BPMの目的を見失わない
成功例
BPMプロジェクトが経営的な戦略の一つとしての業務プロセス改善のための手法であり、それを実現するためにITシステムを更新したり導入したりするのだ、という意義を、プロジェクトメンバーや各業務の現場スタッフが共有しています。
失敗例
BPMプロジェクトの目的と経営目標との関係について不明確であり、またプロジェクトメンバーや業務の現場スタッフが同じ目的を共有できておらず、いつのまにかBPM導入自体が目的になってしまいます。そのため、現場は渋々プロジェクトに従っている状態になり、プロジェクトがなかなか成果を出せない状況に陥ります。
BPMを成功させるためには、プロジェクトメンバーのみならず、業務現場のスタッフも含めて、BPMの狙いや目標を明確にして共有化しておく必要があります。
プロジェクトに優先順位を付ける
成功例
BPMを全社プロジェクトとして導入するからといって、あれもこれも全て対象にすることはありません。必ず全社的な問題の洗い出しと同時に、より大きなボトルネックとなっている業務プロセスから優先的に改善するプロジェクトを始めています。
そのために、限定した領域でモデリングやシミュレーションを行い、効率的にBPMの成果を確認する事ができ、現場のモチベーションも上がります。
失敗例
一方、全社的な業務プロセスの改善課題や問題について、優先順位をつけることなく、いきなり全ての課題を平行して改善しようとしてBPMを運営し始めてしまっています。
そのために、いきなり広範囲において大量のモデリングを横展開しなければ成らないといった負担が大きくなり、モデリングの質に大きな差が生じ、全体の戦略も見失いがちになってしまいます。
その結果、BPMの成果が実感できないままに、現場のモチベーションを下げてしまうという結果に至ります。
リーダーシップの重要性
BPMプロジェクトは、業務プロセスの抜本的な見直しを迫るという性質を持っているため、現場の反発を受けやすい面があります。
そのため、経営トップが早い段階で、BPM導入の重要性を現場にまで浸透させる啓蒙活動をする必要があります。
成功例
では、経営トップによる強い意思表明や社内の広報活動により、現場スタッフにまでBPMの運用が会社全体の利益になることを理解させた上で、プロジェクトチームへの協力が行われます。
失敗例
経営トップによるBPM導入の重要性の全社への啓蒙が行われないままプロジェクトが開始されるため、現場では何が始まったのか分からないままに、なにかとても面倒なことに巻き込まれ、最終的には職を失うのではないか、といった疑念までもたれてしまいます。
その結果、プロジェクトチームへの協力姿勢が悪い状態が続き、いっこうにBPMの成果を出すことができずに挫折してしまいます。
重要なプロジェクトメンバー選び
BPMプロジェクトでは、どうしてもシステムに詳しいメンバーを集めてしまいがちですが、全社的な業務プロセスの改善を対象としている以上、現場に関する知識の豊富さや、現場からの協力を得やすい人材をメンバーに含めておく必要があります。
成功例
各部門に話を通せる経営幹部をリーダーに据え、各現場で人望の厚い人員をメンバーに採用し、システム部門のメンバーとのバランスを取ります
失敗例
システムに詳しいと言うだけでリーダーを決めてしまい、システム部門に偏ったプロジェクトチームを構成してしまうため、現場との協力関係がうまく築けずに、プロジェクトが頓挫してしまいます。
BPMに関するFAQ
BPM導入では、進め方や体制づくりに関する疑問がよく挙がります。ここでは現場で判断に迷いやすい論点を、失敗を避ける視点でまとめました。
- Q1:BPM導入が失敗しやすいのはどんなときですか?
- 目的と経営目標の関係があいまいなまま進むと、導入自体がゴールになりがちです。関係者が狙いを共有できていない状態では現場の納得も得にくく、成果が出ないまま停滞しやすくなります。まず目的を言語化し、共有する工程を初期に置くと安定します。
- Q2:現場の協力を得るにはどうすればよいですか?
- 経営トップが早い段階でBPMの意義を発信し、業務改善が会社全体の利益につながる点を伝えることが土台になります。加えて、現場で人望の厚い人材を巻き込むと、説明が浸透しやすくなります。トップの発信と現場のキーパーソン、両方の後押しが有効です。
- Q3:BPMはどの業務から着手すべきですか?
- 全社導入でも、あらゆる業務を同時に対象にする必要はありません。ボトルネックが大きい業務プロセスを見極め、効果の高い領域から優先的に取り組むと、短期間で成果を確認しやすくなります。限定した範囲で試すことで、現場の手応えも生まれます。
- Q4:プロジェクトメンバーはどう選べばよいですか?
- システムに詳しい人材だけで固めると、現場との連携がうまくいかない場合があります。業務プロセス全体を対象にする以上、現場知識が豊富な人や協力を引き出せる人材を加える必要があります。システム部門と業務部門のバランスを意識した構成が望まれます。
- Q5:経営トップはどこまで関与すべきですか?
- BPMは業務の抜本的な見直しを伴うため、現場の反発が起きやすい取り組みです。トップが意思を明確に示し、導入の重要性を全社へ浸透させる役割を担うと、現場の抵抗はやわらぎます。旗振り役が不在だと、方針が伝わらず挫折につながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
4つのポイントを意識してプロジェクトを推進すれば、全社からの協力を得られ、BPMの導入、運用がスムーズに進むでしょう。


