継続課金のビジネスで生じる管理の負担
売り切りの商売と違い、継続して料金を受け取る形では、契約が続く限り毎月作業が発生します。まずは、どこに手間がかかるのかを整理しましょう。
毎月の請求と入金確認の繰り返し
契約者ごとに、その月の料金を計算して請求書を作ります。契約者が100件あれば、毎月100件分の作業です。入金があったかどうかの確認も、同じ件数だけ必要になります。表計算ソフトで管理していると、件数が増えるほど時間もそのまま増えていきます。
入金がない契約者には、督促の連絡をします。誰に連絡済みで誰がまだかを追う作業も生まれます。この一連の流れが毎月繰り返されるため、担当者は月初や月末に業務が集中しがちです。
契約内容の変更への対応
継続課金では、契約の途中で内容が変わることがあります。上位の料金プランへの変更、利用する人数の増減、オプションの追加などです。月の途中で変わった場合、日割りの計算が必要になることもあります。
この計算を手作業で行うと、間違いが起こりやすくなります。請求金額が違えば問い合わせにつながり、対応の時間も増えます。変更の履歴を残していないと、後から「なぜこの金額なのか」を説明できなくなる点も課題です。
解約と更新の管理
解約の申し出があったとき、いつまで利用できてどこまで請求するのかを判断します。年間契約の途中解約や、無料で試せる期間からの切り替えなど、条件は契約ごとに違います。判断の基準がないと、担当者ごとに扱いが変わってしまいます。
自動で更新される契約では、更新の時期を管理する必要もあります。更新前に案内を送る運用にしている場合、その送付先と時期を追わなければなりません。件数が増えるほど、見落としの起きる可能性も高まります。
サブスクリプション管理システムを使うメリット
この仕組みの効果は、請求作業が減ることだけではありません。売上の把握や、社内での情報共有にも関わります。3つの角度から整理します。
請求と入金の確認を仕組みに任せられる
契約の内容を登録しておけば、毎月の請求金額が自動で計算されます。請求書の発行や、決められた日にクレジットカードから引き落とす処理まで扱える製品もあります。件数が増えても、担当者の作業がそのまま増えることはありません。
入金の確認も自動で照合できる形があります。未入金の契約者を一覧で出せるため、督促の対象をすぐ把握できます。誰にいつ連絡したかの記録も残せるため、対応の重複や漏れを減らせます。
契約の変更を正確に反映できる
プランの変更や人数の増減を登録すると、日割りの計算も含めて請求額に反映されます。手作業での計算が減るため、金額の誤りによる問い合わせも減らせます。変更の履歴が残る点も、後から確認するときに役立ちます。
解約や更新の条件をあらかじめ設定できる製品もあります。更新の時期が近づくと知らせが届く形にしておけば、案内の送付を忘れる事態を防げます。担当者の記憶に頼らない運用に移せます。
売上の状況を数値で把握できる
継続課金では、毎月どれだけの収入が見込めるかが重要な数字です。契約数と単価から、その月の見込み額を自動で集計できます。新規の契約と解約の数を並べて見られる製品もあります。
解約がどのくらい発生しているかを継続して見ていれば、増えた時期に原因を調べる手がかりになります。ただし、解約の理由は価格、サービスの内容、競合の動きなど複数が関わります。数値だけで原因を決めつけず、契約者への確認とあわせて判断しましょう。
導入前に確かめたい注意点
導入すればすべてが解決するわけではありません。次の点を押さえたうえで検討しましょう。
費用の決まり方を確かめる
料金は、管理する契約数や、決済した金額に応じて決まる形があります。事業が伸びるほど費用も上がる形の場合、将来の件数を想定して総額を見積もる必要があります。決済の手数料が別にかかるかも確認しましょう。
費用を比べるときは、今かかっている作業時間を書き出す方法があります。請求と入金確認に月あたり何時間使っているかを見積もると、判断の目安になります。設定を手伝ってもらう費用が別かどうかも確かめましょう。
自社の料金体系に対応できるか確かめる
継続課金の料金の決め方は、事業によってさまざまです。定額のみか、使った分だけ加算する形か、人数に応じて変わる形かで、必要な計算は違います。複数の形を組み合わせている場合は、それを扱えるかを確かめる必要があります。
期間限定の割引や、紹介による特典など、例外的な扱いがあるかも整理しておきましょう。対応できない部分は手作業で補うことになり、その分の手間が残ります。実際の契約の例を伝えて、扱えるかを確認することが重要です。
移行の作業に時間がかかる
今ある契約の情報を登録する作業が必要です。表計算ソフトで管理していた内容を整理し、抜けや誤りを直しながら移すことになります。契約数が多いほど、この作業には時間がかかります。
移行の途中で請求日を迎えないよう、日程には余裕を持たせましょう。しばらくは従来の方法と並行して確認する期間を設ける進め方もあります。作業の担当を1人に固定せず、複数人で分担できる体制にしておくことが重要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でサブスクリプション管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
