BPMとは
BPMとは「Business Process Management」の頭文字で、業務プロセス改善を目的とした管理手法の一つです。業務の流れをモデル化して課題を抽出・分析し、解決のための新しい業務プロセスを創出してPDCAサイクルを回し、継続的な業務改善を行います。
例えば生産・営業・出荷・販売などの活動を一連のプロセスとして捉え、業務の流れを可視化しボトルネックとなっている点を見つけ出します。そして分析・設計・適用(実行)・モニタリング・再構築といったサイクルを社内やチームで繰り返し、業務プロセスの最適化を目指すことが目的です。
なおBPMの導入により、以下のことが期待できます。
- ●業務の標準化によるオペレーションコスト削減
- ●情報システムの保守や運用にかかるコスト削減
- ●企業におけるガバナンスの見える化やコードの統一化
- ●コミュニケーションの生産効率を高める
BPMにおけるPDCAサイクル
BPMによる業務改善は、単発プロジェクトでは無く、継続的・段階的な改善が必要です。PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)により業務改善を計画・実行し、効果の確認を経て課題を解決します。そして課題の解決が新たな計画につながることで、BPMは業務を螺旋状に改善する活動となります。

- ●プロセス指向
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「プロセス指向」は、業務に関する情報収集や分析をプロセス中心として行うことを指します。以前はデータ指向が重視されていた時期があり、DOA(Data Oriented Approach)と呼ばれる手法が有効であると考えられていました。しかし、DOAはシステム開発者寄りの手法であり、エンドユーザーにはハードルが高いという難点が指摘されていました。
そこで、日常的に作業を行っているエンドユーザー寄りの業務情報収集や分析手法として、プロセス指向が注目されるようになったのです。
- ●モデル化
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さまざまな業務プロセスを俯瞰的に把握して再定義を行うために、モデル化を行います。このプロセスのモデル化のための表記に、ビジネス・プロセス・ダイアグラム(Business Process Diagram)が利用されます。
- ●導入
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モデル化した新業務プロセスを導入します。企業内で理解を得たり、新業務導入による影響などを調査したりすることでスムーズに展開できます。
- ●モニタリング
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導入の成果を観察し、成果が現れていない箇所をチェックします。事前に理解を得て調査していても、新業務により新しい課題点などが発生するかもしれません。それらを抽出して再度プロセス指向を行います。
BPMツールの機能
BPMを導入した場合は、長期的な運用が必要です。また組織変更やビジネスプロセスの改善にも対応しなければなりません。手書きや描画ツールによる管理も可能ですが、BPMを効率的にすすめるためにはBPMツールの導入がよいでしょう。ここからはBPMツールの主な機能を紹介します。
- ●モデリング機能
業務プロセスをデータ化し可視化するための機能です。業務の流れを直感的なGUI(グラフィカルインターフェース)によって可視化し、ドラッグ&ドロップでプロセスの設計ができます。またサブプロセスを呼び出し、プロセスの設計で組み替えや変更を効率良く行える工夫がされています。
- ●モニタリング機能
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プロセスの最適化を検証する機能です。業務プロセスのログを集計し、プロセスの現状把握や監視を行えます。このことで、モデリング機能により設計した業務プロセスの稼働状況を把握できます。
- ●連携機能
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他ツールとのデータ送受信処理を行い、複数の業務プロセスの連携を支援する機能です。この機能により、各ツールを一対一で接続する必要をなくし、連携プログラムの作成数を削減できます。
以下の記事では、IT製品取扱数・カテゴリ数業界一のITトレンド編集部がおすすめする、BPMツールの機能や価格を比較できます。自社にあう製品を探している方はぜひ参考にしてください。
BPMの目的や特徴を知り、業務プロセスの改善を目指そう
BPMによって経営戦略の改革をする企業は年々増えています。BPMツールを使えばより効率的にビジネスプロセスの管理や改善が可能です。BPMの導入を考えている方はぜひ自社に適したツールをあわせて検討してみてください。