車両管理システムのシェア情報の読み方
公開されているシェア調査は、集計対象や調査方法によって結果が変わります。まずはシェア情報の性質を理解しておきましょう。
集計対象や調査方法による数値の違い
車両管理システムのシェアは、対象とする車両規模や業種、集計期間によって結果が変わります。運送業向けの調査と、営業車を保有する一般企業向けの調査では、上位に来る製品が異なる場合があります。トラックやバスなどの事業用車両を対象とするか、社用車を含む調査かによっても結果は変わります。
公開されている数値を見る際は、調査対象の業種や車両台数の規模があわせて示されているかを確認しましょう。自社の業種や規模に近い調査結果であれば、参考にする際の精度が高まります。逆に条件が大きく異なる調査結果を鵜呑みにすると、実態と異なる判断につながるおそれがあります。複数の調査結果を見比べる際も、集計条件が異なる数値を単純に並べて比較しないよう注意が必要です。
シェアと自社の運用への適合は別の観点
シェアが高い製品は情報量や導入事例が豊富な傾向がありますが、自社の車両台数や運行形態に合うかどうかは別に確認する必要があります。長距離輸送が中心か、都市部での配送が中心かによって、必要な機能の優先度は変わります。保有車両の台数規模によっても、必要な管理機能の粒度は異なります。
シェアの数値だけで導入を決めると、自社の運用実態に合わない機能が中心の製品を選んでしまう可能性があります。シェアは候補を絞り込むきっかけとして活用し、実際の機能や操作性は個別に確認することが重要です。同業他社での導入事例が公開されている場合は、自社に近い環境での利用イメージをつかむ参考といえます。
運行管理システムとして確認したい機能範囲
車両管理システムには、位置情報の管理から点呼記録まで幅広い機能があります。自社の業務に必要な範囲を確認しましょう。
車両の位置情報と稼働状況の把握
GPSを使った位置情報の把握は、車両管理システムの基本的な機能のひとつです。リアルタイムでの位置確認に加えて、走行ルートや稼働時間の記録を確認できる製品もあります。急発進や急ブレーキといった運転挙動を記録できる製品もあり、安全運転の指導に活用できる場合があります。
位置情報の更新頻度や表示の見やすさは製品によって差があるため、実際の画面を確認してから比較することをおすすめします。あわせて、記録したデータをどの程度の期間さかのぼって確認できるかも、業務上の利便性に関わる確認項目です。地図上での複数車両の一覧表示や、車両ごとの色分け表示ができるかも、日々の運行管理のしやすさに影響します。
点呼記録やアルコールチェックへの対応
運送業では、点呼記録やアルコールチェックの結果を記録・管理する機能が求められる場面があります。対応範囲は製品によって異なるため、自社が必要とする記録項目に対応しているかを確認しましょう。遠隔地にいるドライバーの点呼をオンラインで実施できる機能を備えた製品もあります。
記録したデータを台帳として出力できる機能があると、監査や社内報告の際の作業負担を軽減できる場合があります。出力形式が社内の運用に合うかもあわせて確認しておくと、導入後の手戻りを防ぎやすくなります。紙の記録から切り替える場合は、過去データの移行方法についてもベンダーに確認しておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で運行管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
車両管理システムの導入形態
クラウド型か専用端末を用いる形態かなど、導入形態によって初期費用や運用の負担が変わります。
クラウド型と専用機器設置型の違い
クラウド型は、スマートフォンアプリや車載器から取得したデータをインターネット経由で管理する形態です。専用機器の設置範囲が少なく、比較的短期間で導入できる場合があります。初期費用を抑えたい場合や、小規模な車両台数から始めたい場合に選ばれることがあります。
一方、専用の車載器を設置する形態では、通信環境に左右されにくい安定した位置情報の取得が期待できる場合があります。どちらの形態が自社に合うかは、車両の稼働エリアや通信環境、初期費用の予算にもとづいて判断しましょう。車両の入れ替えが多い場合は、機器の取り付けや取り外しにかかる手間もあわせて考慮すると良いでしょう。
既存の運行管理システムとの連携範囲
すでに配車管理システムや燃費管理システムを利用している場合は、既存システムとの連携が可能かを確認しておく必要があります。データを二重に入力する手間を減らせるかどうかは、運用負担に直結する項目です。連携できないと、複数のシステムを横断して情報を確認する手間が発生する場合があります。
連携の可否や連携できるデータの範囲は製品ごとに異なります。自社で利用しているシステムの名称を伝えたうえで、ベンダーに具体的な連携可否を確認しておくと、導入後の認識違いを防ぎやすくなります。連携に専門的な設定作業が必要な場合は、情報システム部門やベンダーのサポートを活用することも選択肢のひとつです。
車両管理システム導入で起こりやすい課題
導入後に運用面で想定外の課題が発生することもあります。事前に起こりやすい事象を把握しておきましょう。
通信環境によるデータ取得の遅延
山間部やトンネルなど電波が届きにくい場所では、位置情報の更新が一時的に止まる場合があります。通信が回復した際にデータが正しく反映されるか、欠損した区間の扱いがどうなるかを確認しておくと安心です。通信が不安定な地域を主な運行エリアとする場合は、あらかじめベンダーへ動作状況を確認しておくとよいでしょう。