製品を選ぶときの確認項目
必要な機能は、事業の形と今使っている仕組みによって変わります。決済の手段と、他システムとのつながりという2つの点から確認しましょう。
使いたい決済手段に対応しているか
クレジットカード、口座振替、請求書での後払いなど、契約者が使う支払い方法に対応しているかを確認します。法人向けの事業では、請求書での支払いを求められることが多くあります。対応していない手段があると、その分は別の方法で扱うことになります。
決済が失敗したときの動きも確かめましょう。カードの有効期限が切れた場合に契約者へ知らせが届くか、自動でもう一度試す設定ができるかを確認します。未回収を減らすうえで重要な機能です。決済できないまま契約が続くと、後からまとめて請求することになり、手間も増えます。
会計や顧客管理の仕組みとつなげられるか
請求と入金の内容を、会計システムに取り込める形で出力できるかを確認します。手作業での入力が残ると、効果が半分になってしまいます。顧客管理の仕組みと契約情報を共有できるかも、営業や問い合わせ対応に関わります。
つなぐ仕組みが動かない場合、製品の仕様、社内のネットワーク設定、つなぐ相手のサービスの制限など、複数の原因が考えられます。同期が止まったときに管理者へ知らせが届くか、手動でやり直せるかも聞いておきましょう。
継続課金の請求と契約を管理できるシステム
プランの変更や請求のタイミングを扱う業務にあわせて、比較の候補になるシステムを紹介します。
Scalebase
- サブスクモデルの複雑な契約も、標準項目で一元管理!
- 契約情報を登録するだけで、 毎月の請求が自動化!
- 新サービスや新プランの投入、 料金改定にスムーズに対応!
Scalebase株式会社が提供する「Scalebase」は、サブスクリプション型のビジネスにおける契約と請求の管理を扱うシステムです。プランの変更や従量課金といった複雑な条件にも対応でき、契約内容に応じた請求書の作成を進められます。会計システムとの連携にも対応しており、経理の処理につなげる流れを組めます。
ハヤサブ
- サブスクリプションビジネスの特性に合わせた販売管理を実現
- 多様で複雑な料金パターン・料金条件・請求パターンに対応
- 周辺システムと柔軟にシステム連携し、販売管理を一元化
株式会社オロが提供する「ハヤサブ」は、継続課金の契約管理と請求業務を支えるシステムです。契約の開始や更新、解約にあわせて請求の内容を自動で反映できる仕組みを備えています。顧客ごとの契約状況を一覧で確認できるため、更新時期の把握や問い合わせへの対応を進めやすくなります。
クラウドK
- 通販に必要な業務をトータルサポートし、シームレスな運用を実現
- 1アカウント月額15,000円からのスモールスタートが可能
- ECシステムをお客様のビジネス成長に合わせて引越し可能
FutureRays株式会社が提供する「クラウドK」は、サブスクリプション契約の管理と請求業務を扱うシステムです。契約条件の変更に応じて請求内容を反映する機能を備え、担当者が個別に計算し直す手間を抑えられます。複数のプランや料金体系を扱う事業での活用が想定されます。
サブスクストア (テモナ株式会社)
- BtoC向け定期通販カートで業界シェアNo1
- 大規模ショップ向けフルカスタムECカート
- BtoB・卸EC特有の取引に対応したカートシステム
サブスクリプション管理システムに関するよくある質問
導入を考えるときによく寄せられる疑問をまとめました。社内で話し合う際の参考にしてください。
- Q1: 契約数が少なくても導入する価値はありますか?
- 件数が少なければ表計算ソフトでも対応できる場合があります。ただし、料金プランが複数ある、途中変更が多いといった条件があると、件数が少なくても手間がかかります。今の作業時間を書き出して比べましょう。
- Q2: 請求書の発行だけを行う仕組みとは違いますか?
- 請求書の発行に絞った製品は、継続する契約の管理までは扱わない場合があります。プランの変更や解約の条件まで管理したい場合は、対応範囲を確かめましょう。必要な機能を書き出したうえで比べることが重要です。
- Q3: 導入までにどのくらいの期間がかかりますか?
- 契約情報の移行と、決済の設定にかかる時間で変わります。件数が少なければ短期間で始められる製品もあります。請求日を避けた日程を組み、並行して確認する期間も見込んでおきましょう。
- Q4: 契約者ごとに違う条件があっても管理できますか?
- 個別の割引や特別な条件をどこまで登録できるかは製品によって違います。例外の多い運用では、対応できない部分が手作業として残ります。実際の契約の例をいくつか示して、扱えるかを確認しましょう。
まとめ
サブスクリプション管理システムには、請求と入金の確認を仕組みに任せられること、契約の変更を正確に反映できること、売上の状況を数値で把握できることというメリットがあります。一方で、費用の決まり方や自社の料金体系への対応、移行の作業という点も押さえておく必要があります。まずは契約数と毎月の作業時間を書き出しましょう。資料請求を活用して比べてみてください。


