事務作業は業務委託できるのか?
事務作業は業務委託で対応できるものが多くあります。しかし、すべての業務が外部委託に適しているわけではありません。ここでは、業務委託が可能な代表的な事務作業と、外部に任せるのが難しい業務の具体例を紹介します。
業務委託できる主な事務業務
外部に委託しやすい代表的な業務を以下にまとめました。
- ●データ入力/書類作成
- ●経理補助(請求書発行、経費精算など)
- ●スケジュール管理/会議調整
- ●メール対応/電話対応
業務委託が難しい業務の例
一方で、すべての業務が外注に向いているとは限りません。以下は業務委託が難しいとされる業務の例です。
- ●機密性が高い社内資料の作成や管理(例:未公開の経営資料、労務・人事データなど)
- ●社内外の調整が複雑な業務(例:取引先との契約交渉、部署間の利害調整をともなう業務調整など)
事務作業を業務委託するメリット
事務作業を外部に委託することで、企業にはさまざまなメリットが生まれます。ここでは、主な3つのメリットを紹介します。
社内リソースの最適化
日常的な事務作業を外注することで、社員は本来担うべき戦略業務やクリエイティブな業務に集中できます。人材を有効に活用できるため、チーム全体の生産性が向上し、業務の質そのものも高まります。つまり、外注化は人材リソースの「再配分」として非常に有効です。
人件費・採用コストの削減
外部委託を活用すれば、従業員の採用・教育・定着といった人的コストが不要になります。社会保険料や福利厚生といった間接的な人件費も大幅に抑えることが可能です。繁忙期やそうでないときに応じて柔軟に発注の調整できる点も、固定費削減につながります。
専門性や即戦力の確保
特に委託サービスでは、事務領域に精通した経験豊富なスタッフがおり、基礎知識のレクチャーがなくてもすぐに対応可能です。即戦力としての稼働が期待でき、教育に時間をかける必要がありません。経理や法務など社内にノウハウがない業務も安心して任せられる点が大きな魅力です。
事務業務の外部委託でよくある不安とその対策
事務作業の外注を検討するうえで、多くの企業が抱える不安や懸念点もあります。ここでは、代表的な不安とその対策を紹介します。
- ■情報漏えい
- 対策:秘密保持契約(NDA)の締結に加え、業務で扱うデータの管理方法やアクセス権限の範囲をあらかじめ明確にし、委託先と共有しておく。
- ■指示が伝わらない
- 対策:業務フローを明文化したマニュアルを作成したり、初回の打ち合わせを行う。SlackやChatworkなどのチャットツールで日々のやりとりをスムーズにする。
- ■費用が不透明
- 対策:時間単価や作業量に応じた料金体系、定額制の有無などを事前に確認し、見積書で内訳も明確に提示してもらう。
事務作業の業務委託先の種類と特徴
事務作業を外部に委託する際は、委託先の種類とそれぞれの特徴を理解しておくことが大切です。コストや専門性、対応スピード、管理工数の違いを把握することで、自社にとって最適な委託先を選びやすくなります。ここでは、代表的な4つの委託先とそれぞれのメリット・注意点を紹介します。
フリーランスへの直接依頼
特定のスキルをもつフリーランスに直接業務を依頼する方法です。仲介料が発生しないので、比較的コストを抑えられるのがメリット。一方で、業務品質の検収確認や改善依頼、納期や進行管理も依頼側で行う必要があるためとなるため、マネジメント力が問われます。
また、適した人材を見つけるのが難しい面もあります。知人からの紹介や元社員の再活用であれば信頼できる人材に依頼しやすいでしょう。その他、フリーランスの方のWebサイトやSNSなどで公開されている経歴や実績、ポートフォリオを頼りに、適した方を探すのが主な手段になります。
クラウドソーシングサービスの活用
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングプラットフォームでは、多数の登録者のなかから業務内容に応じて人材を選定できます。各ワーカーの評価が確認できたり、契約や支払いをプラットフォーム上で完結できたりするのが特徴です。
ただし、発注から進捗管理・品質管理は自社で行う必要があるため、一定の工数は発生します。長期案件の場合、自社が継続を希望してもワーカーの都合などで必ず発注できるとは限らないので、急なキャンセルや終了の可能性の考慮も必要です。
アウトソーシング・BPO事業者への委託
大量の定型業務や、業務プロセス全体を効率化したい場合には、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業者への委託が適しています。業務設計から運用、成果分析まで一貫して対応してくれるため、中長期的な改善や最適化が可能です。コストは高めですが、品質と安定性を重視する企業には適した選択肢といえるでしょう。
オンラインアシスタントサービスの活用
事務作業を柔軟かつスピーディに外注したい企業には、オンラインアシスタントサービスの活用が適しています。秘書・総務・経理などのバックオフィス業務に特化した経験豊富なスタッフが在籍し、業務マニュアルがなくても即日対応が可能です。月額定額制で料金体系もわかりやすく、契約や稼働時間の調整も柔軟に行えるため、初めて業務委託を導入する企業でも利用しやすいでしょう。
以下の記事では、オンラインアシスタントサービスの活用メリットや種類、費用などを紹介しています。導入を検討したい方はぜひ一読ください。
おすすめのオンラインアシスタントサービス比較
オンラインアシスタントサービスは、事務作業を効率よく外注したい企業にとって、柔軟かつ安心して活用できる選択肢です。ここでは、事務業務に特化したおすすめのオンラインアシスタントサービスを厳選して紹介します。それぞれの特徴や対応業務を比較し、自社の課題や業務内容にあったサービス選びの参考にしてください。
オンライン業務代行 StepBase(ステップベース)
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が提供する「StepBase」は、事務業務を中心としたバックオフィス支援に強みをもつオンラインアシスタントサービスです。経理、労務、総務、営業事務などの業務を、実務経験豊富なスタッフがチーム体制で対応。業務の引き継ぎやマニュアル作成不要で、最短翌日から稼働できるスピード感も魅力です。月30時間から利用可能で、日々の事務負担を継続的に軽減したい企業に適しています。
コクヨのオンラインコンシェルジュ
コクヨアンドパートナーズ株式会社が提供する「コクヨのオンラインコンシェルジュ」は、総務・経理・営業事務などの幅広い事務業務を委託できます。業務は依頼ポータルを通じて簡単に指示でき、経験豊富なスタッフが対応。サービスマネージャーが品質・進捗管理も担うため、依頼後の管理負担が少ない点もポイントです。複数部門の事務業務をまとめて委託したい企業におすすめです。
タスカル
株式会社Colorsが提供する「タスカル」は、日常的な事務作業を柔軟に任せられるオンラインアシスタントサービスです。メール対応、データ入力、スケジュール管理、経費精算、請求書処理など、一般的な事務業務を月10時間から委託可能。業務マニュアルの準備は不要で、すぐに業務を開始できます。未使用時間の繰り越しにも対応しており、業務量に応じて無駄なく使いたい企業に最適です。
まとめ
事務作業の業務委託は、業務効率化やコスト削減、リソースの有効活用において非常に有効な手段です。依頼先の選び方や不安点への対策をあらかじめ整理・確認しておくことで、安心して外部パートナーに業務を任せられます。
特にオンラインアシスタントサービスは、即戦力の人材に事務作業を任せられる便利な選択肢です。まずは複数サービスの資料を比較し、自社に最適なパートナーを見つけてみてください。