通信障害時の挙動は製品によって異なるため、実際の運行エリアに近い環境でトライアルを行い、動作を確認しておくことをおすすめします。頻繁に発生する場合は、車載器の設置場所の見直しも有効な対応策のひとつです。データが欠損した場合の履歴確認方法を事前に把握しておくと、報告作業での混乱を避けやすくなります。
ドライバーへの周知と運用ルールの整備
システムを導入しても、ドライバーへの操作説明が不十分だと、記録漏れや操作ミスにつながる場合があります。操作手順をわかりやすくまとめた資料を用意し、導入時に丁寧に説明する機会を設けることが望ましいといえます。年齢層や機器の利用経験に応じて説明方法を調整すると、定着がしやすくなります。
運用ルールを一部の担当者だけで決めてしまうと、現場の実情に合わないルールになるおそれがあります。ドライバーの意見を取り入れながらルールを整備し、複数人で運用状況を確認できる体制をつくることが有効です。定着状況を定期的に振り返り、必要に応じてルールを見直す機会を設けることも大切です。
車両管理システムの比較と選び方
最後に、実際に比較検討を進める際の具体的な進め方をまとめます。自社で確認できる範囲から着手しましょう。
自社の車両台数と業務内容の整理
まず確認したいのは、車両台数や運行エリア、荷物の種類など自社の業務内容です。業務内容によって、重視すべき機能の優先度が変わります。要件を整理してから比較検討を始めると、製品選定の軸がぶれにくくなります。関係部署から要望を集めておくと、後から要件を見直す手間を減らせます。
あわせて、システムを操作する担当者やドライバーのITスキルも考慮しておくとよいでしょう。操作が複雑な製品を選ぶと、現場での定着に時間がかかる場合があります。現場の意見を聞きながら要件を整理することをおすすめします。要件を整理する際は、将来的な車両台数の増減も見込んで拡張性を確認しておくと安心です。
資料請求での比較検討
気になる製品が複数ある場合は、資料請求を通じて機能や料金体系を具体的に比較する方法が有効です。カタログだけでは分かりにくい操作性や画面の見やすさは、デモやトライアルで確認することをおすすめします。実際の運行データを使った検証ができるかも、あわせて確認しておきたい項目です。
比較する際は、位置情報の精度や点呼記録の対応範囲、既存システムとの連携可否など、事前に整理した項目に沿って各社の情報を並べると判断しやすくなります。複数の担当者で比較表を共有し、検討を進めましょう。導入後のサポート体制や問い合わせ窓口の対応範囲も、比較表に加えておくと安心です。
運行管理システム選定時に比較検討したい製品
運行管理システムは搭載機能や連携できる周辺機器によって特徴が異なります。自社の車両規模や管理したい項目に合わせて、以下の製品を比較検討してみてください。
TUMIXコンプラ
- 中規模以上の運送会社に貢献! 2024年問題、改善基準告示対応!
- 中長距離に対応! 残業・拘束時間をリアルタイムで管理!
- 業務効率化・改善に貢献! 他システム(デジタコ等)との連動多数!
株式会社TUMIX(鈴与グループ)が提供する「TUMIXコンプラ」は、運送業専用の勤怠管理ツールです。既存の点呼システムやデジタルタコグラフ、専用タブレットと連携することで、出退勤や休憩などの打刻情報を手入力せずに取得できます。ドライバーごとの拘束時間や保有免許、手当支給額を一覧で管理できる帳票・グラフ機能を備え、運行管理の適正化を支援します。
KITARO
- 車両位置をリアルタイム表示し到着時刻を共有
- 走行データから日報を自動生成し事務負担を削減
- 急操作評価とアルコールチェック管理で安全を支援
株式会社アクシスが提供する「KITARO」は、車両にアダプタを取り付けるだけで導入できる運行管理システムです。トラックやバス、営業車、バイクまで幅広い車両に対応し、車両の現在位置や走行実績をリアルタイムに把握できます。急発進・急ブレーキの回数を記録して安全運転指導に活用できるほか、走行履歴をもとにした日報の自動作成にも対応し、管理業務の負担軽減を支援します。
通信型ドライブレコーダー Offseg(オフセグ)
- SDカード不要、内蔵メモリーへ自動保存で記録漏れのリスクを軽減
- AIが事故要因を検出し自動でドライバーに警告、管理者にも通知
- 日報・月報や教育資料を自動作成し安全運転管理を効率化
株式会社デンソーテンが提供する「通信型ドライブレコーダー Offseg(オフセグ)」は、2つのカメラで車両周囲約360度を録画できる法人向けテレマティクスサービスです。AIが一時不停止や速度超過などの危険シーンを自動検出し、信号無視や脇見運転などは運転中にリアルタイムで警告します。録画データや走行情報をクラウドで一元管理でき、日報作成や安全運転教育への活用も可能です。
SmartDrive (株式会社スマートドライブ)
- 走行データを自動収集し、車両情報を可視化
- 位置情報や走行履歴、運転診断を確認可能。
- 運転日報・月報管理やアルコールチェック機能を搭載。
MOVO Fleet 動態管理サービス (株式会社Hacobu)
- 5秒毎の位置情報で車両状況を把握
- 走行データからCO2排出量を算定し日報を自動作成
- 協力会社との一括管理でBCP対策を強化します。
まとめ
車両管理システムのシェアは調査方法によって数値が変わるため、比較検討の一つの参考情報として扱うことが大切です。実際の選定では、位置情報の把握方法や点呼記録への対応、既存システムとの連携範囲など、自社の業務に照らして確認できる項目をもとに検討しましょう。導入形態や通信環境への対応もあわせて確認しておくと、導入後の運用がしやすくなります。気になる製品があれば、資料請求を通じて具体的な機能を確認することをおすすめします。

