をもとに、委託する業務の範囲を調整しましょう。
内製と外部委託を比べて判断する基準
バックオフィス業務を内製で続けるか、外部委託にするかは、業務の性質や社内の状況で変わります。判断を誤らないよう、比較の観点を整理しましょう。観点の違いを表にまとめ、段階的に判断を進める方法も紹介します。
| 観点 | 内製 | 外部委託 |
|---|---|---|
| 調整のしやすさ | 社内で素早く調整できる | 依頼内容を文書で伝える必要がある |
| 業務の継続性 | 担当者の不在の影響を受ける | 体制によっては不在の影響を抑えられる |
| 情報管理 | 社内で完結する | 契約と運用ルールの管理が必要 |
内製と外部委託の違いを整理する
内製の利点は、社内で素早く調整でき、情報が社外に出ない点です。一方、担当者が不在になると業務が止まる場合があり、繁忙期の負担も社員に集中します。外部に出せない情報を扱う業務は、内製が向く場合があります。
外部委託は、必要な時期に業務の担い手を確保できる一方、依頼内容を文書で伝える手間が生じます。契約や情報管理のルールも整える必要があります。どちらが適するかは、業務の内容と社内の体制をふまえ、業務ごとに判断しましょう。
業務委託契約と派遣の違いに注意する
オンラインアシスタントの利用は、業務委託契約の形で提供される場合があります。派遣とは異なり、発注側が作業者に直接指揮命令をする関係ではありません。稼働時間の管理や作業の割り振りも、委託先が行うのが基本です。
作業の進め方を細かく指示する状態になると、偽装請負と判断される恐れがあります。依頼は成果物や業務の基準を伝える形にしましょう。疑問がある場合は、契約前に弁護士などの専門家へ確認しておくと安心です。
小さく始めて効果を確かめる
判断に迷う場合は、一部の業務で試す方法があります。期間と対象を決め、作業時間の変化、成果物の質、連絡の取りやすさを評価します。評価の基準は、開始前に社内で共有し、記録の形式もそろえておきましょう。
試した結果をもとに、委託の範囲を広げるか、内製に戻すかを決めます。料金体系は個別に確認が必要なため、見積もりの内訳も聞きましょう。複数のサービスに資料請求し、提案の内容と条件を見比べて検討を進めてください。
属人化や人手不足への対応に活用できる製品
事務作業の集中や属人化、採用の難しさといった課題への対応を想定した、オンライン業務代行サービスを紹介します。
HELP YOU
- 選考や採用の手間がなく、最適なアシスタントがすぐに見つかる
- 退職などによる引継ぎは不要!誰でも業務を遂行でき常に安定稼働
- 平均5人のチーム編成!スキルを組み合わせ幅広い業務に対応
株式会社ニットが提供する「HELP YOU(オンラインアウトソーシング)」は、オンラインで支援するアウトソーシングサービスで、業務マニュアルを作成し、特定の担当者に頼らず遂行できる仕組みを整えます。担当者の退職による引き継ぎの手間を抑えられ、アシスタントのチームで対応するため、属人化した業務の見直しに活用できます。営業事務、経理、人事や労務、採用、広報など、幅広い業務が対象です。委託する業務の範囲は、問い合わせで確認しましょう。
オンライン業務代行 StepBase(ステップベース)
- パーソルグループの長年の実績を活かした業務代行を月4.8万円で
- 採用倍率500倍以上!実務経験が豊富なアシスタントを直接採用
- マニュアルは不要!事前準備なしで業務依頼可能。内製化支援にも
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が提供する「パーソルグループのオンライン業務代行 StepBase(ステップベース)」は、必要な時に必要な分だけ依頼できるオンライン業務代行サービスです。人材を採用したくても集まらない、採用しても育成に時間がかかるといった課題を背景に、事前のマニュアル準備なしで依頼できる点が特徴です。一度業務を見せたあとに手順化してもらえるため、内製化の支援にも活用できます。労務、経理、総務、事務が依頼の例です。
タクシタ
- 採用率0.5%の本当のプロ人材のみが在籍
- 幅広い業務を柔軟に対応できるチーム体制
- ご依頼内容が決まっていなくても業務の棚卸しから対応可能
株式会社kubellパートナーが提供する「タクシタ」は、経理、労務、採用、営業事務などの業務をチャットでオンラインから依頼できる業務代行サービスです。月末月初や決算時に業務が集中する、専門人材の採用が難しいといった課題を想定しています。依頼内容が決まっていなくても、業務の棚卸しから相談でき、マニュアルや育成の準備も不要とされています。ただし、法令上受託できない作業は受け付けない旨が記載されているため、依頼できる範囲は確認が必要です。
マルナゲカンリ (マルナゲカンリ株式会社)
- 管理業務を1つの窓口に集約し、情報共有・手続きの手間を削減。
- 必要な業務を必要な時だけ頼める柔軟なサービス体系。
- 有資格者監督下で、高品質なアウトソーシングを提供。
メリービズ (メリービズ株式会社)
- 経理に関連する業務ならあらゆる代行が可能!
- 簿記2級以上・実務経験豊富なスタッフが全国に在籍!
- 自由な対応範囲のカスタマイズで中小~上場企業まで幅広く対応!
オンラインアシスタントに関するよくある質問
オンラインアシスタントの課題解決についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:どのような課題ならオンラインアシスタントで解決できますか?
- A:手順が決まった定型業務が特定の社員に集中している場合や、兼務の事務作業の負担が大きい場合に、役立つ場合があります。判断を伴う業務は社内に残す形も検討しましょう。
- ■Q2:属人化は委託すれば解消しますか?
- A:委託だけでは解消しない場合があります。業務の手順を書き出して手順書にし、依頼の履歴を社内にも残すことが重要です。委託先が複数名で対応できる体制かも確認しましょう。
- ■Q3:機密情報を渡すのが不安な場合はどうすればよいですか?
- A:渡す情報の範囲を区分し、秘密保持契約で取り扱いを定めておく方法があります。個人情報を扱う場合は、委託先の監督も必要です。不安が残る業務は、社内に残す判断もあります。
- ■Q4:内製と外部委託のどちらがよいか判断する方法はありますか?
- A:業務の性質や社内の体制で変わるため、一部の業務で試して、作業時間や成果物の質を比べる方法があります。結果をもとに、委託の範囲を広げるか内製に戻すかを決めましょう。
まとめ
オンラインアシスタントによる課題解決は、事務作業の集中の原因を整理し、手順が決まった業務から委託することが出発点です。属人化の解消には、手順の見える化と複数名で対応できる体制の確認が役立ちます。機密情報への不安は、情報の区分と契約の確認で和らげられる場合があります。複数のサービスに資料請求し、自社の課題にあう委託先を比較してみてください。

